1.5Sの効果
5S活動にはと五つの効果があります。
- (1) 整理することで、いらないものがなくなります=場所が空きますし、余分な運搬や管理工数も減ります。
- (2) 整頓することで、探す、迷うなどの動作のムダや、仮置きなどによる運搬のムダが減ります。
- (3) 清掃することで、設備を含めた現場の異常にいち早く気づくことができます=保全の第一歩
- (4) 清潔 整理・整頓・清掃された状態を維持する=維持できる仕組みを構築します。
- (5) 躾 決めたことを守らせる=管理すると共に、環境の変化に合わせて守れるように仕組みの見直しをかけれるようになります。
今回は、実際に5S活動を行う上での注意点について考えていきます。
2.5S活動を実行する手順
5Sを進める上では注意すべき点があります。ひとつはスピードであり、もうひとつは人の意識を変えるにはある程度の時間が必要だということです。そして、自社の他活動との整合性確保も欠かせません。それらを考慮しながら、着実な手順を踏むことが望まれます。他でもお話していますが、5Sは単にモノに対して行う活動ではありません。会社の仕組みそのものを見直す活動であることを前提に、以下のような手順を踏んでいくことが必要不可欠です。
① 会社としてのあるべき姿を明確に描く。
② あるべき姿と現状のギャップを数値目標に落とし込む。
③ 全社的な数値目標を、各部門別の数値目標にブレイクダウンする。
④ 各部門別の数値目標を、職場ごとの目標に更にブレイクダウンし、各職場ごとの代用特性値に変換する。
*具体的には、品質(不良率や歩留まり)や生産性(人時生産性)の向上、リードタイム(材料、仕掛品、完成品などの在庫量や情報の停滞時間)の削減など、職場に合った具体的な活動項目に変換します。
⑤ 目標達成の期日を決め、日々の進捗管理が可能な状態まで落とし込む。
*進捗管理は可能な限り小まめに行うことで、遅れ進みに対する適切なリカバリーが可能となります。
⑥ 定期的なトップによるフォロー活動を計画の中に落とし込む。
5Sとは突き詰めると企業体質改善活動であると言えます。それ故に、会社の仕組みそのものを見直すつもりで計画的且つ全社的に行うことが肝要です。
3.トップの姿勢が重要
5Sは改善活動そのものであり、突き詰めることでジャスト・イン・タイムに限りなく近づいていきます。下図のように小刻みに無理をせず、しかしトップが常に率先して行動すること、目的を浸透させていくことが重要です。定期的なフォ...
一見迂遠に思えるかもしれないこのアプローチが、会社を変える第一歩となります。この時の、トップによる一回のフォロー時間は短くても構いません。まず誰の目にも見える形でトップが動くこと、すなわち本気度を見せ、目的と重点ポイントを繰り返し伝えることが大切です。その強い意志と継続への姿勢こそが、変革のための重要な鍵となります。
図.レベルを上げるためのステップ