KT法とは

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KT法
 
 

 リスク対象に囲まれた不確実性の時代、状況を分析し意思決定する立場の管理者、技術者に求められる能力は、価値観や社会システムがどんなに変わろうとも陳腐化しない汎用的な問題分析、問題解決能力・判断力と思考プロセスの理解です。このような問題分析、問題解決の技術こそがシステム思考、論理思考であると考えています。そしてその両者を備えているのが、KT法と呼ばれるものです。

◆関連解説記事『意思決定のためのKT法(その1) KT法とは』

◆関連解説『KT法とは』

◆ KT法とは

 

 KT(Kepner&Tregoe)法とは、米国のケプナーとトリゴーが体系化した、意思決定の効率的な思考プロセスです。 二人は意思決定のプロセスを分析し、複雑な状況を理解し、重要な物事の因果を解明し、状況分析して良い選択をおこない、思考プロセスを整理、明確化して未来を予測することで問題解決に対する適切な判断ができるとしました。

 KTとは、ケプナー博士と、トリゴー博士のイニシャルを取って名づけてあります。 KT法の考えは、主観や、他者の意見により誤って陥ってしまう思い込み等の思考の罠を回避する事を目的としています。今回は、このKT法を紹介します。

 
 KT法は大きく4つの思考手法から構成されています。
 
  • PA(Problem Analysis)
  • DA(Decision Analysis)
  • PPA(Potential Problem Analysis)
  • SA(Situation Appraisal)
 

(1)KT法:PAはそのまま問題分析です。

 
 問題に対し、考えを可視化させ論理的思考手順に則りながら原因にたどり着く手法です。IS/IS Not分析とも呼称されており、KT法の4つの中では最もポピュラーな手法です。各手法毎に考えを可視化する為の専用のフォーマットが、用意してあります。PAの場合は、問題時と平常時を多角的に比較し異なるポイントを見出して行きます。PAを実行することにより、思い込みで原因を決めつけてしまう”対策ジャンプ“を防止する事が出来ます。フォーマットを用いて情報を整理する事で、実務経験や頭の中の誤ったリンクを効果的に断ち切る 事ができます。
 
 KT法の4つの個別手法のうち最初にPAから教わりました。PAは日々トラブルと対応している企業の部署の方には難しくなく、取り組み易い手法です。例題として取り上げてあった学習課題が非常に良く出来ていて注意深く考えないと正解に辿りつけないパズルのような事例で面白いです。
 

(2)KT法:DAは決定分析です。

 
  いくつかの選択肢がある時に、目的に対し多角的方向から考え決断を下す場合に活用される手法です。例えば賃貸マンションを探す場合、家賃、設備、日当たり、利便性、駅からの距離等の 色々な条件を検討して決めると思いますが、各人の制約条件として譲れないMUSTの条件と、出来れば満たして欲しいWANTの条件に分けられると思います。
 
 MUSTは、それが満たされて無ければ選択肢から外れると言うほど不可欠な条件です。MUST以外の要件は、WANTで分類されハイ、ミドル、ローと重み付けされます。実質的に最終決断はWANT事項をどの程度満たしているかで決まります。忘れがちな条件が”将来性”、”成長性”です。今現在は大したこと無くても将来問題になりそうかどうかのファクターも考慮します。例えば閑静さを好んでいたのに商業区画だったので数年後近隣に遊技場が出来た等の状況変化の可能性です。 ネガティブ要素だけで無くポジティブな将来性の予想も考慮します。DAでは決断時において考慮すべき必要なファクターを全て取り上げ正しいウエイトで評価する思考の手順を踏むことが出来ます。
 

(3)KT法:PPAは潜在的問題分析です。

 
  例えばイベントの実行委員として当日起こりうる問題を想定し対策を考えます。問題が生じないように予め手を打つ予防措置と発生してしまった場合に取る発生時対策 を考えておきます。新商品発売におけるPPA、顧客苦情に対するPPA、プロセス変更に対するPPA等多くの 状況で活用が可能な手法です。
 

(4)KT法:SAは状況把握です。

 
  問題解決...
KT法
 
 

 リスク対象に囲まれた不確実性の時代、状況を分析し意思決定する立場の管理者、技術者に求められる能力は、価値観や社会システムがどんなに変わろうとも陳腐化しない汎用的な問題分析、問題解決能力・判断力と思考プロセスの理解です。このような問題分析、問題解決の技術こそがシステム思考、論理思考であると考えています。そしてその両者を備えているのが、KT法と呼ばれるものです。

◆関連解説記事『意思決定のためのKT法(その1) KT法とは』

◆関連解説『KT法とは』

◆ KT法とは

 

 KT(Kepner&Tregoe)法とは、米国のケプナーとトリゴーが体系化した、意思決定の効率的な思考プロセスです。 二人は意思決定のプロセスを分析し、複雑な状況を理解し、重要な物事の因果を解明し、状況分析して良い選択をおこない、思考プロセスを整理、明確化して未来を予測することで問題解決に対する適切な判断ができるとしました。

 KTとは、ケプナー博士と、トリゴー博士のイニシャルを取って名づけてあります。 KT法の考えは、主観や、他者の意見により誤って陥ってしまう思い込み等の思考の罠を回避する事を目的としています。今回は、このKT法を紹介します。

 
 KT法は大きく4つの思考手法から構成されています。
 
  • PA(Problem Analysis)
  • DA(Decision Analysis)
  • PPA(Potential Problem Analysis)
  • SA(Situation Appraisal)
 

(1)KT法:PAはそのまま問題分析です。

 
 問題に対し、考えを可視化させ論理的思考手順に則りながら原因にたどり着く手法です。IS/IS Not分析とも呼称されており、KT法の4つの中では最もポピュラーな手法です。各手法毎に考えを可視化する為の専用のフォーマットが、用意してあります。PAの場合は、問題時と平常時を多角的に比較し異なるポイントを見出して行きます。PAを実行することにより、思い込みで原因を決めつけてしまう”対策ジャンプ“を防止する事が出来ます。フォーマットを用いて情報を整理する事で、実務経験や頭の中の誤ったリンクを効果的に断ち切る 事ができます。
 
 KT法の4つの個別手法のうち最初にPAから教わりました。PAは日々トラブルと対応している企業の部署の方には難しくなく、取り組み易い手法です。例題として取り上げてあった学習課題が非常に良く出来ていて注意深く考えないと正解に辿りつけないパズルのような事例で面白いです。
 

(2)KT法:DAは決定分析です。

 
  いくつかの選択肢がある時に、目的に対し多角的方向から考え決断を下す場合に活用される手法です。例えば賃貸マンションを探す場合、家賃、設備、日当たり、利便性、駅からの距離等の 色々な条件を検討して決めると思いますが、各人の制約条件として譲れないMUSTの条件と、出来れば満たして欲しいWANTの条件に分けられると思います。
 
 MUSTは、それが満たされて無ければ選択肢から外れると言うほど不可欠な条件です。MUST以外の要件は、WANTで分類されハイ、ミドル、ローと重み付けされます。実質的に最終決断はWANT事項をどの程度満たしているかで決まります。忘れがちな条件が”将来性”、”成長性”です。今現在は大したこと無くても将来問題になりそうかどうかのファクターも考慮します。例えば閑静さを好んでいたのに商業区画だったので数年後近隣に遊技場が出来た等の状況変化の可能性です。 ネガティブ要素だけで無くポジティブな将来性の予想も考慮します。DAでは決断時において考慮すべき必要なファクターを全て取り上げ正しいウエイトで評価する思考の手順を踏むことが出来ます。
 

(3)KT法:PPAは潜在的問題分析です。

 
  例えばイベントの実行委員として当日起こりうる問題を想定し対策を考えます。問題が生じないように予め手を打つ予防措置と発生してしまった場合に取る発生時対策 を考えておきます。新商品発売におけるPPA、顧客苦情に対するPPA、プロセス変更に対するPPA等多くの 状況で活用が可能な手法です。
 

(4)KT法:SAは状況把握です。

 
  問題解決手法の現状把握と情報収集の部分にあたるアクションだと思って頂くと分かりやすいかもしれません。問題や課題に応じて他の3手法(PA,DA,PPA)をどの様に駆使して対応するかを考える 総合的な思考手順です。SAはマネージメントやリーダー職にある人がチームでアクションを進める場合用いると有効活用が出来そうな手法です。まずSA以外の3つを個別に使い、慣れてきたらSAを用いるやり方が良いと思います。

(5)KT法:まとめ

 

 KT法は情報収集のやり方、思考(思考パターン)の手順、議論の進め方をモデル化しています。時にはプロセスを省略して、どこからでも入り込み4手法を使いこなせばよいのです。またプロセスの中で優先順位を付けてフィードバックすることも最適化に必要です。

 

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この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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