本稿では、社員・パート・アルバイトの方が50人以下の小規模企業の現場で役立つ、現場直結のマイナンバー制度導入実務について解説します。
小規模企業の経営者が、具体的に経営の現場で実施すべきこと、社員・パート・アルバイトの皆様が今の勤続を持続するためにしなければいけないことを、明確に“見える化”するために、「マイナンバー制度導入運用の手引書」を作成しました。
モデル企業をイメージして、その小規模企業がマイナンバー制度を導入・運用することを手順に従って解説していきます。
具体的な様式やサンプルを利活用して、日常的な業務を進める中で、“仕事の基本”をしっかりと励行しながら実施すれば、決定的なリスクは回避できることを考働指針として現場で役立てていただきたいと願っています。
マイナンバー制度は法律ですので、そのまま現場に降ろすには難しい点がありますので、法律用語を意訳して解説しながら、ルールを守っていれば安全は確保できるのだと云うことを、知っていただきたいです。ITベンダー系の営業トークや効能をうのみにしないで、自社の現状や持てる人材に合わせて選択してください。身の丈に合わせた導入方法が、最も確実な手順なのです。
多くの小規模企業・中小企業の経営者とそこで働く人々にこの手引書を見ていただいて、安全・安心に導入を進めていただきたいと念じています。
1.マイナンバー制度も法律のガイドラインを守れば現場主義で良い
①交通ルールを守る・・・・信号に従う・いつでも止まれるように走る
これと同じように原則的なルールを守って企業経営していれば、必ずや企業は持続します。現場でできないことは、恒久的な社会ルールにはなりえませんから、“仕事の基本”を実践しましょう。このような環境でなおかつ経営者が超多忙のため、「手順どおりにやれば、誰でもできる」手引書と、その運用を支援する”かかりつけ医”がもとめられています。
マインナンバー制度については、内閣官房のホームページ等でその主旨や法的な根拠・目的は数多く発信されていますので、そちらで情報をお取りください。検索は「マイナンバー 社会保障 税番号制度」です。
2.マイナンバー制度成功のキーワードは、“漏えい防止”
つまり小規模企業企業の問題は、「保管・管理」なのです。その点を如何に対応すべきか、現場でやるかを提言します。我が国の小規模企業は約330万社で、全企業に対する構成比は87%です。働いている方は、約1200万人で構成比は26%です(中規模企業を加えると385万社99.7%)。従業員は4600万人であり、構成比は70%にもなります。
誰もが認めているように、地域の山林・治水・農業・消防・治安等は、小規模企業が無くなると崩壊の危機に見舞われます。『特定個人情報』とは、個人情報に個人番号(マイナンバー)を含んだものです。
3、マイナンバー制度導入の手順
①基本方針と責任者を決める・・・・・早めに決めましょう