「アナロジー発想法」とは、キーワードからわかりやすく解説

1. 「アナロジー発想法」とは

アナロジー発想法とは、常識を意図的にひっくり返して非常識を生み、そこから新しいアイデアを引き出そうとするものです。手順としては、まず与えられた対象物にとって当然と思われる機能や特徴、ベネフィット、メリットを挙げ、その属性の逆を考えてみます。例えばWifiルーターは、一般に電波が強力で遠くまで届くものが高性能と思われますが、逆に遠くに届かない、あるいは壁の向こうに届かない製品があればどうでしょう？うまく仕様がまとまれば、セキュリティが強い製品になりそうです。このように弱点を特長にすることで、魅力的なアイデアに変化させます。

2. 「アナロジー発想法」の利用手順

アナロジー発想法は、既存の知識や経験を基に新しいアイデアを生み出す手法で、異なる視点を取り入れることで、創造的な解決策を生み出す強力な手法です。次にその利用手順を示します。

テーマの明確化・・・まず、解決したい問題やアイデアを明確にします。具体的なテーマを設定することで、アナロジーを見つけやすくなります。
関連する分野の選定・・・次に、テーマに関連する他の分野や状況を選びます。例えば、ビジネスの問題であれば、自然界や芸術、スポーツなど、異なる領域からのアナロジーを考えます。
類似点の抽出・・・選んだ分野から、テーマとの類似点を見つけ出します。どのような原理や構造が共通しているのかを考え、具体的な事例を挙げると良いでしょう。
アイデアの生成・・・抽出した類似点を基に、新しいアイデアを発想します。異なる分野の知識を組み合わせることで、独自の解決策や新しい視点が生まれることがあります。
評価と実行・・・最後に、生成したアイデアを評価し、実行可能なものを選びます。実際に試してみることで、さらに改善点を見つけることができます。

3. 企業における「アナロジー発想法」の活用分野

アナロジー発想法は、企業においては、次のような分野で活用されています。

製品開発・・・他業界の成功事例を参考にすることで、革新的な商品やサービスを生み出すことができます。たとえば、医療機器のデザインにおいて、航空機の安全性を取り入れることが考えられます。
マーケティング戦略・・・消費者の行動やトレンドを他の市場から引き出し、自社のプロモーションに応用することで、効果的なキャンペーンを展開できます。
問題解決の場面・・・過去の成功事例や異なる業界のアプローチを参考にすることで、複雑な課題に対する新たな視点を得ることができます。

このように、アナロジー発想法は、創造性を高め、競争力を強化するための強力なツールとして、さまざまな分野で活用されています。