物流の「生まれ」を良くする 究極の物流改善に取り組め(その3)

投稿日

 
  SCM
 
 究極の物流改善とは物流の「生まれ」を良くすることです。構内物流では工程と工程の間を離さずに設計することで生まれの物流を良くすることができます。
 
 工場の場合、工程設計担当者が複数おり、それぞれの担当者は自分の担当する工程の「内部設計」をしっかりと行おうとします。しかし物流の観点から大切なことは工程間の設計です。工程を離してレイアウトするのか、隣接させるのかで物流はガラッと変わります。
 
 仮に隣接できない場合でも近接化できれば物流の効率は向上します。とにかくレイアウトを設計する段階で理想的な物流の思想を織り込むことです。
 
 最新の物流技術の活用も考えていきましょう。たとえば最近の画像技術は物流工程にも応用が可能です。物流で最も工数がかかるといわれる「数量カウント」での応用などはいかがでしょうか。人がカウントする場合、カウント自体は時間がかからなくても確認作業に時間を要することが多いのです。
 
 今の技術をもってすれば数量カウントは画像で判断させることで精度的に問題はないでしょう。多少の投資は発生しますが、物流設計時に最新の技術を導入することも考えていきましょう。さらに「荷を縮める改善」としては物流効率が良くなる形状を考えたいものです。製品に小さな突起が1つ出ているだけで荷姿効率は大きく低下します。
 
 その結果空気を運ぶような状況が生まれ、それに対する物流コストが永遠に発生し続けてしまいます。いったん製品設計がなされると、後からその形状を変更することは困難です。
 
 したがいまして物流の担当者は現行製品における物流視点からの「難点」を抽出し、そのデータをストックしておくことが重要です。そして現行製品では無理だとしても、次期型製品でその難点を解消してもらえるように担当部署にフィードバックをかけるのです。
 
 その時に難...
 
  SCM
 
 究極の物流改善とは物流の「生まれ」を良くすることです。構内物流では工程と工程の間を離さずに設計することで生まれの物流を良くすることができます。
 
 工場の場合、工程設計担当者が複数おり、それぞれの担当者は自分の担当する工程の「内部設計」をしっかりと行おうとします。しかし物流の観点から大切なことは工程間の設計です。工程を離してレイアウトするのか、隣接させるのかで物流はガラッと変わります。
 
 仮に隣接できない場合でも近接化できれば物流の効率は向上します。とにかくレイアウトを設計する段階で理想的な物流の思想を織り込むことです。
 
 最新の物流技術の活用も考えていきましょう。たとえば最近の画像技術は物流工程にも応用が可能です。物流で最も工数がかかるといわれる「数量カウント」での応用などはいかがでしょうか。人がカウントする場合、カウント自体は時間がかからなくても確認作業に時間を要することが多いのです。
 
 今の技術をもってすれば数量カウントは画像で判断させることで精度的に問題はないでしょう。多少の投資は発生しますが、物流設計時に最新の技術を導入することも考えていきましょう。さらに「荷を縮める改善」としては物流効率が良くなる形状を考えたいものです。製品に小さな突起が1つ出ているだけで荷姿効率は大きく低下します。
 
 その結果空気を運ぶような状況が生まれ、それに対する物流コストが永遠に発生し続けてしまいます。いったん製品設計がなされると、後からその形状を変更することは困難です。
 
 したがいまして物流の担当者は現行製品における物流視点からの「難点」を抽出し、そのデータをストックしておくことが重要です。そして現行製品では無理だとしても、次期型製品でその難点を解消してもらえるように担当部署にフィードバックをかけるのです。
 
 その時に難点を解消できた場合の会社としての改善効果を明確にしておくことが大切です。物流コストが製品1台あたりいくら削減できるのか、それをはっきりとさせましょう。
 
 いかがでしょうか。物流は生まれが肝心です。物流が発生する前に手を打っておくことで究極の物流改善が実現できます。ぜひこの視点で物流改善に取り組んでみて下さい。今まで苦労して効果の小さい物流改善がダイナミックに変わることを体感できるでしょう。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
セットメーカーのサプライチェーン経営課題

 製造のサプライチェーンの中で完成品セットメーカーは、図1に示すようにアンカーです。  製造業において市場を支配するのは、通常プロセス上で最終組立を...

 製造のサプライチェーンの中で完成品セットメーカーは、図1に示すようにアンカーです。  製造業において市場を支配するのは、通常プロセス上で最終組立を...


最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その7)

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...


面積原価(その2)

 前回のその1に続いて解説します。    SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...

 前回のその1に続いて解説します。    SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
社員みんなが本気になる 物流改善技術とともに大切なこと(その2)

◆ 社員みんなが本気になる  会社を変えるために最も必要だと思われることが「社員みんなが本気になる」ということでしょう。よく社員に危機意識が欠けてい...

◆ 社員みんなが本気になる  会社を変えるために最も必要だと思われることが「社員みんなが本気になる」ということでしょう。よく社員に危機意識が欠けてい...


固定観念を取り払え:現場発信型の改善(その2)

  ◆ 固定観念を取り払え  製造現場では歩行一歩の改善を、ものを取る距離を10cm短縮する改善を、愚直に積み上げて実行してきています。...

  ◆ 固定観念を取り払え  製造現場では歩行一歩の改善を、ものを取る距離を10cm短縮する改善を、愚直に積み上げて実行してきています。...


物流容器の考え方

1. トラックの荷台とパレット  皆さんがモノを運ぶ時に必要になる容器。容器にモノを入れて保管、運搬、輸送などを実施しますが、モノが入った状態を荷姿...

1. トラックの荷台とパレット  皆さんがモノを運ぶ時に必要になる容器。容器にモノを入れて保管、運搬、輸送などを実施しますが、モノが入った状態を荷姿...