今回は、次のような現場を例に、現場の改善活動について解説します。
工場は約80名の規模、最近、現場の改善活動で士気が上がらず、作業者へのアンケートで次のような内容が戻ってきました。
・仕事が忙しい時に改善提案の提出期限が近づくと憂鬱になる。
・改善が楽しいと思ったことはない。
・改善は自分たちに課せられた試練だと思っている。
・仕事と改善を両立するのは至難の業だ。
次の事例は、上記のような士気が上がらない現場へのアプローチです。
◆刃具置き場整理整頓の事例
まずは、現場へ(刃具置き場)【現場主義】
見るとある程度、種類別に層別されている。しかし、サイズ別には、きっちり分類されていない。そして、明らかに、数が多い。数の多さの理由を聞くと、
(現場) 「ここまで種類別に分類し置くことにより、明らかに必要数以上に存在していることがわかりました。以前は、探しても見つからないものだから、購入を依頼し買っていた結果がこの有様です。今は、 存在する所在と個数がわかるので、必要以上に購入することはなくなりました。」【小さくても早い効果を実感】
(支援者)「なるほど、種類別に分類して、ドンドンと数が増えることが防止できるようになったわけですね。」【小さな改善事例の承認・賞賛】「じゃあ、さらに整理整頓を、進めましょう。どんな風にしましょうか?」
(現場) 「えっと、まず、サイズ別に並べて、使用中のものはこのエリアに、そして、新品はココに3個だけ置き、使用中のものが使用不可になったら、使用中に置き換える。そして、新規に刃具を1本購入する。」
(支援者)「う~ん。いいですね!!。ここでまず置き換えてみましょうか」【実践主義】
(現場) 「こんなんでしょうか?」
(支援者)「まずまずのようですね。あと、機械別にはどうしよう?使用不可状態の確認方法は?」
(現場) 「そうですね、それらも含めて、少し考えてみます」
(支援者)「いつまでに、やりましょうか?」
(現場) 「ウ~ん。忙しいんですよね。こんなにありますから、」
(支援者)「いいよ、まずはほんの少し、これだけのエリアに限定して、試行・思考を重ねてみてくださいよ」
(現場) 「ハイ、それなら、OKです。xxまでに、やってみます」【小さくても早い効果を実感】
(支援者)「そういえば、A職場の仕掛品置き場の整理整頓は、よく考えられていて、一目で工程間の流れがわかるように改善されてたよ。参考になると思うし、一度じっくり見て、担当者の話も聞いてみたら 」...