コストを下げて品質を改善した洗浄機の事例

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 高価な機械ほど、適切な利用状態を追及する必要がありますが、同じ洗浄機械を使用していても非常に良い表面改質を実現できる会社とそうでない会社があります。今回は、コストを下げて品質を改善した洗浄機の事例です。
 

1. 超音波洗浄機の出力を下げることで、水槽と洗浄液が最適化され、洗浄効果が高くなる事例(コスト:消費電力)

 水槽の強度と超音波出力のバランスが悪いと、低周波の振動モード(音の発生)により超音波の減衰とともに洗浄効果が低下します。水槽の強度に合わせた超音波出力を設定すると、高調波の発生とともに洗浄効果の主要因である、音響流が流れ・変化を起こすことで、洗浄効果が改善されます。
 

2. 洗剤の濃度を下げる、洗浄液の液温を下げる、液循環制御(ON/OFF)設定により最適な相互作用が洗浄効果を改善します(コスト:洗剤の使用量、ヒータの電力)

 超音波と洗剤はトレードオフの関係にあります。(超音波は洗剤成分、界面活性剤)を分解します。超音波を利用する場合には、洗剤の濃度は2~3%以下が推奨値となります。
(0.3~0.5%程度の利用実勢が多い状況です)
 
 洗剤は、洗浄物に接触することが必要です。そのために、超音波と液循環が重要になります。単調な液循環では、同じ洗浄液が同じように動くため洗浄効果が低下します。
 

3. 一つの水槽に、複数の超音波振動子を入れている場合、超音波振動子の使用数量を減らす、あるいは出力OFFの振動子を組み合わせる

 事例 30台→台、10台→3台、5台→2台、水槽構造に合わせた振動子の設置方法により超音波の使用数量は減らすことができます。
 
 単調な振動現象(同じ振動子の同じような発振状態)は、低周波振動の原因になります。
 
 ON/OFF制御は有効ですが、ONの時間とOFFの時間が同じだとONOFFモードの発生になり逆効果です。(数学的な非線形制御を行う方法、あるいは、...
  
 高価な機械ほど、適切な利用状態を追及する必要がありますが、同じ洗浄機械を使用していても非常に良い表面改質を実現できる会社とそうでない会社があります。今回は、コストを下げて品質を改善した洗浄機の事例です。
 

1. 超音波洗浄機の出力を下げることで、水槽と洗浄液が最適化され、洗浄効果が高くなる事例(コスト:消費電力)

 水槽の強度と超音波出力のバランスが悪いと、低周波の振動モード(音の発生)により超音波の減衰とともに洗浄効果が低下します。水槽の強度に合わせた超音波出力を設定すると、高調波の発生とともに洗浄効果の主要因である、音響流が流れ・変化を起こすことで、洗浄効果が改善されます。
 

2. 洗剤の濃度を下げる、洗浄液の液温を下げる、液循環制御(ON/OFF)設定により最適な相互作用が洗浄効果を改善します(コスト:洗剤の使用量、ヒータの電力)

 超音波と洗剤はトレードオフの関係にあります。(超音波は洗剤成分、界面活性剤)を分解します。超音波を利用する場合には、洗剤の濃度は2~3%以下が推奨値となります。
(0.3~0.5%程度の利用実勢が多い状況です)
 
 洗剤は、洗浄物に接触することが必要です。そのために、超音波と液循環が重要になります。単調な液循環では、同じ洗浄液が同じように動くため洗浄効果が低下します。
 

3. 一つの水槽に、複数の超音波振動子を入れている場合、超音波振動子の使用数量を減らす、あるいは出力OFFの振動子を組み合わせる

 事例 30台→台、10台→3台、5台→2台、水槽構造に合わせた振動子の設置方法により超音波の使用数量は減らすことができます。
 
 単調な振動現象(同じ振動子の同じような発振状態)は、低周波振動の原因になります。
 
 ON/OFF制御は有効ですが、ONの時間とOFFの時間が同じだとONOFFモードの発生になり逆効果です。(数学的な非線形制御を行う方法、あるいは、経験で判断することが必要です)
 

4. 5-6万円のマグネットポンプの追加で超音波の使用を中止して、洗浄効果を改善した事例があります。

  マグネットポンプによるマイクロバブル発生液循環設定で均一な洗浄レベルを実現しました。マイクロバブルの洗浄効果は確かにあります。除去した汚れが再付着をしないように、適切な液循環を実現すると実現します。水槽・洗浄物に合わせた、高いレベルの最適化が必要です。
 
 品質マネジメント
 

 

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この記事の著者

斉木 和幸

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