今回は、中小製造業を対象として、現場マネジメントの壁と現場情報自動収集の意義について解説します。
【事例】作業指示は、次のどちらの組織が管理レベルが高く改善が進むでしょうか?
- A社・・・・・「製品Bを◯個生産」
- B社・・・・・「製品Bを作業手順 a⇒b⇒c⇒の順番にて、1個 5分サイクルで◯個生産」
Bが正解との意見に異論はないでしょう。
Bが正解の理由は、正しい作業方法をしているのか。進捗のペースは妥当か。結果、生産性は妥当か。良し悪しの判断ができて、処置及び指導・改善ができる指示だからです。
すべき方向性は明快です。では、A方式からB方式への指示管理に移行しようと時刻に対するアウトプット数の予定と実績の把握を試みるものの、A方式が染みついた中小製造業の職場では、そうは容易に事は進まないでしょう。
1. 情報マネジメント:現場に関わる情報収集と5つの壁
気の進まない管理に『見られてたまるか攻防戦』の始まりです。
一見賛同が示され良き兆しを期待するものの、「こまめな記録は面倒だ」と大雑把かつ不正確な記録、煩雑な記録データの収集・分析に記録は度々山積み状態で放置され、結果、正確性とタイムリー性に欠いたフィードバックに、やがて、「ホラッ!役に立たないのに、こんな面倒くさいことはやってられません」との声に押されて、いつしか結局は元の木阿弥状態に陥ります。
この例に見るように、現場マネジメントに関わる情報収集をするにあたっては、次の5つの壁が立ちはだかります。
- 記録の壁
- 入力の壁
- 即時性の壁
- 表示・分析の壁
- 文化の壁
2. 現場情報の自動収集・分析
そこでおすすめしたいのが、現場情報を自動収集・分析できる道具立てです。
キーワードは、『手間なく』、『一気に』、『正確に』フィードバックです。
昨今、中小でも十分手が届くレベルに環境が整ってきました。
上記の例では、センサーで製品のアプトプットを感知し、予定線に対して実績を映し出せば、いとも簡単に実現ができます。すると不毛な消耗戦を経る間もなく、早くて正確なフィードバックを受け入れざるを得なくなり、前向きな思考と取り組みに集中する次なる段階へと移行させる...