SLAとは 物流サービス水準向上(その2)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ SLA(サービスレベル・アグリーメント)

 物流サービス水準向上で重要なことは物流サービスの定義と請け負う範囲について必ず契約書の中に明記することです。これを億劫(おっくう)がって書かないことがありますが、それではリスクを抱えながら仕事をするようなものです。

 できれば一般的な物流サービスを記した契約書のひな形を準備しておくと良いのではないでしょうか。この契約をSLA(サービスレベル・アグリーメント)と呼びます。

 物流会社が提供するサービスについてですが、物流のことをよく理解していない荷主の場合は物流会社側でリードしてサービスレベルを確認していきます。

  • 荷役は物流会社がやるのか、荷主側でやるのか
  • 高速道路を使うのか、使わないのか
  • 積み置きが発生するのか、しないのか
  • 積み込み時刻、荷下ろし時刻の制約はあるのか、ないのか

 こういった基本的な、しかし極めて重要なポイントにつきましてはチェックリストにして荷主と一緒に確認していくと良いでしょう。

 これ以外にも何かしらの報告が義務づけられるのか、伝票等はどのようなタイミングで荷主に届けるのか、緊急時の対応の有無など今までの経験値から確認をしておいた方が良いと思われる事項について、事前に確認をしておきましょう。

 そしてこのアグリーメントでは各サービスについての水準を定め、その達成レベルによって支払金額を変更するというものがあります。こういった仕組みを導入することでお互い物流のレベルを向上させていくことにつながります。一種の成功報酬のようなものですが、一回トライしてみる価値はあると思います。

 さて物流サービスですが、物流会社が提供する場合には他社との競争になることは言うまでもありません。いか...

サプライチェーンマネジメント

◆ SLA(サービスレベル・アグリーメント)

 物流サービス水準向上で重要なことは物流サービスの定義と請け負う範囲について必ず契約書の中に明記することです。これを億劫(おっくう)がって書かないことがありますが、それではリスクを抱えながら仕事をするようなものです。

 できれば一般的な物流サービスを記した契約書のひな形を準備しておくと良いのではないでしょうか。この契約をSLA(サービスレベル・アグリーメント)と呼びます。

 物流会社が提供するサービスについてですが、物流のことをよく理解していない荷主の場合は物流会社側でリードしてサービスレベルを確認していきます。

  • 荷役は物流会社がやるのか、荷主側でやるのか
  • 高速道路を使うのか、使わないのか
  • 積み置きが発生するのか、しないのか
  • 積み込み時刻、荷下ろし時刻の制約はあるのか、ないのか

 こういった基本的な、しかし極めて重要なポイントにつきましてはチェックリストにして荷主と一緒に確認していくと良いでしょう。

 これ以外にも何かしらの報告が義務づけられるのか、伝票等はどのようなタイミングで荷主に届けるのか、緊急時の対応の有無など今までの経験値から確認をしておいた方が良いと思われる事項について、事前に確認をしておきましょう。

 そしてこのアグリーメントでは各サービスについての水準を定め、その達成レベルによって支払金額を変更するというものがあります。こういった仕組みを導入することでお互い物流のレベルを向上させていくことにつながります。一種の成功報酬のようなものですが、一回トライしてみる価値はあると思います。

 さて物流サービスですが、物流会社が提供する場合には他社との競争になることは言うまでもありません。いかに顧客に喜ばれるサービスを提供できるか、他社と差別化できる物流商品なのかを考えていかなければなりませんね。

 いつも申し上げていることですが、顧客の物流現場を穴のあくほどよく観察し、物流水準を向上できるサービスを提供していくことが求められます。この物流サービスには安全性向上や物流品質向上、物流コスト低減など顧客が真に求めているあらゆるアイテムが含まれます。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その3)

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...


面積原価(その1)

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...


配送のジャストインタイム、クロスドッキングとは

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
現場から出てくる発想:現場発信型の改善(その1)

  ◆ 物流現場の不便をすくい上げよう  物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...

  ◆ 物流現場の不便をすくい上げよう  物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...


  管理技術:購買業務の要点(その14)

  ◆ 管理技術 サプライヤーが最低限行わなければならないことはQCDを守ってものをつくって納入することです。多くのサプライヤーはこれだ...

  ◆ 管理技術 サプライヤーが最低限行わなければならないことはQCDを守ってものをつくって納入することです。多くのサプライヤーはこれだ...


  ジャストインタイムと荷量:グローバルロジスティクスを考える(その3)

  ◆ジャストインタイムと荷量 物流はサプライチェーンを支える重要なポジションですから、その要請を満たすように貢献することが課題です。そ...

  ◆ジャストインタイムと荷量 物流はサプライチェーンを支える重要なポジションですから、その要請を満たすように貢献することが課題です。そ...