稼働分析とは:物流スタッフの効果的育成法(その4)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 稼働分析にチャレンジ

 今保有している資源をどこまで有効に活用しているかを知ることは重要です。今回は改善手法の一つ「稼働分析」についてです。物流スタッフはムダを定量化しそれを根こそぎ解決できなければなりません。稼働分析はその名の通り現場の稼働状況を分析して定量化するものです。

 稼働状況には人の状況と機械の状況があります。たとえば人が一日八時間仕事をしているとしたら、その中でどのような仕事をどれくらいやっているのかを分析するのです。機械は本来であれば24時間、365日稼働させたいものです。しかし実際にはそこまで動かしている例はまれです。

 たとえば物流業界でいえばトラックという機械をどれくらい稼働させているのかどうかを調べてみると、意外と少ない時間しか動かしていないことがわかります。ではどのように稼働分析を行っていくかについてです。

 

 稼働分析には「連続稼働分析」と「ワークサンプリング」の二つがあります。前者はその人や設備に一日張り付いて稼働状況を調べていく方法です。

 人の場合で例を示すと朝のミーティングが8時から始まり、8時15分から1分かけて作業場に移動、8時16分から2分かけて機械の立ち上げを行って・・・というように事細かに一日の作業を把握していきます。

 そうすると一日の仕事として何をやっているのか、手待ちはどれくらいあるのか、改善すべき点は何があるのか、そういった詳細の状況がすべてわかるのです。これは細かいデータの把握という点では非常に有効な手法だと言えます。しかし一日で一人の作業者しか観測できない、時間がかかる、などのデメリットがあることも事実です。

 そこでもっと簡単な手法としてのワークサンプリングを活用する手がありま...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 稼働分析にチャレンジ

 今保有している資源をどこまで有効に活用しているかを知ることは重要です。今回は改善手法の一つ「稼働分析」についてです。物流スタッフはムダを定量化しそれを根こそぎ解決できなければなりません。稼働分析はその名の通り現場の稼働状況を分析して定量化するものです。

 稼働状況には人の状況と機械の状況があります。たとえば人が一日八時間仕事をしているとしたら、その中でどのような仕事をどれくらいやっているのかを分析するのです。機械は本来であれば24時間、365日稼働させたいものです。しかし実際にはそこまで動かしている例はまれです。

 たとえば物流業界でいえばトラックという機械をどれくらい稼働させているのかどうかを調べてみると、意外と少ない時間しか動かしていないことがわかります。ではどのように稼働分析を行っていくかについてです。

 

 稼働分析には「連続稼働分析」と「ワークサンプリング」の二つがあります。前者はその人や設備に一日張り付いて稼働状況を調べていく方法です。

 人の場合で例を示すと朝のミーティングが8時から始まり、8時15分から1分かけて作業場に移動、8時16分から2分かけて機械の立ち上げを行って・・・というように事細かに一日の作業を把握していきます。

 そうすると一日の仕事として何をやっているのか、手待ちはどれくらいあるのか、改善すべき点は何があるのか、そういった詳細の状況がすべてわかるのです。これは細かいデータの把握という点では非常に有効な手法だと言えます。しかし一日で一人の作業者しか観測できない、時間がかかる、などのデメリットがあることも事実です。

 そこでもっと簡単な手法としてのワークサンプリングを活用する手があります。

 ワークサンプリングとは一定の間隔で作業者や機械を観察し稼働状況を把握していく手法です。具体的には物流現場のどこかに立ちそこから見える作業者や機械を観察します。ここでいう一定間隔とは15秒間隔とか30秒間隔といった時間的な間隔を指します。欲しいデータ数を考慮し、その間隔時間を定めればよいと思います。

 

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流管理編 物流改善ネタ出し講座 (その11)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


物流不良撲滅 物流品質の向上 (その3)

1.製造品質に影響を与える供給品質不良を撲滅する  前回の第2回に続いて解説します。工場における物流の使命として、生産ラインに「安心して製造作業に専...

1.製造品質に影響を与える供給品質不良を撲滅する  前回の第2回に続いて解説します。工場における物流の使命として、生産ラインに「安心して製造作業に専...


物流BCPについて考える【連載記事紹介】

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
法令遵守 物流のリスク認識を高める(その3)

◆ コンプライアンスリスクへの対応  BCP(事業継続計画)は一般的に大地震や風水害などの大規模災害を対象に取り組むことが多いようです。物流ではコン...

◆ コンプライアンスリスクへの対応  BCP(事業継続計画)は一般的に大地震や風水害などの大規模災害を対象に取り組むことが多いようです。物流ではコン...


グローバルサプライチェーンへの貢献(その4)

 前回のその3に続いて解説します。    グローバルサプライチェーンで見落とされがちなのが上流工程です。前回の車メーカーのサプライチェーンの事例でいけ...

 前回のその3に続いて解説します。    グローバルサプライチェーンで見落とされがちなのが上流工程です。前回の車メーカーのサプライチェーンの事例でいけ...


マネジメント力重視 物流業センター長の役割(その3)

  ◆ 管理監督者向けの教育を  物流センター長は、既にお話した三つの役割を果たさなければなりません。しかし現時点で、これらが十分にでき...

  ◆ 管理監督者向けの教育を  物流センター長は、既にお話した三つの役割を果たさなければなりません。しかし現時点で、これらが十分にでき...