物流購入物品の改善とは:物流購買の勘所(その12)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流購入物品の改善

連載してきました物流購買の勘所、最後に物流購入物品について触れておきたいと思います。

 

物流物品といえば物流設備からラック、容器などが該当します。これらの購買にあたり、購買側、サプライヤー側で共同改善していくことは何でしょうか。物流物品の中には汎用的なもの、専用的なものがあります。

 

考え方として二つあると思います。一つは汎用的な物品に仕事を合わせるという考え方です。もう一つは業務デザインをしてからそれに見合う物流設備や容器などを設計するという方法です。物流センターを設計する時には両方のケースの融合となると考えられますが、その中でも専用的な設備を設計する比率が多いかもしれません。

 

物流物品のサプライヤーはプロの視点から、効率の良い物流センター設計に対するアドバイスをできればよいのではないでしょうか。その際に、ユーザーの意見を吸い上げて、それを自社で提供できる設備仕様に織り込んでいくことを考える必要があります。

 

一方で容器類は汎用的仕様のものを使っていくパターンが多いと思われます。その際にユーザーは実際にその汎用的仕様が自社の物流効率に貢献しているかどうかをチェックしなければなりません。

 

日本には1.1パレットというものがあります。これは一辺の寸法が1.1mであることからこのように呼ばれています。これがJIS規格になっているため、多くのユーザーが使用していますが、はっきり言って効率の悪い寸法だと言わざるを得ません。なぜならトラックの荷台にフィットしないからです。そこで意識の高い会社はこのタイプのパレットを使用せず、自社独自の専用サイズパレットを使用しています。

 

このようにユーザー自ら問題点を抽出し、それを解決するべく物流物品のサプライヤーに専用品の製作を働きかけているのです。サプライヤーもプロの視点から、ユーザーの効率化に寄与する物品のあ...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流購入物品の改善

連載してきました物流購買の勘所、最後に物流購入物品について触れておきたいと思います。

 

物流物品といえば物流設備からラック、容器などが該当します。これらの購買にあたり、購買側、サプライヤー側で共同改善していくことは何でしょうか。物流物品の中には汎用的なもの、専用的なものがあります。

 

考え方として二つあると思います。一つは汎用的な物品に仕事を合わせるという考え方です。もう一つは業務デザインをしてからそれに見合う物流設備や容器などを設計するという方法です。物流センターを設計する時には両方のケースの融合となると考えられますが、その中でも専用的な設備を設計する比率が多いかもしれません。

 

物流物品のサプライヤーはプロの視点から、効率の良い物流センター設計に対するアドバイスをできればよいのではないでしょうか。その際に、ユーザーの意見を吸い上げて、それを自社で提供できる設備仕様に織り込んでいくことを考える必要があります。

 

一方で容器類は汎用的仕様のものを使っていくパターンが多いと思われます。その際にユーザーは実際にその汎用的仕様が自社の物流効率に貢献しているかどうかをチェックしなければなりません。

 

日本には1.1パレットというものがあります。これは一辺の寸法が1.1mであることからこのように呼ばれています。これがJIS規格になっているため、多くのユーザーが使用していますが、はっきり言って効率の悪い寸法だと言わざるを得ません。なぜならトラックの荷台にフィットしないからです。そこで意識の高い会社はこのタイプのパレットを使用せず、自社独自の専用サイズパレットを使用しています。

 

このようにユーザー自ら問題点を抽出し、それを解決するべく物流物品のサプライヤーに専用品の製作を働きかけているのです。サプライヤーもプロの視点から、ユーザーの効率化に寄与する物品のあり方についてアドバイスできるとよいと思います。

 

いかがでしょうか。物流に関する購入金額は業務委託や物品を合わせると結構な金額となります。これを購買改善として取り組むことは非常に意義ある活動です。単純な購入価格低減にとどまらず、購買側、サプライヤー側共同で改善活動を進めるなど、前向きな取組に注力していきたいものです。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントと企業収益との関連性

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その13)

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...


フォークリフトを考える 物流改善ネタ出し講座 (その3)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
出荷トラックからさかのぼって計画を定める 物流作業計画の重要性(その2)

   「本日中」という雑駁な納期管理は決して好ましいものではありません。もしそのような指示を本日の朝に出したとしたら、実質作業のペースを作業者任せにして...

   「本日中」という雑駁な納期管理は決して好ましいものではありません。もしそのような指示を本日の朝に出したとしたら、実質作業のペースを作業者任せにして...


今の状況が良いのか悪いのか 本当の見える化で効率向上(その4)

◆ 物流現場を管理状態に置く  仕事の「計画」と「実績」がわかるということは、物流現場が管理状態にあるということです。それがわからなければ残念ながら...

◆ 物流現場を管理状態に置く  仕事の「計画」と「実績」がわかるということは、物流現場が管理状態にあるということです。それがわからなければ残念ながら...


物流診断の勘所

  1. 保管状況は確実か    物流現場を診断する。これは今の仕事の仕方を客観的に見て正しいのか、改善の余地があるのかを判断す...

  1. 保管状況は確実か    物流現場を診断する。これは今の仕事の仕方を客観的に見て正しいのか、改善の余地があるのかを判断す...