設備立ち上げ時、立ち会うことの重要さ

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 クリーン化新規購入や他からの移設などでメーカーの方が設備を立ち上げることも多いと思います。その時の立会いの重要さについて、事例を交え説明します。
 
 クリーン化診断・指導で現場を歩くと、新しい設備なのに奥の方にゴミが沢山あるのを見つけることがあります。例えば結束バンドの切れ端、電気コードの被服を剥がしたもの。ネジや座金、クリーニング用品の落下、或いは埃が沢山堆積しているなど色々あります。懐中電灯で照らしながら、「あそこにあんなにゴミがありますよ。」などと指摘すると、管理監督者が覗き込んで、「ほんとだ。最近購入したばかりなのにどうしてなの?」などと言います。
 
 その中には私が来て一緒に現場を回って初めて実情を知った、という人もいるだろうと感じることもあります。たぶん日頃現場にはあまり入っていないように推測します。また、現場には入っていても、漠然と見ているだけに過ぎない場合もあります。“木を見て森を見ず”という言葉ありますが、その逆ですね。全体はなんとなく漠然と見ていて、設備や生産状況、人の動きなどを個々に絞り込んで見ていないのです。
 
 反対に、現場のクリーン化担当は、「あのゴミはわかっています。設備立ち上げの時からです。わかっていても奥にあるため清掃ができないで困っています。」あるいは、「現場のパトロールの度に指摘され困っています。」というような返事が返ってきます。手が届かなかったり、見えるけれども掃除用具がそこまで上手く入れられない。あるいは、安全上で、手が出せないという場合です。
 
 ここにも現場と管理監督者の間に距離を感じます。問題を提起できないか、拾うことが出来ないのか相互のパイプが細い気がします。この距離を縮めておかないと、異常時の対応にも差が出ます。クリーン化担当にしてみれば、わかっているのに手が出せないもどかしさ、また毎回指摘されるけど、立ち上げ当初からです。同じことを何度も指摘されたくない。というのが本音なのです。
 
 設備立ち上げ時は、保全担当、或いは技術、品質担当が立ち会うようにしているところが多いと思います。その時にきちんと清掃をしたり、メーカーの方に清掃も依頼してOKになったら、立ち上げ作業を完了するとか職場に引き渡すようにしたいです。メーカーの方も自社製品ですから、ピカピカに磨いて引き渡し、現場の人の喜ぶ顔が見たいのではないかと思います。わが社の製品を使ってもらう喜びから出る行動です。
 
 それが、立ち会わず、メーカーの方に何かあったら連絡くださいとか、昼になった時に食事に行きましょうと呼びに行く。こんなことはないでしょうか。そして設備がきちんと動くとそれで良しとしてしまうことが無いでしょうか。立ち会う人がいなければ、立ち上げ作業も簡略化されてしまうかもしれません。立ち会うことで相互に真剣な時間にしたいです。
 
 “最初が肝心”という言葉があります。忙しくてもメーカーの方の立ち上げに終始立ち会い、清掃だけでなく、設備の癖や立ち上げ順序などを観察していると、メーカーのノウハウが吸収できるはずです。これはなかなかない機会ですから、自分のレベルアップ、ノウハウの蓄積になります。また、立ち上げ過程で清掃をきちんとやるメーカーと、設備が動けばそれで終わりというメーカーがありますので、クリーン化への配慮がどのくらいあるのかも見えてきます。
 
 一日一緒にいる時間がもったいないと言って、最初と最後だけ顔を出すのでは、こういうことが起きてしまいます。一緒にいるからこそ、不具合が発生しそうだとか、ゴミが出そうな部分が推測できたりします。そして、組立途中でないと清掃できないだろうと推測できる時は、その時点で清掃を依頼することです。こちらがお客様ですから、そのくらいはお願いしましょう。
 
 設備は使い始めの頃故障することがあります。これは初期不良と言いますが、終始立ち会うことで、そのことへの対応も早いと思います。初期不良のたびに生産が止まり、いちいちメーカーを呼んで対応する。このロスでなかなか生産が軌道に乗らない。こういうことも皆無にはできないかもしれませんが、少なくすること...
 クリーン化新規購入や他からの移設などでメーカーの方が設備を立ち上げることも多いと思います。その時の立会いの重要さについて、事例を交え説明します。
 
 クリーン化診断・指導で現場を歩くと、新しい設備なのに奥の方にゴミが沢山あるのを見つけることがあります。例えば結束バンドの切れ端、電気コードの被服を剥がしたもの。ネジや座金、クリーニング用品の落下、或いは埃が沢山堆積しているなど色々あります。懐中電灯で照らしながら、「あそこにあんなにゴミがありますよ。」などと指摘すると、管理監督者が覗き込んで、「ほんとだ。最近購入したばかりなのにどうしてなの?」などと言います。
 
 その中には私が来て一緒に現場を回って初めて実情を知った、という人もいるだろうと感じることもあります。たぶん日頃現場にはあまり入っていないように推測します。また、現場には入っていても、漠然と見ているだけに過ぎない場合もあります。“木を見て森を見ず”という言葉ありますが、その逆ですね。全体はなんとなく漠然と見ていて、設備や生産状況、人の動きなどを個々に絞り込んで見ていないのです。
 
 反対に、現場のクリーン化担当は、「あのゴミはわかっています。設備立ち上げの時からです。わかっていても奥にあるため清掃ができないで困っています。」あるいは、「現場のパトロールの度に指摘され困っています。」というような返事が返ってきます。手が届かなかったり、見えるけれども掃除用具がそこまで上手く入れられない。あるいは、安全上で、手が出せないという場合です。
 
 ここにも現場と管理監督者の間に距離を感じます。問題を提起できないか、拾うことが出来ないのか相互のパイプが細い気がします。この距離を縮めておかないと、異常時の対応にも差が出ます。クリーン化担当にしてみれば、わかっているのに手が出せないもどかしさ、また毎回指摘されるけど、立ち上げ当初からです。同じことを何度も指摘されたくない。というのが本音なのです。
 
 設備立ち上げ時は、保全担当、或いは技術、品質担当が立ち会うようにしているところが多いと思います。その時にきちんと清掃をしたり、メーカーの方に清掃も依頼してOKになったら、立ち上げ作業を完了するとか職場に引き渡すようにしたいです。メーカーの方も自社製品ですから、ピカピカに磨いて引き渡し、現場の人の喜ぶ顔が見たいのではないかと思います。わが社の製品を使ってもらう喜びから出る行動です。
 
 それが、立ち会わず、メーカーの方に何かあったら連絡くださいとか、昼になった時に食事に行きましょうと呼びに行く。こんなことはないでしょうか。そして設備がきちんと動くとそれで良しとしてしまうことが無いでしょうか。立ち会う人がいなければ、立ち上げ作業も簡略化されてしまうかもしれません。立ち会うことで相互に真剣な時間にしたいです。
 
 “最初が肝心”という言葉があります。忙しくてもメーカーの方の立ち上げに終始立ち会い、清掃だけでなく、設備の癖や立ち上げ順序などを観察していると、メーカーのノウハウが吸収できるはずです。これはなかなかない機会ですから、自分のレベルアップ、ノウハウの蓄積になります。また、立ち上げ過程で清掃をきちんとやるメーカーと、設備が動けばそれで終わりというメーカーがありますので、クリーン化への配慮がどのくらいあるのかも見えてきます。
 
 一日一緒にいる時間がもったいないと言って、最初と最後だけ顔を出すのでは、こういうことが起きてしまいます。一緒にいるからこそ、不具合が発生しそうだとか、ゴミが出そうな部分が推測できたりします。そして、組立途中でないと清掃できないだろうと推測できる時は、その時点で清掃を依頼することです。こちらがお客様ですから、そのくらいはお願いしましょう。
 
 設備は使い始めの頃故障することがあります。これは初期不良と言いますが、終始立ち会うことで、そのことへの対応も早いと思います。初期不良のたびに生産が止まり、いちいちメーカーを呼んで対応する。このロスでなかなか生産が軌道に乗らない。こういうことも皆無にはできないかもしれませんが、少なくすることは可能です。
 
 立ち会うことで立ち上げの様子も見ることが出来、メーカーの方と顔が繋がり、いちいち来てもらわなくても、電話対応で済む場合もあります。従って設備の復旧も早く、生産への影響も最小限にできる可能性があります。
 
 これは工事業者も同じです。現場に入って、ドリルで穴をあけたり、配管や電気の配線を固定するなどの工事で出たごみをそのままにして、現場から出て、終わりましたと言って帰ってしまう業者もいます。また、やった後きちんと清掃してから「終了しました。現場の確認をお願いします。」という業者もいます。後者は、その個人なり、会社の従業員教育がきちんとできていると思ってよいと思います。
 
 立ち会うことの大切さを認識していないと、そのメーカーの方の傍にいても暇そうに、ただぶらぶらしていたり、椅子を持ってきて居眠りをしたりしてしまいます。認識できていれば、立会う時間も価値あるものにできます。立ち会うことはどういうことか、再認識することが重要です。
 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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