購買業務の要点:情報提供依頼の実施

更新日

投稿日

 前回のその1に続いて解説します。取引をするサプライヤーはどのようにして探せばよいでしょうか。普通はインターネットで簡単に探し出すことができます。例えば、「金属プレス会社」と入力して検索すればたくさんの会社情報を入手することができます。このようにしてサプライヤーを検索して、その連絡先を知ることまでは機械的作業です。
 
 scmここから先が一工夫要する点です。そのサプライヤーが取引するに値する会社なのかを知る必要があります。しかし、インターネット情報だけでは詳細が分かりません。そのような中でも会社の財務状況や主だった取引先の調査はそれほど難しくはありません。そういった情報を提供する会社もあるからです。
 
 しかし、もう一歩突っ込んで、自社と本当に相性が良い会社なのかどうかは独自に調べてみなければなりません。このプロセスで活用する手法がRFI(Request for information)です。その名の通り情報提供依頼を行いサプライヤーから自社が欲しい情報を直接もらうという方法です。
 
 このRFIには、SQDCMの観点で質問していくとよいでしょう。つまりS(安全)・Q(品質)・D(納期)・C(コスト)・M(マネジメント)のカテゴリーごとに聞いていくのです。たとえば、安全関係での質問例としては「昨年一年間で労災事故は何件ありましたでしょうか」という聞き方があると思います。
 
 さらに強度率や度数率を聞いてみることもよいかもしれません。なぜなら、これら指標については市場での平均値を知ることができ、それとの比較でそのサプライヤーの実力を判断できるからです。
 
 そして重要なことは受領した回答に対して「採点」できることです。取引するに足る会社は何点を取らなければならないのかをあらかじめ設定し、候補会社にするかどうかを得点で判断することです。このRFIで大体の情報が得られれば次にその会社を訪問します。会社訪問には二つの目的があります。一つはその会社経営者の考え方を知るということ、もう一つはその会社の現場を実際に見るということ...
 前回のその1に続いて解説します。取引をするサプライヤーはどのようにして探せばよいでしょうか。普通はインターネットで簡単に探し出すことができます。例えば、「金属プレス会社」と入力して検索すればたくさんの会社情報を入手することができます。このようにしてサプライヤーを検索して、その連絡先を知ることまでは機械的作業です。
 
 scmここから先が一工夫要する点です。そのサプライヤーが取引するに値する会社なのかを知る必要があります。しかし、インターネット情報だけでは詳細が分かりません。そのような中でも会社の財務状況や主だった取引先の調査はそれほど難しくはありません。そういった情報を提供する会社もあるからです。
 
 しかし、もう一歩突っ込んで、自社と本当に相性が良い会社なのかどうかは独自に調べてみなければなりません。このプロセスで活用する手法がRFI(Request for information)です。その名の通り情報提供依頼を行いサプライヤーから自社が欲しい情報を直接もらうという方法です。
 
 このRFIには、SQDCMの観点で質問していくとよいでしょう。つまりS(安全)・Q(品質)・D(納期)・C(コスト)・M(マネジメント)のカテゴリーごとに聞いていくのです。たとえば、安全関係での質問例としては「昨年一年間で労災事故は何件ありましたでしょうか」という聞き方があると思います。
 
 さらに強度率や度数率を聞いてみることもよいかもしれません。なぜなら、これら指標については市場での平均値を知ることができ、それとの比較でそのサプライヤーの実力を判断できるからです。
 
 そして重要なことは受領した回答に対して「採点」できることです。取引するに足る会社は何点を取らなければならないのかをあらかじめ設定し、候補会社にするかどうかを得点で判断することです。このRFIで大体の情報が得られれば次にその会社を訪問します。会社訪問には二つの目的があります。一つはその会社経営者の考え方を知るということ、もう一つはその会社の現場を実際に見るということです。
 
 前者では、その会社が自社の考え方と合っているかどうかがわかります。あまりにも考え方が違っていると先々取引上の問題点が出てくるかもしれません。後者では、実際に現場を見ることでSQDCMの実態がわかります。現場力のない会社は取引するに値しないということは言うまでもありません。
 
 次回は、RFP:提案要請について、解説します。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
輸送改善のための工場環境整備とは 儲ける輸送改善 (その2)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


フォークリフトを考える 物流改善ネタ出し講座 (その3)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


物流改善ネタ出し講座 【連載記事紹介】

  物流改善ネタ出し講座の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載記事紹介の一覧へ戻る ◆物流は宝の山 「物流は宝の山だ...

  物流改善ネタ出し講座の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載記事紹介の一覧へ戻る ◆物流は宝の山 「物流は宝の山だ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
輸送・保管・荷役・包装・流通加工 物流現状把握の重要性(その2)

  前回の物流現状把握の重要性(その1)に続けて解説します。   4. 物流設備投資時の注意事項 運搬の自動化を行うことで...

  前回の物流現状把握の重要性(その1)に続けて解説します。   4. 物流設備投資時の注意事項 運搬の自動化を行うことで...


バリューを生む物流へ 物流を是正する必要性(その3)

        物流是正のポイントは、第一に無償サービスからの脱却です。第二は言われるままに動くという受身仕事からの脱却です。まずこの二つを完璧にこ...

        物流是正のポイントは、第一に無償サービスからの脱却です。第二は言われるままに動くという受身仕事からの脱却です。まずこの二つを完璧にこ...


多能工化と管理業務の技能拡大とは:物流多能工化の勧め(その1)

  ◆なぜ多能工化が必要なのか 物流作業は標準作業を標準時間通りに実行することが必須なのですが、物流現場では固定的な仕事の与え方をしてい...

  ◆なぜ多能工化が必要なのか 物流作業は標準作業を標準時間通りに実行することが必須なのですが、物流現場では固定的な仕事の与え方をしてい...