購買業務の要点:サプライヤー指導の重要性

 前回のその12に続いて解説します。購買担当者が実施するサプライヤーマネジメントの中で大変重要な項目があります。それは、サプライヤー指導です。とかく購買担当者は、サプライヤーに対していろいろな指摘をしがちです。ああでもない、こうでもない、と指摘はしますが、それに対する対策案を話合っているでしょうか。

 購買担当者がサプライヤーの抱える問題点を明らかにすることは重要です。それらの問題を解消することで自社の調達改善につながるからです。問題によっては、サプライヤー自体の生産性や品質の向上につながるものもあるはずです。
 
 ここで気を付けなければならないことは「指摘に終わってはならない」ということです。サプライヤーは上流に行けばいくほど小さい会社になりがちです。
 
 下請、孫請けなどと表現をすることが多いと思いますが、先に行けばいくほど規模が小さくなり、管理技術力も不十分という経験をされたことがあるのではないでしょうか、ということは問題点を指摘されても、それを自ら解消することができないという可能性があるのです。
 
 そこで必要になってくることが「サプライヤー指導」です。品質改善やコスト改善、技術指導や管理技術の指導などあらゆる範囲に及びます。これは購買担当者にもよい勉強になりますが、指摘するからにはそれに対する処方箋を持っていることが必要です。
 
 指摘だけなら誰でもできますが、その処方箋となるとどうでしょうか。購買スタッフは指摘したことに対して自分なりの見解を持っておく必...
要があります。必ずしもその方策がベストな解でなくてもいいのです。自分なりの考え方を持ってほしいということです。『言いっぱなし』はやめましょう。いろいろなことを教える力量を持ちましょう。サプライヤーのレベルが向上すれば結果的に自社のレベル向上として返ってくるのです。
 
 

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