2017 高機能プラスチック展レポート(その6)

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◆2017年の高機能プラスチック展から

 2017年4月、東京ビッグサイトで『高機能素材Week2017』がありましたが、この催物の一部として、高機能プラスチック展が開催されました。本レポートでは、プラスチック材料、加工品、プラスチック加工及び装置に関連する展示に絞って紹介し、解説します。今回は、(その6)、4.成形技術・加飾技術です。尚、2017 高機能プラスチック展レポートは、今回が最終回です。
 

4.成形技術・加飾技術

 小野産業は高島グループに入り、その動向が注目されていましたが、IPF2008以来の自社ブースによる出展です。経営の体制は変わっても多くの技術者がそのまま残り、アクティビティの高さを維持しているようです。展示内容は、同社独自のヒート&クール成形技術(RHCM)を利用した複合技術です。具体的には異種材接着、微細パターン部分転写IML、マイクロプレート(微細転写)、CFRTP強化シートIML、セルロースナノファイバー配合樹脂の発泡成形が展示されていました。写真35はフィルムインサート成形の際にヒート&クールを併用することで金型のシボやヘアラインをフィルムに転写する技術です。
 
プラスチックジャパン
写真35 小野産業の微細パターン転写IML
 
 写真36はセルロースナノファイバー配合樹脂の発泡成形に関する説明パネルの一部です。発泡方式Aは物理発泡、Bは化学発泡と考えられます。セルロースナノファイバー添加と発泡を組合わせることで、軽量化と低線膨張が達成されます。軽量化が35%を超えているのは試験した成形品のL/T(流動長と厚みの比)が小さいためでしょう。
 
プラスチックジャパン
写真36 小野産業ブースのセルロースナノファイバー配合品の発泡成形に関する説明パネルの一部
 
 村田金箔は一次中断していた発熱パッドによる三次元ホットスタンプの課題を解決して再開しました。写真37は三次元ホットスタンプの装置とそれによって加飾されたルアーのサンプルです。
 
プラスチックジャパン
写真37 村田金箔の三次元ホットスタンプ装置(上)と加飾したルアー(下)
 
 村田金箔はメタリック調ホログラムにも注力しており、TOM工法(転写TOM)対応製品も出しています。写真38は三次元形状への...

◆2017年の高機能プラスチック展から

 2017年4月、東京ビッグサイトで『高機能素材Week2017』がありましたが、この催物の一部として、高機能プラスチック展が開催されました。本レポートでは、プラスチック材料、加工品、プラスチック加工及び装置に関連する展示に絞って紹介し、解説します。今回は、(その6)、4.成形技術・加飾技術です。尚、2017 高機能プラスチック展レポートは、今回が最終回です。
 

4.成形技術・加飾技術

 小野産業は高島グループに入り、その動向が注目されていましたが、IPF2008以来の自社ブースによる出展です。経営の体制は変わっても多くの技術者がそのまま残り、アクティビティの高さを維持しているようです。展示内容は、同社独自のヒート&クール成形技術(RHCM)を利用した複合技術です。具体的には異種材接着、微細パターン部分転写IML、マイクロプレート(微細転写)、CFRTP強化シートIML、セルロースナノファイバー配合樹脂の発泡成形が展示されていました。写真35はフィルムインサート成形の際にヒート&クールを併用することで金型のシボやヘアラインをフィルムに転写する技術です。
 
プラスチックジャパン
写真35 小野産業の微細パターン転写IML
 
 写真36はセルロースナノファイバー配合樹脂の発泡成形に関する説明パネルの一部です。発泡方式Aは物理発泡、Bは化学発泡と考えられます。セルロースナノファイバー添加と発泡を組合わせることで、軽量化と低線膨張が達成されます。軽量化が35%を超えているのは試験した成形品のL/T(流動長と厚みの比)が小さいためでしょう。
 
プラスチックジャパン
写真36 小野産業ブースのセルロースナノファイバー配合品の発泡成形に関する説明パネルの一部
 
 村田金箔は一次中断していた発熱パッドによる三次元ホットスタンプの課題を解決して再開しました。写真37は三次元ホットスタンプの装置とそれによって加飾されたルアーのサンプルです。
 
プラスチックジャパン
写真37 村田金箔の三次元ホットスタンプ装置(上)と加飾したルアー(下)
 
 村田金箔はメタリック調ホログラムにも注力しており、TOM工法(転写TOM)対応製品も出しています。写真38は三次元形状へのホログラム転写品です。
 
プラスチックジャパン
写真38 村田金箔ブースの三次元ホログラム加飾品
 

5.高機能素材Week2017

 プラスチックに関する展示会は年間を通して多数開催されていますが、プラスチック材料に関する出展が最も多いのが今回の高機能プラスチック展です。そのかわり成形機メーカーや成形メーカーの出展はそれほど多くありません。射出成形機メーカーが多く出展するIPFと補完されるようなイメージです。装置と材料が揃って出展する展示会が必要なのではないかと思います。
 

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この記事の著者

秋元 英郎

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動

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