中国が目指す水素社会の全体像と
サプライチェーンの事業展望
開催日:021年 6月22日(火)
セミナー趣旨
中国では国策である低炭素社会の推進が進む中、水素・燃料電池産業の急速な成長がみられている。2020年には政府目標であった燃料電池車普及台数8000台を超え、稼働中の水素ステーションは100箇所を上回り、全国主要地で燃料電池関連の企業数の加速的増加・企業連盟の形成の動きがみられている。
中国の水素燃料電池産業は市場が拡大する一方で、高止まりしている水素供給コストの低減、安定的な水素の調達先の確保、CO2排出量の少ない水素の調達促進が課題となっており、市場の更なる発展のボトルネックとなっている。例えば、中国の水素調達の主流となっている化学工業セクターからの副生水素の資源は中国沿岸部に集中しており、供給量にも限りがあることから、将来的には水素不足が発生する可能性がある。従って、水素の長期的な安定供給の観点から、現在中国各地域では再エネ水素などのグリーン水素や、CO2の排出量を抑える技術を活用した化石燃料由来の水素であるブルー水素など、水素の調達先の多様化の検討が進んでいる。また、大量に生産した水素をどのような形で長期保存し、どのようにして遠く離れた水素需要地まで低コストで輸送するかも重要な課題となっており、現在低温液体水素、有機ハイドライド、金属マグネシウムなどの様々な水素貯蔵・輸送手段が実証プロジェクトを通じて検討が進んでいる。
このような課題を抱える中、昨年、中央政府政策として初めてクリーン水素の供給に関する補助政策が打ち出され、今後は政府指導の下で経済性のあるクリーンな水素サプライチェーン産業を構築していくことを示した。
本講演では現在の中国が目指している水素社会の全体像を紹介した上で、中国における主要な水素調達源、貯蔵・輸送方法、供給先に関する産業動向・企業動向を説明し、上記の課題に関する将来の展望について演者の考えを述べる。
セミナープログラム
- 中国で水素エネルギーが重要視されている理由
- 中国の水素サプライチェーンの概況・市場規模
- 水素源(グレー(ブルー)水素、工業副生水素、グリーン水素)、地域別特性
- 水素貯蔵・輸送方法、水素キャリア開発の最新動向
- 水素の主要な活用状況(燃料電池車、定置用燃料電池、水素ステーションなど)
- 主要プレーヤーの概要・事業方針・開発動向
- 総論
- 今後の中国水素サプライチェーン発展展望(2020年〜2050年)
- 海外(日系)企業の参入可能性のある領域
セミナー講師
INTEGRAL株式会社 代表取締役
中西 豪(なかにし ごう) 氏
セミナー受講料
1名につき 33,000円(税込)
同一のお申込フォームよりお申込の場合、2人目以降 27,500円(税込)
受講について
■セミナーオンデマンドについて
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