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リアルワールドデータとは、患者レジストリ、保険データベース、電子カルテデータなど、日常診療の情報を大量に蓄積した医療データを指します。リアルワールドデータを解析すると、様々な疾患のリスク因子や予後予測因子、医薬品の効果や安全性、診療報酬制度やヘルスサービス、各疾患の医療・社会・経済的負担、等について幅広く検証することができ、時には新しい発見につながることもあります。

医薬品の分野では、これまで販売承認前の臨床試験(治験)が圧倒的主役でしたが、国内外のリアルワールドデータが比較的簡単に入手できる時代になり、製販後の調査・試験の重要性が年々高まってきました。製販後のリアルワールドデータ研究によって、幅広い患者層における有効性(effectiveness)を示し、自社製品に大きな付加価値を出している製薬会社も見られるようになっています。また、近年は、日本でもヘルスケアビジネスが活性化し、エビデンスやデータ解析に基づくヘルスサービスの提供が社会的に求められる時代になっています。
 
しかし、リアルワールドデータ観察研究の計画や解析には、臨床試験(治験)とはまた別の、観察研究特有の知識や技術が必要となります。しかし、観察研究に関しては、初歩的な疫学・統計の入門書と高度な専門書が存在するものの、実務者に適した教科書や教育機会はほとんど見当たらないのが現状です。このような中、本セミナーは2021年度まで「メディカルアフェアーズ部門向けセミナー観察研究コース」として行われ、参加者の方々から好評を得てきました。

今回、このセミナーを刷新し、製薬・医療機器企業のメディカルアフェアーズ部門の方に限らず、企業の安全性部門、CRO、アカデミア、ヘルスケア関連企業に所属されている方など、より幅広い方々を対象に、リアルワールドデータ研究のノウハウを3日間でお伝えします。
なお、「薬剤疫学セミナー」が医薬品の安全性や有効性の評価に必要な基本事項の習得に重きを置いているのに対し、「リアルワールドデータ観察研究セミナー」は、実務者が医薬品のリアルワールドにおける効果やヘルスサービスの評価に取り組む上で踏まえるべき実践的課題を重点的に取り上げます。
仕事や研究でリアルワールドデータを取り扱う可能性のある全ての方々に、本セミナーへの参加をおすすめします。

筑波大学 医学医

セミナー趣旨

●リアルワールドデータとは何か、その活用の目的と意義、代表的な事例、観察研究に必要な知識・技術について学べます。
●研究デザインについて理解し、リサーチクエスチョンおよびPECO(Patients, Exposure, Comparison, Outcome)を自分で作れるようになります。
●リアルワールドデータを用いた研究を行う、または読み解く上で必須の統計解析の方法と解釈について学べます。
●リアルワールドデータを行う上で問題となるバイアスと交絡について理解し、交絡の調整方法の概要を学べます。
●リアルワールドデータを解析する上で避けられない、いくつかの問題点の概要が学べます。
●データベースを用いた観察研究としてどのようなものがあるか大まかに理解し、また各種医療データベースの特徴(長所と短所)が理解できます。
●観察研究の報告基準について概要を理解し、リアルワールドデータ観察研究の論文を体系的に読めるようになります。

受講対象・レベル

◆ 製薬・医療機器企業のメディカルアフェアーズ・安全性部門, CRO, アカデミア,
  ヘルスケア関連企業に所属されている方
◆ 観察研究に関するリテラシーを体系的に短期間で身に付けたい方
◆ 観察研究のデザイン・解析・報告について習得したい方
◆ 観察研究におけるデータベースの活用を学びたい方
◆ 観察研究の論文の読み方・書き方を学びたい方

セミナープログラム

3日間コース
▶2日目午前「交絡因子の調整方法」で統計ソフトRを用いた解析の実行について説明を行います。関心がある方は上部の「R Studioのインストール方法」から「R Studioのインストールインストラクション」をダウンロードしていただき、ご自身のPCにインストールの上ご参加ください。なお、Rの事前知識は不問であり、インストールも必須ではありません。

第1日 9:15~16:45
【午前】
リアルワールドデータ総論
・リアルワールドデータとは
・国内外のリアルワールドデータベース
・リアルワールドデータ活用の目的と意義
・リアルワールドデータ研究例
・リアルワールドデータ観察研究に必要な知識・技術
研究デザイン(1)
・研究デザインとは
・リサーチクエスチョンとは
・PECOとは
・リサーチクエスチョンとPECOを作る時のポイント
・演習:自分でリサーチクエスチョン、PECOを作ってみる

【午後】
観察研究のデザインと解析
・目的(記述・予測・比較)の整理
・比較・追跡・測定・解析モデル特定の妥当性
・推定量と標準誤差(とその推定)
・コホート研究とケースコントロール研究
・マッチング
・p-値とどう付き合うか

第2日 9:30~16:45
【午前】
観察研究に潜むバイアスと交絡
-偶然誤差と系統誤差(バイアス)
-内部妥当性と外部妥当性
-代表的なバイアスの種類
交絡因子の調整方法
-層別解析
-回帰モデル
-マッチング
-傾向スコア

【午後】
リアルワールドデータ解析の落とし穴
・データの欠測
・データの測定誤差
・時間とともに変化する曝露・共変量
研究デザイン(2)
・成功するリサーチクエスチョンと失敗するリサーチクエスチョン
・演習:リサーチクエスチョン、PECOの批判的吟味
・研究デザイン(1)で作った自分のリサーチクエスチョン、PECOに対するフィードバック

第3日 9:30~16:30
【午前】
データベースを用いた観察研究
日本で利用可能なデータベース

【午後】
観察研究の報告基準と論文の読み方・書き方
・Enhancing the Quality and Transparency Of health Research (EQUATOR) Networkとは
・STROBEとは
・RECORD、RECORD-PE(RECORD-PharmacoEpidemiology)とは
・演習:リアルワールドデータ観察研究の論文を読む
・リアルワールドデータ観察研究の論文を書く

セミナー講師

斯界の権威ある経験豊富な講師

セミナー受講料

95,700円(一般)/ 82,500円(会員) *税込み
 参加者の所属企業が日科技連賛助会員の場合は、その旨を申し込みフォームの備考欄に記入してください。不明の場合は「会員不明、調査希望」と記入していただければ、当方で調査します。
 またこれを機会に入会を検討したい場合は、「入会検討のため資料希望」と記入してください。案内資料を送付し、セミナー正式受け付け以前にご入会いただくと、会員価格でご参加いただけます。

受講について

■ライブ配信のビデオ会議(遠隔会議)システムは「Zoom」を使用します。
■申込前に、事前に以下のテストサイトで、スピーカーとマイクのテストを確認してください。
 https://zoom.us/test
 *ZoomおよびMS365(アンケートフォーム、データの授受に使用)に接続できるかご確認ください。Zoomは必ず最新バージョンにアップデートしてください。
 *セミナー当日に視聴できない、利用できないとのお問い合わせを頂戴した場合、対応できない場合がございます。
■ライブ配信へのお申込みは、開催日の4営業日前までにお願いします。
■本セミナーは、1IDにつき1名様の受講をお願いしております。複数人での受講はできません。
■本セミナーでは、講義資料はPDFデータを事前に参加者に共有します。お申し込みの際「参加者情報入力画面」に
 おいて、参加者のE-mailアドレスを必ずご入力ください。
■本セミナーは、基本的にライブで配信いたしますが、講師都合により録画を配信する場合がございます。
■本セミナーは、見逃しアーカイブ対象外です。
■本セミナーは、修了証書を発行いたしません。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


9:15

受講料

95,700円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込(主催者側から請求書を送付します)

開催場所

全国

主催者

キーワード

医薬品技術   医療機器・医療材料技術   情報マネジメント一般

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医薬品技術   医療機器・医療材料技術   情報マネジメント一般

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