【2日間集中コース】バイオ医薬品のCTD(CMC):妥当性の根拠とまとめ方(Part1,2)(バイオ医薬品(CMC)マスターコース6)

【第1日目:Part1】
『「製造方法」及び「構造決定・特性解析及び不純物」のまとめ方』
~委託製造時の注意点と製法変更時の同等性にも着目して~

【第2日目:Part2】
『「規格及び試験方法」及び「分析法バリデーション」のまとめ方』
~目的物質、目的物質関連物質、目的物質関連不純物及び工程由来不純物の取扱い~

-当局は詳しい製造方法の記載/重要工程の説明や管理パラメータの根拠提示を望んでいる-
-特性解析/不純物の項で示した内容をふまえ品質管理に不可欠な試験方法と管理基準を設定する-

【ここがポイント】
■なぜ、欧米での申請で義務付けられるマスターバッチレコードが提示できないのか
■工程由来不純物はどのように管理すべきか
■常用標準品と一次標準品とで異なる管理項目はどのように決めればよいか
■なぜ、設定範囲の広い規格は規制当局に受け入れられにくいのか
■試験方法がふさわしいとはどのように説明するのか
■分析法バリデーションの判定基準はどのように設定するのか

※このセミナーは2021年5月に開催したセミナーの【オンデマンド配信】です。

日時

視聴期間:主催者でお申込み受付後、10営業日(期間中は何度でも視聴可)
2025年5月29日(木)まで申込受付中  /視聴時間:Part1 約4時間30分、Part2 約4時間55分

セミナープログラム

■Part1 『バイオ医薬品のCTD(CMC-1):「製造方法」及び「構造決定・特性解析及び不純物」のまとめ方』
    ~委託製造時の注意点と製法変更時の同等性にも着目して~

<講座主旨>
昨今の規制当局の意向は、製造方法の管理及び順守を正確に把握できるように詳しい製造方法の記載並びに重要工程の説明や管理パラメータの根拠の提示を望んでいる。
バイオ特有の製造方法(培養・精製)並びに確保すべき安全性に起因する製造プロセスについて、制御因子とモニタリング項目の必要性を解説する。
また、不均一性を有するバイオプロダクトについては、詳細な特性解析を行い、目的物質を明確に規定し、均一な品質が確保できる製法を提示する必要がある。
この特性解析並びに不純物の説明資料は、バイオプロダクト固有の同等性・同質性のの説明にも直接影響するため、申請資料への提示方法についても解説する。

<講習会のねらい>
・なぜ、欧米での申請で義務付けられるマスターバッチレコードが提示できないのか?
・なぜ、QbDのデザインスペースのような社内変更手続きだけで
 容認されるような記載もしくは軽微変更プロセスが可能な記載を申請者は好むのか?
・工程由来不純物はどのように管理すべきか?
・バッチ混合の妥当性説明はどのようにするのか?
・なぜ、バイオ医薬品では常用標準品が必要となるのか?
・常用標準品と一次標準品とで異なる管理項目はどのように決めればよいか?
・バイオ医薬品にとってのリスクマネージメントとは何か?
・スケールアップのリスクはあるのか?
・原薬の製法変更を行った場合の製剤での同等性確認はどこまで必要なのか?
・なぜ、「規格及び試験方法」に合致しただけでは、同等であると説明できないのか?
・申請時に本生産設備での実測結果が提示できないときは・・・?

1.製造方法
  1.1 重要工程の特定と一変対象事項
  1.2 原薬
   ・製造プロセスの概略
   ・管理すべき重要プロセス
   ・培養工程:WCBから拡大培養
   ・ハーベスト:培養液から生産細胞の分離
   ・精製工程:目的物質の単離と不純物の分離
   ・ウィルス安全性保証プロセス
   ・使用原材料・製造資材の管理プロセス
  1.3 製剤
   ・製造プロセスの概略
   ・管理すべき重要プロセス
   ・原薬のロット混合
   ・注射剤の無菌性保証
   ・フィルターバリデーション
   ・容器・施栓系の品質確保

2.製造方法の経緯
  2.1 製造プロセスの変更(貯蔵方法の設定)
  2.2 スケールアップ
  2.3 製造場所変更
  2.4 原材料・容器の変更
  2.5 同等性・均一性確保のための手法とデータ提示
  2.6 プロセスシミュレーションと継続的プロセス確認
   ・Un-processed bulkとpost-production cellsの評価

3.構造決定と特性解析
  3.1 目的物質の特定
   ・遺伝子組み換えによる想定アミノ酸配列との同一性
   ・一次構造の決定と立体構造の推定
   ・分子量
   ・糖鎖構造の同定と均一性(不均一性)の説明
   ・生物活性:有効性の根拠
   ・免疫学的性質
   ・タンパク質含量
  3.2 目的物質の不均一性と目的物質関連物質
   ・製造のバラツキ
   ・同等性の判断根拠と有効性の保証
  3.3 一次標準物質の設定

4.不純物
  4.1 目的物質関連不純物
   ・重合体、切断体、酸化体、脱アミド体・・・
  4.2 工程由来不純物
   ・測定感度と除去能(クリアランス)の提示
   ・安全性の説明と工程管理状況
  4.3 ウィルス安全性
   ・不活化方法と除去能力の提示
  4.4 微生物学的評価項目
  4.5 製法変更時の同等性の判断根拠


■Part2 『バイオ医薬品のCTD(CMC-2):「規格及び試験方法」及び「分析法バリデーション」のまとめ方』
    ~目的物質、目的物質関連物質、目的物質関連不純物及び工程由来不純物の取り扱い~

<講座主旨>
不均一性を有するバイオプロダクトでは、詳細な特性解析を行って目的物質を明確に規定する。この特性解析並びに不純物の項で提示した内容を踏まえて品質管理に不可欠な試験方法と管理基準とを設定することになる。この管理手順について解説する。
生産管理上必要となる分析法の精度を担保するための分析法バリデーションの提示方法並びにその結果を社内基準あるいは申請規格への反映方法についても、種々の試験方法のデータを用いて解説する。

<講習会のねらい>
・品質管理部門だけで「規格及び試験方法」は設定できるものか?
・パイロットスケールのデータだけで申請した場合のリスクは?
・製造実績が少ない場合の規格設定のリスクは?
・なぜ、設定範囲の広い規格は規制当局に受け入れられにくいのか?
・分析法バリデーションはなぜ必要なのか?
・試験方法がふさわしいとはどのように説明するのか?
・分析法バリデーションの判定基準はどのように設定するのか?
・不純物管理方法における定量限界付近での真度と精度の確認の必要性は?

1.規格及び試験方法
  1.1 バイオ医薬品の品質管理で考慮すべき基本的事項
  1.2 規格設定の考え方:リスクを考慮したアプローチ方法
  1.3 常用標準物質
   ・一次標準物質との規格及び試験方法の差異
   ・確認試験:プロダクト固有の同定方法の必要性と一次標準物質の活用
   ・物質量・タンパク質量:品質試験の基準にふさわしい操作法とは
   ・生物活性の根拠
  1.4 原薬特有
   ・確認試験:常用標準物質との比較(ペプチドマップ、アイソフォーム)
   ・純度試験(工程由来不純物)
   ・微生物学的混入汚染物質:微生物限度試験
  1.5 原薬及び製剤
   ・確認試験:常用標準物質との比較
   ・純度試験(目的物質、目的物質関連物質、目的物質関連不純物)
   ・タンパク質量
   ・生物活性
   ・微生物学的混入汚染物質:エンドトキシン試験
  1.6 製剤特有
   ・無菌試験
   ・容器・施栓系の密閉性試験

2.分析法バリデーション
  2.1 試験法設定の妥当性説明と分析法バリデーションの目的
  2.2 特異性
   ・確認試験と純度試験・定量法
  2.3 直線性
   ・回帰直線の決定定数とy切片の評価
   ・容量反応曲線の関数表示
  2.4 検出限界と定量限界
   ・S/N比に基づく方法:工程由来不純物(クロマトグラフィーとILAの例)
   ・検量線のバラツキと傾きから算出する方法
  2.5 真度:工程由来不純物と生物活性の例
   ・平均回収率と回収率の信頼区間の取り扱い
  2.6 精度:タンパク質量と糖組成分析の例
   ・併行精度と室内再現精度
   ・バラツキの評価と精度管理
  2.7 局方試験での適格性確認

3.システム適合性試験
  3.1 設定の必要性と留意点
  3.2 HPLC法の例
   ・システムの性能:カラムの理論段数やシンメトリー係数は有効か?
   ・システムの感度:分析機器の機種間差
   ・システムの再現性

セミナー講師

大杉バイオファーマ・コンサルティング(株) CMC開発コンサルタント 伊東 雅夫 氏
[元 中外製薬(株) 品質保証部  副部長]

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