高品質の製剤設計および品質確保を指向したQuality by Designとデザインスペースの基礎・実践

~製品設計および工程設計の「見える化」・実験計画法、DSの構築・申請資料と照会事項~

日時

【Live配信】 2024年2月16日(金)  13:00~16:30
【アーカイブ受講】 2024年2月28日(水)  まで受付(配信期間:2/28~3/13)
Live配信受講者には、特典(無料)として「アーカイブ配信」の閲覧権が付与されます。

セミナー趣旨

 製剤開発に関するガイドライン(ICH Q8)および品質リスクマネジメントに関するガイドライン(ICH Q9)の骨格であるQuality by Design(QbD)とデザインスペース(DS)に基づいて、製剤設計ならびに工程設計が浸透しつつある。
 しかし、近年、医薬品製造において業務停止命令や業務改善命令ならびに自主回収などにより、医薬品の供給不足が大きな社会問題となっている。
 このことはサイエンスとリスクベースにより製剤設計・工程設計を行う要件が、未だ、十分に理解されていないことを意味している。つまり、QbDアプローチにより、さらに製剤設計などに取組むことが不可欠である。

 本セミナーでは、まずQトリオについて概説し、より進んだQbD手法である実験計画法、DSならびにPAT(プロセス解析工学)について説明する。
 次に服薬アドヒアランスの向上を目的とした口腔内崩壊錠(マクロ0D錠、普通OD錠)および易服用型顆粒の設計などについて、QbDアプローチした研究結果を報告する。もちろん、実験により継続的に品質確保・工程管理できるDSを構築した内容についても紹介する。

 また、PAT技術に基づいて製造工程のリアルタイムモニタリグにより、一定品質の顆粒が恒常的に生産できることを実験的に確かめた結果について述べる。これらの結果は実践を意味する。
 さらにQbDアプローチによる医薬品の申請資料について簡単に触れたい。

習得できる知識

・Quality by Designによる製品設計および工程設計の理解
・服薬アドヒアランスに優れた製剤設計の最適化とDSの構築
・実験計画法およびDSによる製品設計および工程設計の「見える化」
・製剤工程のリアルタイム測定による品質管理の具体的な取組

セミナープログラム

1. ICH Qトリオ内容の再確認
 1-1 Q8製剤開発
 (1)科学とリスクに基づくQbDアプローチのメリット
 (2)実験計画法(DoE)、デザインスペースと製剤設計および工程管理
 (3)プロセス解析工学とリアルタイムモニタリグおよび品質確保
 (4)製薬企業のQbDの取組について
 1-2 Q9品質に関するリスクアセスメント
 (1)品質リスクマネジメントの原則 
 (2)一般的な品質リスクマネジメント
 (3)開発・設計の一環としてのリスクマネジメント
 1-3 Q10医薬品品質システム
 (1)製造プロセスの稼働性能及び製品品質の継続的改善
 (2)医薬品質システムの継続的改善

2. 高品質の製剤設計へのQbDアプローチ(実験計画法、DSの構築)
 (1)マイクロOD錠と普通OD錠の最適化およびデザインスペースの構築
 (2)小児の服薬アドヒアランスの向上を指向した剤形設計としてのマイクロOD錠(Φ:1.8mm錠)
 (3)Quality by Designに基づく製品品質に優れた二層OD錠の設計とその評価
 (4)乾式造粒法を用いた服薬アドヒアランス向上のための製剤設計
 (5)Quality by Designに基づく乾式造粒法による高含量製剤設計とその評価

3. PAT技術による製造工程の解析・最適化および品質管理
 (1)乾式混合におけるIn-lineリアルタイムモニタリグと継続的工程確認
 (2)湿式造粒におけるIn-lineリアルタイムモニタリグと顆粒設計
 (3)医薬品のオンデマンド生産に注目した直打連続生産システムおよびOD錠の設計
 (4)異種錠の混入を自動検知できる検査装置の開発と管理戦略

4. QbDと申請資料・照会事項
 (1)QbDアプローチを利用して開発された医薬品の情報
 (2)申請資料(CTD)、照会事項

□質疑応答□

セミナー講師

大阪ライフサイエンスラボ 所長(工学博士)
NPO法人 医薬品・食品品質保証支援センター 特別顧問
寺下 敬次郎 氏

【主な経歴】
医薬品医療機器総合機構 専門委員、近赤外研究会 幹事、粉体工学会 製剤と粒子設計部会 名誉世話人、PHARM TECH JAPAN(製剤と粒子設計の欄)編集委員、関西環境管理技術センター 調査役

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