■電動化モビリティの高電圧絶縁技術
■電動化に必須の高電圧絶縁技術
■インパルス部分放電計測
■駆動モータの絶縁信頼性評価試験の具体例とポイント
■モータ巻線、パワーモジュールと封止材、PCU回路基板、バスバーに関する高電圧絶縁技術

★高電圧絶縁技術を基礎から徹底解説!高品質な絶縁設計と信頼性評価法へ。

 

日時

Live配信(アーカイブ配信付)】 2024年9月26日(木)10:00~17:00
アーカイブ配信】視聴期間 2024年9月27日(金)~10月3日(木)まで
  受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ ※アーカイブ配信のみの受講も可能です。

セミナー趣旨

世界中の脱炭素戦略の中心がモビリティの「電動化」であり、現在、電気自動車(EV)販売で熾烈な競争が行われている。xEV関連のバッテリー、車載モータ、インバータ、電子機器、ワイヤーハーネスなどの各主駆動系・電装部品において、高出力化、軽量化、小型化、高効率化に向けた高電圧化と高周波化が進んでいる。消費電力軽減と制御性向上のための高速スイッチングが実現できる先進SiC半導体パワーデバイスの実装化が加速している。高速充電のためにバッテリーが高電圧化され、今やモータの駆動電圧が800V仕様(今後はさらに昇圧が予想)になって来ている。さらに、充電器やバッテリーからの電圧変換のための高耐電圧性のDC-DCコンバータも必要とされている。これらの800Vアーキテクチャー採用により、EMC(サージ)、熱と電気的絶縁性の問題がより厳しくなり、その対策のためのマネジメント、品質の信頼性評価法が最も重要な技術となっている。各要素部品の温度の急上昇は絶縁性能を著しく低下させ、サージが重畳する高いインパルス電圧によって部分放電や沿面放電が発生し易くなる。絶縁材料の劣化や放電発生のメカニズムを十分理解をした上で各種樹脂材料の開発と応用がポイントである。

本講演では、モータ巻線、パワーモジュールの基板材料と封止材、パワーコントロールユニット(PCU)等の回路基板、バスバー、バッテリーパッケージ、等々に関する高電圧絶縁技術の基礎から徹底解説し、原理から理解することでそれらの高品質な絶縁設計と信頼性評価法を習得することを目的としている。また、自社開発の高機能な樹脂素材をEV/HEVの構成部品に適応する場合、その特性の計測技術について分かり易く解説する。

習得できる知識

・電動化モビリティ分野の製品開発に必須の高電圧絶縁技術の基礎
・電動化要素部品における熱的および電気的な絶縁劣化メカニズム
・インバータ駆動モータのインパルス部分放電の計測と評価技術
・EV用平角モータ巻線の技術開発の最新動向と評価試験法
・パワーモジュール/プリント基板回路の高周波化の課題と絶縁評価技術
・高電圧化、小型軽量化に向けた熱マネジメントと樹脂材料の選択
・自社開発の樹脂材料、製品に必要な電気的特性の評価方法
・ユーザー要求の認証試験のためのIEC国際規格のインパルス評価試験法と課題点

セミナープログラム

1.電動化モビリティの高電圧絶縁技術の最新技術動向と課題
 1.1 EV/HEV駆動モータの小型軽量化、800Vを超える高電圧化に向けた技術動向
 1.2 電動車両の要素部品の信頼性設計・評価に向けた熱・絶縁技術動向
 1.3 樹脂素材の高耐熱性、高熱伝導化に向けた最近の開発動向 

2.電動化に必須の高電圧絶縁技術の基礎
  ~部分放電の発生と樹脂マテリアルの劣化メカニズム~

 2.1 絶縁破壊につながる部分放電、沿面放電とは何か? 
 2.2 高電圧化、高温化、高周波化すると部分放電(PD)が発生し易くなるのはなぜか? 
 2.3 周囲環境(温度、湿度、気圧)で大きく変化するPD発生メカニズムを知る。
 2.4 PDはどこで発生するのか?を知って、絶縁の弱点部位を重点対策する。
 2.5 従来の交流試験とは異なるインパルス電圧波形による評価試験の必要性を理解する。
 2.6 樹脂材料の熱的特性と電気的特性を比較しながら使用する。
 2.7 樹脂材料の劣化メカニズムである部分放電との物理・化学的相互作用を理解する。
 2.8 パワーモジュールの絶縁構造と絶縁劣化メカニズムを理解する。
 2.9 絶縁破壊電圧よりも部分放電が発生する電圧(PDIV)を知ることが重要。
 2.10 PD発生をどのように予測するのか?
    ~絶縁設計に必須事項~
 2.11 PD発生をどのように計測するのか?
    ~製品の品質保証に必須の計測技術~
 2.12 繰り返し発生する微弱なPDを計測すると大きくばらつくのはなぜか?
    ~絶縁トラブルを引き起こさないためにもPD発生の有無を正確に見極めよう~

3.インパルス部分放電計測とデータ収集・処理方法
 3.1 AC試験器とインパルス試験器との違い
 3.2 高繰り返し発生する微弱なPDを計測する難しさとは何か?
 3.3 インパルス電源、各種PDセンサーの紹介
 3.4 印加電圧波形(立ち上がり時間、パルス幅、周波数)とPDIV特性との関連性
 3.5 PDIV計測値の大きさを左右するセンサー感度とノイズレベル、閾値設定
 3.6 インパルス電圧の印加方法、データ収集と処理方法の具体例
 3.7 恒温恒湿槽を使ってPDIVの温度湿度依存性を計測する場合の注意点
 
 
4.駆動モータの絶縁信頼性評価試験の具体例とポイント
 4.1 インバータ駆動モータのインパルス絶縁評価試験と具体例
 4.2 モータ内部におけるサージ電圧の伝搬特性と計測
 4.3 各相のターンコイルにかかる電圧(分担電圧)計測
 4.4 インパルス試験電圧波形とモータ結線方法
 4.5 国際規格(IEC)試験方法
   ~その課題点を理解した上で認証試験の実施が必須~
 4.6 様々なインパルス電圧波形に対するPDIV特性
 4.7 各環境要因(温度、湿度、気圧)がPDIV特性に及ぼす影響とその理由
 4.8 モータのターン間、対地間と相間で発生するPD形態とPDIV値の比較
 4.9 計測データ波形からPD発生箇所の推定
 4.10 実機でPDを発生させないための対策ポイント
 
5.電動化モビリティの各要素部品の熱・絶縁対策と評価試験方法
 5.1 EV用平角巻線(厚膜化、低誘電率化)のPDIV計測と寿命試験
 5.2 高品質の樹脂フィルム材料のPDIV温度特性の評価試験
 5.3 ナノコンポジット絶縁材料の優れた熱伝導性と長寿命特性
 5.4 耐サージモータ巻線の高温高周波寿命試験(IEC規格)
 5.5 プリント回路基板の高周波絶縁評価方法
 5.6 パワーモジュール用絶縁材料の信頼性評価方法
 5.7 サーマル界面材料(TIM)のPDIV特性の計測

6.まとめと今後の課題

  □ 質疑応答 □

セミナー講師

略歴
・電気学会技術調査専門委員会「インバータ駆動モータ絶縁評価法」 委員長
・電気学会A部門論文誌 編修長(現在)
・実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法、平成30年度電気学会・優秀技術活動賞(技術報告賞)受賞
・電気学会 フェロー

・電気学会調査委員会「先端複合ポリマーナノコンポジット誘電体の応用技術」委員兵庫県立大学 名誉教授 永田 正義 氏

<主な専門・ご活動・受賞など>
・電気学会 フェロー
・IEC国際規格第55委員会(巻線関係)、現委員長
・電気学会A部門論文誌 前編修長
・電気学会技術調査専門委員会「インバータ駆動モータ絶縁評価法」 前委員長
・電気学会技術調査専門委員会「テーラーメイドによるコンポジット絶縁材料開発の進展と応用」 委員
・電気学会技術調査専門委員会「パワーモジュールの電気絶縁信頼性」 委員
・実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法、平成30年度電気学会・技術報告賞受賞
・関連テーマでの講演、執筆多数

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キーワード

高分子・樹脂材料   電子材料   計測工学

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