日本版シュタットベルケの果たす役割と事例紹介・将来展望
開催日:2023年04月26日
セミナー趣旨
本講演では、環境省の脱炭素先行地域事業において、評価委員会の委員長を務めた経験から、その目指すところ、
選定過程の重視事項、選定自治体が選ばれたポイントなどについて、解説を行う。また、今後の地域づくりにとって脱炭素化が必須となること、それを成功に導くには再生可能エネルギーの活用が必須であり、脱炭素化を担う主体としての日本版シュタットベルケ創設が不可欠であることを説明する。最後に、日本版シュタットベルケの課題と今後の展望を述べて、まちづくりにとっての可能性を論じたい。
セミナープログラム
1.脱炭素先行地域について~第1回・第2回選定を終えて
(1) 脱炭素先行地域とは何か、その意義
(2) 採択事例の紹介~第1回&第2回脱炭素先行地域から
(3) 脱炭素先行地域の目指すもの
(4) 第3回選定で重視されるポイント
2.脱炭素化と地域の競争力
(1) 最近の企業立地の動向~脱炭素化/RE100が競争力の源泉に
(2) 今後、企業の競争力を左右する要素は何か
3.脱炭素先行地域の背景~「集中型」から「分散型」のエネルギーシステムへ
(1) 再生可能エネルギー(「再エネ」)の導入状況と劇的なコスト下落
(2) 地域再生と分散型エネルギーとしての再エネ
4.急速に進む人口減少と地域発展の課題
(1) 今後の人口減少がもたらす地域・自治体への影響
(2) 地域/自治体は何をなすべきか~人口減少時代の地域経営
(3) 「地域経済循環」/「エネルギー自治」の考え方
5.地域経営の担い手としての「シュタットベルケ」
(1) シュタットベルケとは何か
(2) ドイツのシュタットベルケはなぜうまく行っているのか
(3) シュタットベルケを日本に応用することは可能か
6.日本版シュタットベルケ(地域新電力)の創設
(1) 日本におけるシュタットベルケ創設の動向
(2) 設立事例の紹介~再エネを活用した地域発展の制度的基盤へ
(3) 日本版シュタットベルケをめぐる論点
7.日本版シュタットベルケの将来展望と地域発展にとっての可能性
セミナー講師
前 環境省脱炭素先行地域評価委員会 委員長
京都大学大学院 経済学研究科
教授
諸富 徹 氏
1993年同志社大学経済学部卒業、1998年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、横浜国立大学経済学部助教授を
経て2010年3月より現職。2017年4月より京都大学大学院地球環境学堂教授を併任(2022年3月まで)。
環境経済学をベースに、カーボンプライシングや再生可能エネルギー政策、電力市場に関する研究を推進。京都大学大学院経済学研究科「再生可能エネルギー経済学講座」代表も務める。
主著に、『環境税の理論と実際』(有斐閣、2000年)、『脱炭素社会と排出量取引』(日本評論社、共編著、2007年)、『低炭素経済への道』(岩波新書、共著、2010年)、『脱炭素社会とポリシーミックス』(日本評論社、共編著、2010年)、『入門 地域付加価値創造分析』(日本評論社、編著、2019年)、『入門 再生可能エネルギーと電力システム』(日本評論社、編著、2019年)、など。
環境省中央環境審議会「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」など、国・自治体の政策形成にも多数参画。
セミナー受講料
1名:33,860円(税込)2名以降:28,860円 (社内・関連会社で同時お申し込みの場合)
受講について
<1>メールで請求書をご送付します。ご入金確認後、視聴URLと配付可能な講演資料をお送りします。
<2>視聴期間は4週間です。期間を過ぎての対応は致しかねます。
<3>ご受講者様ご自身での視聴に限らせていただきます。
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