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セミナー趣旨
化学プラントにおいて、蒸留プロセスは幅広く活用されている重要な分離プロセスである。蒸留はエネルギー多消費型のプロセスであることもあり、蒸留システムの省エネ設計および最適的なシステム設計はプラント全体の競争力を高めるために極めて重要である。本講演では、第1部として、難解で複雑な相平衡物性モデル体系を整理し、各々の蒸留システム検討に最善な物性モデル選択法を紹介する。さらに道具としての現状のモデルやパラメータデータベースの問題点を具体的個別に議論し、各々に対する対策を紹介する。第2部として、まず、概念・基本設計段階におけるプロセスシミュレータを使用した蒸留塔設計手法について紹介する。次に、テキストや便覧で学習する伝統的な解析法に基づく蒸留塔計算手法の問題点について言及するとともに、実用設計手法の問題点についても言及する。最後に、現在利用可能な複数の蒸留システムの概念設計手法(蒸留塔システムシーケンシング検討、RCM/DRD解析(共沸系)、ヒューリステックな多目的多変数最適化、CGCC解析、Lost Work解析)について紹介する。
受講対象・レベル
プロセス設計や生産管理にたずさわって2~3年の若手から中堅技術者
必要な予備知識
特に予備知識は必要ありません。
相平衡物性および蒸留塔プロセスシミュレーションの要点について解説します。
もし、プロセスシミュレータを使用した経験があるとより理解が深まります。
習得できる知識
・難解な物性モデル体系が整理できます。
・数多い物性モデルから、取り扱う物質、運転条件を考慮したモデルの選択手順を理解できます。
・現在の物性理論や物性データベース上の問題点について紹介するので、設計や解析に用いられるツールの限界・問題点を把握した上で、最善のモデルとデータベースの選択法を学べます。
・テキストや便覧で紹介されている伝統的な解析法に基づく蒸留塔設計手法が、なぜ実用設計で用いることができない理由を理解することができます。加えて実用設計に適用される手法の問題点と、今後開発が期待される蒸留塔段数設計手法について議論します。
・現在、利用可能な複数の蒸留システムの概念設計手法を理解できます。
セミナープログラム
はじめに 本日の講演の流れと主旨
第1部
「蒸留プロセス設計のための相平衡モデルを中心とした
熱力学モデルの選択の考え方と理論モデルの限界と問題点」
I-1. 相平衡熱力学モデルのモデルフレームワーク
1-1.データバンクと熱力学モデル
1-2.シミュレータに組み込まれているモデルの概要とモデルの選択方法
1-3.モデル選択上の重要点
I-2. 各熱力学モデルの概要
2-1.液相活量係数モデル開発の変遷
2-2.状態方程式の開発
2-3.一般化相関法
I-3. モデル活用上の注意点と理論モデルの問題点
3-1. 臨界点を基準とした対応状態原理の問題と対策
3-2. 混合物の厳密な臨界点算出の困難さとシミュレーション上の相判定の問題
3-3. 純物質データベースの注意点
3-4. 二成分相互作用パラメータが決定されていない場合の液相活量係数モデルの挙動
3-5. 液相活量係数モデルを使用した気液平衡および液液平衡でのモデルの限界
3-6. 無限希釈活量係数を用いた液相活量係数モデルのパラメータ相関とモデルの特性
第2部
「概念・基本設計段階での蒸留塔設計及び解析手法のレビュー」
II-1. 蒸留塔設計指針
1-1. 蒸留塔設計手順
1-2. 設計型 対 操作型
II-2. 概念・基本設計段階での設計・解析手法
2-1. 蒸留塔システムの概念設計
2-2. 蒸留塔システムシーケンシング
2-3. ヒューリスティックスな多目的多変数最適化手法
2-4. エクセルギー解析手法の蒸留塔設計への適用事例の紹介
II-3. Isopropanol共沸蒸留システムを例題とした
AVEVA社’PRO/IIR Ternary Plots’のデモンストレーション
キーワード:
蒸留,蒸留塔設計手法,省エネ設計,物性モデル選択,セミナー
セミナー講師
東洋エンジニアリング(株)
プロセスエンジニアリング部 エンジニアリングスペシャリスト(物性)
佐々木 正和氏
【ご専門】
化工物性、プロセスシミュレーション
【ご経歴等】
東京科学大学大学院 地球環境共創コース 特定教授
国連大学サステイナビリティ高等研究所 非常勤講師
日本大学生産工学部 非常勤講師
化学工学会 基礎物性部会 副部会長
東洋エンジニアリング株式会社にて、長年、物性・プロセスシミュレーションのスペシャリストとして勤務。
セミナー受講料
49,500円(税込、資料付)
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