★においデータの応用と「におい情報DX」活用に向けた課題、展望
セミナー趣旨
におい・香りに関係する産業は極めて多い。食品関係、香粧品関係、生活雑貨関係はもちろん、自動車関係、建設関係、医療関係、公共サービス関係などにも拡大中である。一方、ヒトの5感のうち、依然として定量的な取扱いが困難なものが「嗅覚」である。ヒトの感じるにおいや香りを、1つのセンサーで全て感じ取り、定量的に表現し、そしてにおいデータ(香りデータ)を第3者に確実に伝えることができれば、においや香りの研究やビジネスにおける影響は計り知れない。
本講座では、におい・香りセンシング(特にe-NOSE)の基礎、歴史、現状、課題を概説し、上記目的を達成する我々が実用化したセンサー「ヒト嗅覚受容体センサー」を具体的に紹介し、それにより実際に社会実装した例を中心に、初めて可能になる研究やビジネスについて述べたい。後半の内容は、におい情報の記録,保存,伝送,再生(一連の流れをにおい情報DXと呼ぶ)の実現に向けた課題を述べる.
受講対象・レベル
・におい・香りに関するビジネスに携わっている方
・におい・香りに関する研究に携わっている方
・におい・香りの要素を取り入れようと考えている香粧品、食品、自動車、生活用品、電気製品、住宅等の開発担当者
習得できる知識
・におい・香りセンシングの基礎知識
・我々の開発したヒト嗅覚受容体発現細胞アレイによる網羅的におい解析技術
・におい・香りの課題を有する企業の動向
・におい・香りの課題の解決方法 など
セミナープログラム
1.におい・香りとは?
・対象とすべきにおい・香り
・産業におけるにおいと香り
2.今までのにおい検出技術
・歴史(特にe-NOSE)
・できることとできないこと
3.現在進行中の従来型におい検出技術
・原理
・超高感度においセンサー
・活用例
・長所と短所
4.嗅覚システム
・嗅覚の進化
・嗅覚受容体と嗅神経
・におい認識機構
・ヒト嗅覚システム
5.ヒト嗅覚受容体でなければならない理由
・におい・香りの普遍的な基準は?
・ヒト嗅覚受容体センサーの開発
・仕組み
・測定例
6.においマトリックスによるにおい・香りの普遍的表現法
・においマトリックスとは?
・初めて見えてきた様々なヒト嗅覚受容体の反応様式
7.においマトリックスにより何が可能になるか?
・においの品質管理
・においアンタゴニスト(ピンポイント消臭剤)
・においデータベース
・においデザイン(デジタルフレグランス、デジタルフレーバー)
・においと生理機能の定量的結びつけ
・においによる診断
・においの知財化
・TV番組での紹介事例(WBS,大阪ほんわかテレビ、がっちりマンデー等)
8.におい情報DX(におい再構成)
・原理
・技術紹介ビデオ
9.ヒト嗅覚受容体を使用する類似におい測定技術
・国内企業動向
・海外研究者動向
・課題
10.大阪大学内にあるにおい研究拠点の紹介
・株式会社 香味醗酵のビジネスの紹介
・共同研究開発スキームの紹介
【質疑応答】
セミナー講師
大阪大学 産業科学研究所 所長・教授 農学博士 黒田 俊一 氏
セミナー受講料
1名につき55,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,500円(税込)〕
受講について
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