書評検索結果
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「製品開発の知識」延岡健太郎著
投稿日 2011/08/20
ものづくりの中で開発は、製品の競争力を生む重要なプロセスですが、不
確実性が高い事が多くマネジメントは容易でありません。MOT論の第一人
者である一橋大学の延岡教授が2002年に著した本書では、製品開発の本質
から戦略の考え方、組織構造、プロセス運営までが解説されます。
最終章にはトレードオフとなりがちな要素を両立させる対策まで記述され
ているので、関係者は一冊本棚に備えておいて損はないでしょう。
蛇足ですが新書版であり、価格3.5倍の「MOT技術経営入門」と内容の重複
が多いため、コストパフォ-マンスが高いと言えます。
「TRIZ実践と効用-体系的技術革新」Darrell Mann 著
投稿日 2011/08/03
著者は元ロールスロイス社のエンジニアで、創造的な研究開発に従事して
いましたが、'96年に退社しTRIZなどの創造性開発方法の研究に移りました。
この本は著者が'02年時点でのTRIZとその周辺に関する知識と解説を集大成
したもので、独自の意見もちりばめられています。
'04年には中川教授を監訳者とする和訳版が発行されており、和訳にばらつ
きが見られるものの450ページを超えるボリュームもあり、TRIZに関するほ
とんどが入手できる大著と言えます。
「開発設計のためのTRIZ入門」
投稿日 2011/07/03
TRIZが何者かを理解してから使おうとすると、多くのサブツールを理解する
だけで膨大な時間を費やして、発明の機会を逃してしまいます。
本書は品質問題、性能向上、新機能実現、コスト低減、商品企画、特許戦略
と課題を類型化し、それぞれに有効なツールの解説と手順を提示する事で、
必要な知識のみを効率的に学習できるのが特徴です。
わたしの「ものづくり工学マトリクス」発案のきっかけともなった良書で、
TRIZ書籍を1冊だけという場合はこの本を推薦するようにしています。
「超発明TRIZシリーズ1~6」
投稿日 2011/06/19
TRIZが日本に紹介されたのは1996年頃であり、翌年日経BP社から発刊され
たこのシリーズが果たした役割は大きいものがあります。これらはアルト
シュラーがロシアで活動していた時代のパンフレットとその解説からなっ
ており、現代のソフトウェアと比べるとかなり原始的に見えますが、それ
だけに本来のTRIZの生い立ちを感じる事ができます。
残念ながらすべて絶版になっていて、その後出版された多くの解説書は、
著者による何らかの脚色(工夫)が加えられているため、オリジナルの雰囲
気を感じるにはこれらにあたる必要があります。
ただし「超発明」と命名してしまったため、誰でも魔法のようにアイデア
が生まれると誤解された弊害も指摘されています。