中国工場の品質管理体制の構築、品質改善の支援・指導について解説します。今回は、従業員教育についてです。従業員教育の始めは、現場の管理者や検査員を対象とします。
なぜ教育の対象を管理者や検査員にするかと言いますと、教育の効果を最大にするためです。それは「工場のQCDを支えているのは、現場の管理者」という考えによります。つまり現場の管理者が、品質を確保するためのキーパーソンなのです。
キーパーソンである彼ら彼女らの意識を変えることが必要かつ重要なのです。管理者の意識が変わらなければ、作業者の意識を変えることはできません。日々工程の作業や作業者を監督し指導しているのは現場管理者ですから、彼ら彼女らの意識が低いままでは、作業者が変わるはずがありません。
他の理由としては、作業者は入れ替りがありますが、管理者はそれに比べると定着率が高い傾向にあるので、継続した教育ができることがあります。もし、現場管理者の定着率が低い場合、その工場は別の意味で危ない工場と言えます。
いろいろな工場で管理者教育を実施してわかったのは、現場の管理者たちは体系的にきちんと教育をされたことがないということです。品質管理の言葉は知っているものの、その意味を理解していないのです。また、なぜさまざまな管理が必要なのか、その理由をわかっていないのです。
実施する教育は、基本を重視して行いましょうましょう。工場で当たり前に行うことを当たり前にできるようにすることを目指します。この当たり前のことが出来ていないのが、中国工場の現実だからです。教育の内容としては、次のことを行います。
◆教育の内容
・工場の基本的な管理のこと
・品質管理の基礎知識
・品質に対する考え方
・自分たちの役割の再認識
先ずは、これらの内容を管理者たちにしっかり身に付けてもらうことが大事なことです。繰り返しになりますが、管理者を教育し意識を高めることが作業者を教育するための下地になります。 作業者への教育が必要ないと言っている訳ではありません。中国工場の品質改善には、取り組む順序が重要だということです。同様に教育の順...