使い方と進め方 USIT(その2)

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1.USIT、企業での使い方

 
 企業での使い方を整理すると、次の4点です。
 
 ・技術者がTRIZをマスターしていなくてもよい
 ・技術者とUSITエキスパートとが共同作業することでUSITの習得はTRIZよりはるかに容易
 ・グループの共同作業に適している、異なる職場のメンバーでの議論がし易い方法
 ・直接問題を抱えている技術者に、別の技術者が入っていることが好ましい
  (1つの職場のみのメンバー構成では(思いこみ等で)視点が狭くなる恐れがあります)
 

2.USITの実際の進め方

 
 TRIZを実践的に進める方法であるUSITは、次の(1)~(6)のようなステップで進めます。
 

(1)課題定義

 
 目的:「問題」を明確にして、本当に達成すべき「課題」をステートメント化して、それをメンバー間
    で合意する。
  ・既存技術や保有リソースの制約を除外して、自由に考える
  ・コストや納期等は、「6章 アイデア評価」で考える。
 
 作業手順
  1. 問題状況を説明する
  2. 問題状況を図解する
  3. 仮課題を設定する
  4. 対象とする構成要素(モノ)を選定する
  5. 中核原因<原因の種>の推定と、検討すべき議論の範囲を決定する
  6. 中核課題のステートメントを作成する
 

(2)現行システム分析

 
 目的:モノ(構成因子)/性質/機能 による分析
 
 作業手順
  1. 現行システムのダイヤグラム(中核課題モデル)を作成する
  2. モノ(構成要素)の性質を列挙する
  3. 定性変化表を作成する (現行システムでの状況に関するキーワードを得る)
 

(3)理想モデルによる分析

 
 目的:現状の問題から考えるのではなく、 理想的な姿(あるべき姿、ありたい状況)を先ず考える。
 
 作業手順
  1. 問題状況と理想解をスケッチする。理想的な状況(最終理想解が描ければ書く)
  2. 問題の起こっている場所にParticlesを配置・適用し、Particlesに問題を解決させる。
  (Particles:何でも出来る/どこにでも入り込める/どのような命令も忠実に実行してくれる極々微小
        で超便利な仮想のスーパーマン)
  3. Particlesにやってもらいたい行動と性質のダイヤグラムを作成する。
  4. 上記のParticlesの行動に関係するキーワードを出す。
 

(4)時間・空間の特性分析

 
 目的
      ・問題が起こる(起こっている)タイミングや場所を知り、改良策を働かせるタイミングを考える。
  ・対象システムの中で起きている現象を正しく理解する。
  ・機能を時間的変化と空間的分布の視点からダイナミックに捉え、最も機能を達成しやすいタイミン
   グや場所の条件をつかみ、解決の方向を見出す。
  ・TRIZの「物理的矛盾」の観点に対応し、分離原理へ導く。
 
 作業手順
  1. 時間・空間分析因子を検討する
  2. 時間的特性を分析する
  3. 空間的特性を分析する
 

(5)解決策生成

 
 目的:・従来の技術的手段や現状のモノに囚われない、アイデア発想の視点の「モノからの発想法」、
     「性質からの発想法」、「機能からの発想法」に基づいて 中核原因の対処策(即ち、中核課
     題達成のための方策)を導き出す。 
    ・更に、この解決策を体系化して抜け・もれ・落ちを防ぎ、また解決策を組み合わせることで更
     に強力なアイデアに仕立て上げる。
    ・技術的な用語や概念を総称的な用語や概念で置き換えて、「曖昧性」を許すことにより広がっ
     た解決策空間からの解決策を導き出す。
 
 作業手順
  現行システム分析、理想モデル法分析から得られたキーワードを用いて、それを下図のアイデア発想の視点の下記項目と重ねてアイデアを出す。
 
 USIT
                 図.USITアイデア発想の視点
  
  1. 「性質からの発想法」を使ってアイデアを出す
  2...
 

1.USIT、企業での使い方

 
 企業での使い方を整理すると、次の4点です。
 
 ・技術者がTRIZをマスターしていなくてもよい
 ・技術者とUSITエキスパートとが共同作業することでUSITの習得はTRIZよりはるかに容易
 ・グループの共同作業に適している、異なる職場のメンバーでの議論がし易い方法
 ・直接問題を抱えている技術者に、別の技術者が入っていることが好ましい
  (1つの職場のみのメンバー構成では(思いこみ等で)視点が狭くなる恐れがあります)
 

2.USITの実際の進め方

 
 TRIZを実践的に進める方法であるUSITは、次の(1)~(6)のようなステップで進めます。
 

(1)課題定義

 
 目的:「問題」を明確にして、本当に達成すべき「課題」をステートメント化して、それをメンバー間
    で合意する。
  ・既存技術や保有リソースの制約を除外して、自由に考える
  ・コストや納期等は、「6章 アイデア評価」で考える。
 
 作業手順
  1. 問題状況を説明する
  2. 問題状況を図解する
  3. 仮課題を設定する
  4. 対象とする構成要素(モノ)を選定する
  5. 中核原因<原因の種>の推定と、検討すべき議論の範囲を決定する
  6. 中核課題のステートメントを作成する
 

(2)現行システム分析

 
 目的:モノ(構成因子)/性質/機能 による分析
 
 作業手順
  1. 現行システムのダイヤグラム(中核課題モデル)を作成する
  2. モノ(構成要素)の性質を列挙する
  3. 定性変化表を作成する (現行システムでの状況に関するキーワードを得る)
 

(3)理想モデルによる分析

 
 目的:現状の問題から考えるのではなく、 理想的な姿(あるべき姿、ありたい状況)を先ず考える。
 
 作業手順
  1. 問題状況と理想解をスケッチする。理想的な状況(最終理想解が描ければ書く)
  2. 問題の起こっている場所にParticlesを配置・適用し、Particlesに問題を解決させる。
  (Particles:何でも出来る/どこにでも入り込める/どのような命令も忠実に実行してくれる極々微小
        で超便利な仮想のスーパーマン)
  3. Particlesにやってもらいたい行動と性質のダイヤグラムを作成する。
  4. 上記のParticlesの行動に関係するキーワードを出す。
 

(4)時間・空間の特性分析

 
 目的
      ・問題が起こる(起こっている)タイミングや場所を知り、改良策を働かせるタイミングを考える。
  ・対象システムの中で起きている現象を正しく理解する。
  ・機能を時間的変化と空間的分布の視点からダイナミックに捉え、最も機能を達成しやすいタイミン
   グや場所の条件をつかみ、解決の方向を見出す。
  ・TRIZの「物理的矛盾」の観点に対応し、分離原理へ導く。
 
 作業手順
  1. 時間・空間分析因子を検討する
  2. 時間的特性を分析する
  3. 空間的特性を分析する
 

(5)解決策生成

 
 目的:・従来の技術的手段や現状のモノに囚われない、アイデア発想の視点の「モノからの発想法」、
     「性質からの発想法」、「機能からの発想法」に基づいて 中核原因の対処策(即ち、中核課
     題達成のための方策)を導き出す。 
    ・更に、この解決策を体系化して抜け・もれ・落ちを防ぎ、また解決策を組み合わせることで更
     に強力なアイデアに仕立て上げる。
    ・技術的な用語や概念を総称的な用語や概念で置き換えて、「曖昧性」を許すことにより広がっ
     た解決策空間からの解決策を導き出す。
 
 作業手順
  現行システム分析、理想モデル法分析から得られたキーワードを用いて、それを下図のアイデア発想の視点の下記項目と重ねてアイデアを出す。
 
 USIT
                 図.USITアイデア発想の視点
  
  1. 「性質からの発想法」を使ってアイデアを出す
  2. 「モノからの発想法」を使ってアイデアを出す
  3. 「機能からの発想法」を使ってアイデアを出す
  4. 「解決策の体系化による発想法」を使ってアイデアを体系化し膨らませる
  5. 「解決策組み合わせによる発想法」を使ってアイデアをさらに膨らませる
 

(6) アイデアの評価


 目的:・アイデアを評価し、上位5つのアイデアを決定する。
    ・複数アイデアの報告書を作成する。
 
 作業手順:
  1. 評価項目を決定する
  2. アイデアを評価する
  3. アイデアの実行計画を立てる  
 
 
 

◆関連解説『USITとは』

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この記事の著者

三原 祐治

技術開発/課題解決のための最も強力なTRIZとその実践法であるUSITを用いて、試行錯誤を繰り返すことによるムダな時間と労力を費やさずに、短期間で最高の結果を手にしよう!

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