TRIZ/USIT活用法 : 企業の要求と技術者がやるべきこと (その6)

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◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法:課題解決実践法-USIT

 
 
 

3.「課題解決実践法-USIT」のStep

 

3.4 優先順位の決定

 
 TRIZ はもとよりUSIT も教科書は、「多くの解決策案」を出すところで終わっています。しかし、企業の実際の場面では、USIT で(あるいはTRIZ で)検討し「多くの解決策案」を出した段階で、研究者あるいは技術者としての作業が終了する訳ではなく、解決策を具体化/実行して、ようやく課題を解決したことになります。
 
 従って「多くの」解決策群の中で、どの案が最も適切な解決策かを決定することが望まれます。前述のようにこの段階はTRIZ やUSIT のテキストには何ら記載が無いけれど、筆者は必須の項目と捉えて実際の場面でも適用しています。
 
(1)解決策を分類し、Exel 表に入力
(2)適用に際しての条件の合意:例えば・効果程度・コスト・人手・納期など。
    課題によっては、開発にかけられる時間が限られていたり、既存設備が利用できるか新規な設備
    投資が許されるか等、解決案の採用に大きな制約になることがあります。 
(3)評価 
     各々の解決策について、上記の(2)で決めた項目を4段階程度、例えば4:満足、3:検討の価値高
   い、2:やや困難さあり、1:困難性が大、のように評価点数付けを行います。 
(4)順位付け 
 ①上記の(2)の項目の中で必須の条項を決める。残りの項目はできれば優先順位を決めておく。これ
  らの優先順位付けを行う際に、必ずメンバーの合意を得て進める。 
 ②上記の(3)の評価結果を必須の条項~優先度の高い順にソート(並べ替え)し、解決案に序列を付
  ける。順位の低いものも含め検討結果を全て残しておく。検討した時点では、ここで得られた結果で
  十分満足しても将来再び同様の問題が発生した際、適用の条件が時間の経過で変化することがありう
  るので、見直しができるようにしておくことが必要です。 
   ③開発計画表:作業項目毎に担当者/納期を決める。
 

4.「課題解決実践法-USIT」の企業での使い方

 
 TRIZ という課題解決のための創造的手法を実際に利用するためには、既に述べたようにUSIT は非常に学びやすく使いやすい方法です。
 
◆USIT を使えるようになるにはどのくらいの時間が必要か?
 
 USIT のトレーニングは2 日間で一応の理解ができます。トレーニング無しでも,USIT の指導者の下でOn the Job で何度か実践することで自分でできるようになれます。
 
◆USIT を用いて問題解決するにはどのくらいの時間・手間がかかるのか?
 
 その5に示した図3 (下図)のStep を行うのに、標準的なケースで3 ~ 4 時間ずつ6 ~ 7 会合です。非常に困難な(と思われる)課題でも1 週間に半日を2 回ずつ行えば1 ヶ月で終わります。課題がそれ程複雑でないケースでは、半日ずつ2 ~ 3回の作業で終わる場合もあります。
 
  TRIZ
                 図3 USIT の進め方 < そのステップ>
 
◆USIT はどのような利用の仕方をすればよいのか?
 
 課題を抱えている技術者とUSIT をよく理解しているエキスパートとが共同作業で行います。1 人のみあるいは1 つの職場の人だけで実行すると、視点が狭くなったり、思いこみによって観点の広がりがなされない恐れがあります。またUSIT はグループの共同作業に適しているので、自分達とは別の関連職場の関係者数人を含めて行う方がより優れたアイデア群が得られます。
 
 ★★ 是非一度USIT にTRY して、最高の結果を手にして下さい ★★
 
参考文献
1)http://www. triz-usit.com/
2)G. Altshuller,遠藤ら訳「超発明術TRIZ シリーズ1 入門編 原理と概念に見る全体像」日経BP,1997
3)三菱総合研究所知識創造研究部「革新的技術開発の技法 図解TRIZ」日本実業出版社,1999
4)・NTELLECK( Sickafusの HP);http://www.u-sit.net/
   ・ Ed. Sickafus「Unified Structured Inventive Thinking - How toInvent」NTELLECK,    Michigan, USA (1997)
5)・大阪学院大・中川教授のHP;
 http://www.osaka-gu. ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/index.html
    ・ E. N. Sickafus 著,川面,越水,中川共訳「USIT ...

◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法:課題解決実践法-USIT

 
 
 

3.「課題解決実践法-USIT」のStep

 

3.4 優先順位の決定

 
 TRIZ はもとよりUSIT も教科書は、「多くの解決策案」を出すところで終わっています。しかし、企業の実際の場面では、USIT で(あるいはTRIZ で)検討し「多くの解決策案」を出した段階で、研究者あるいは技術者としての作業が終了する訳ではなく、解決策を具体化/実行して、ようやく課題を解決したことになります。
 
 従って「多くの」解決策群の中で、どの案が最も適切な解決策かを決定することが望まれます。前述のようにこの段階はTRIZ やUSIT のテキストには何ら記載が無いけれど、筆者は必須の項目と捉えて実際の場面でも適用しています。
 
(1)解決策を分類し、Exel 表に入力
(2)適用に際しての条件の合意:例えば・効果程度・コスト・人手・納期など。
    課題によっては、開発にかけられる時間が限られていたり、既存設備が利用できるか新規な設備
    投資が許されるか等、解決案の採用に大きな制約になることがあります。 
(3)評価 
     各々の解決策について、上記の(2)で決めた項目を4段階程度、例えば4:満足、3:検討の価値高
   い、2:やや困難さあり、1:困難性が大、のように評価点数付けを行います。 
(4)順位付け 
 ①上記の(2)の項目の中で必須の条項を決める。残りの項目はできれば優先順位を決めておく。これ
  らの優先順位付けを行う際に、必ずメンバーの合意を得て進める。 
 ②上記の(3)の評価結果を必須の条項~優先度の高い順にソート(並べ替え)し、解決案に序列を付
  ける。順位の低いものも含め検討結果を全て残しておく。検討した時点では、ここで得られた結果で
  十分満足しても将来再び同様の問題が発生した際、適用の条件が時間の経過で変化することがありう
  るので、見直しができるようにしておくことが必要です。 
   ③開発計画表:作業項目毎に担当者/納期を決める。
 

4.「課題解決実践法-USIT」の企業での使い方

 
 TRIZ という課題解決のための創造的手法を実際に利用するためには、既に述べたようにUSIT は非常に学びやすく使いやすい方法です。
 
◆USIT を使えるようになるにはどのくらいの時間が必要か?
 
 USIT のトレーニングは2 日間で一応の理解ができます。トレーニング無しでも,USIT の指導者の下でOn the Job で何度か実践することで自分でできるようになれます。
 
◆USIT を用いて問題解決するにはどのくらいの時間・手間がかかるのか?
 
 その5に示した図3 (下図)のStep を行うのに、標準的なケースで3 ~ 4 時間ずつ6 ~ 7 会合です。非常に困難な(と思われる)課題でも1 週間に半日を2 回ずつ行えば1 ヶ月で終わります。課題がそれ程複雑でないケースでは、半日ずつ2 ~ 3回の作業で終わる場合もあります。
 
  TRIZ
                 図3 USIT の進め方 < そのステップ>
 
◆USIT はどのような利用の仕方をすればよいのか?
 
 課題を抱えている技術者とUSIT をよく理解しているエキスパートとが共同作業で行います。1 人のみあるいは1 つの職場の人だけで実行すると、視点が狭くなったり、思いこみによって観点の広がりがなされない恐れがあります。またUSIT はグループの共同作業に適しているので、自分達とは別の関連職場の関係者数人を含めて行う方がより優れたアイデア群が得られます。
 
 ★★ 是非一度USIT にTRY して、最高の結果を手にして下さい ★★
 
参考文献
1)http://www. triz-usit.com/
2)G. Altshuller,遠藤ら訳「超発明術TRIZ シリーズ1 入門編 原理と概念に見る全体像」日経BP,1997
3)三菱総合研究所知識創造研究部「革新的技術開発の技法 図解TRIZ」日本実業出版社,1999
4)・NTELLECK( Sickafusの HP);http://www.u-sit.net/
   ・ Ed. Sickafus「Unified Structured Inventive Thinking - How toInvent」NTELLECK,    Michigan, USA (1997)
5)・大阪学院大・中川教授のHP;
 http://www.osaka-gu. ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/index.html
    ・ E. N. Sickafus 著,川面,越水,中川共訳「USIT の概要( 統合的構造化発明思考法)」:e-Book by Ntelleck,( 2004)
6)三原ら;「プラズマフィルターの血漿抽出率の改善」
   ・ 第2 回日本Invension Machine ユーザグループミーティング予稿集(2001. 9),
 ・日経メカニカル 2001 年10 月号
7)中川,古謝,三原「TRIZ の解決策生成諸技法を整理してUSIT の
5 解法に単純化する」 ETRIA 国際会議,ストラスブール (フランス2002 年11 月)
8)中川,古謝,三原「USIT 解決策生成法の使い方- TRIZ を簡易化・統合化したシステム」TRIZ 国際会議TRIZCON2003,フィラデル
 
 
 

◆関連解説『USITとは』

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この記事の著者

三原 祐治

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