なぜなぜ分析~3つの分析パターン

 なぜなぜ分析は、主に発生した問題の原因を探り、絞り込むためのツールとして使われます。しかし、無秩序に『なぜ、なぜ』を5回繰り返しても原因に辿りつくことはできません。今回は、なぜなぜ分析としての3つの分析パターンを解説します。
◆関連解説『なぜなぜ分析とは』
 

1. なぜなぜ分析の3つの目的・パターン

 
 上図のように、なぜなぜ分析には3つの目的と、それぞれの分析パターンがあります。原因に辿りつくには、それぞれのケースに当てはめて分析する必要があります。しかし、実際にトラブルが発生した現場では、じっくりと「なぜなぜ分析」を行っている暇はありません。なぜなぜ分析は事務室で「頭でなぜなぜと考える」のではなく、現場で現物をよく観察し、同時進行的に原因の推定とその推定が正しいかどうかを、何度も繰り返し検証する作業を行って、原因にたどり着くのです。
 

2. トラブルの原因究明

 原因にたどり着くための作業は素人ではできません。物理的な因果関係や人間の心理的な要因の洗い出しには、機械のプロであったり、製造工程を熟知した製造技術者や現場の管理監督者で実施することになります。
 
 発生した固有の不具合の原因(なぜ発生したか)だけでなく、その不具合がなぜ防げなかったのか。なぜ、事前に対策を講ずることができなかったか、その不具合の予兆(異常)を捉えることができなかったのか、などについて、しくみの悪さ(不備、欠陥)を指摘、是正するすることで、類似の不具合も含め、再発防止と水平展開を図ります。
 
 なぜなぜ分析の提唱者である「トヨタ生産方式」の著者、大野耐一氏は、現場で指導を行...
った際に「原因をもっと深く追求しなさい! そのためにはなぜを5回繰り返えすことによって原因にたどりつく」と当時の未熟な技術者に教えたのです。ところが、残念なことに「なぜなぜ5回」の形だけが独り歩きしてしまいました。目的は、真の原因に辿りつくことです。そのことと、なぜを5回繰り返すこととはイコールではありません。

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