各ステップ 新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方(その5)

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【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回 
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.2.3 各ステップの詳細説明のStep 3から解説を続けます。
 

Step 3:言語データの採取

 
 SQCにおける“計測”に相当する重要なステップで、採取の場(測定具)、場の運営方法(測定方法)、データの内容(有効桁数)がポイントです。言語データの場合、SQCの場合と違ってデータに対する関心が薄く、採取に慎重を欠くことが多いので、遺漏なきを期す心構えが大切です。筆者は、馴染みのあるSQCでのポイントと対応させて、重要性認識の一助としてきたので、その対応項目を参考のために( )内に記載しました。
 

【ポイント 1】“体言止め”(注3-7)を避ける。

 
 連関図法の場合は、テーマが身近で具体的なので比較的問題ないのですが、具体例をあげると、“測定ミス”といったデータが出された場合、もっと具体的に“測定方法を間違える”とか“目盛を読み間違える”などといった表現へ誘導しておくと、解析結果がより正確になるのと、その後のデータが的確になるでしょう。
 
 (注3-7) 文章の最後を名詞で終わらせること。データがかたくなり解析時の発展性が阻害される。
 

【ポイント 2】ブレーンストーミング(BS)の運営に注意する。

 
 BSは、条件が整えば非常に優れた採取方法でありますが、一つ間違うと、データが偏ったり制限されたりする両刃の剣です。特に、BSのリーダーのあり方がポイントなので事前教育は大切ですが、採取データは鵜呑みにすることなく、そういった点からのチェックを必ず実施し、その懸念あるときは趣旨を説明して、全データをまとめて全員に配布し、データの修正と追加の機会を作るとよいでしょう。
 

【ポイント 3】採取方法は、BSにこだわらない。

 
 一般的にBSを採用するが、“混沌状態”の影響でメンバーが欠けたり十分な時間をとれなかったりで、その機能を発揮できないことが多いのです。そういった場合は、融通性の高いアンケート方式を採用することになりますが、BSの持つ集団思考的側面が失われるので、採取したデータをまとめて全員に配布し、他のメンバーの発言を知った上での、追加・修正の機会を与えることによりかなりの補足が期待できます。
 

【ポイント4】発言者は必ず把握しておく。

 
 データの整理、連関図の作成・解析の際、発言内容の確認を必要とすることが多いので、忘れないようにすることです。カードに記載する場合は、連関図は、関係者以外の目に触れることが多いので、発言者へのやゆ、非難、詰問などの発生を考え、符号を使うなど配慮します。
 
 QC7つ道具
 

Step 4:データの確認・整理

 
 連関図作成者が、採取データを一枚一枚吟味し、内容の確認・整理を行います。このステップの過ごし方いかんで、これ以降の効率が大きく左右されるので、時間を惜しまずじっくり取り組むことが大切です。
 

【ポイント 1】内容を十分理解・把握する。

 
 まず最初は、解析者が一堂に会し、各データの内容を相互に確認し合った後、各自で再度じっくり吟味する時間を置きます。ただ、各データの最終的な内容確認は、他データとの連関追求の過程でなされるのであまり神経質になることはなく、めどとしては問題の全貌がぼんやりと見えてくるタイミングです。
 

【ポイント 2】発言内容・趣旨の確認。

 
 少しでも不明の点があれば、勝手な解釈を避け、発言者のいわんとするところを確認することです。確認は、必ずBSリーダーを通じて行うようにするのですが、事情に詳しいからといって誘導尋問的にならないように注意しましょう。確認をBSリーダーを通じて行うのは、発言者に不要なストレスを与えない配慮と、BSリーダーの教育につながるからです。
 

【ポイント 3】同義データの統合は慎重に。

 
 まったく同じ表現であっても、職場や立場が違うとニュアンスが異なる場合があります。確認の結果そうであることが分かった場合は、把握したニュアンスが分かる表現を引き出して別データとして独立させるとよいでしょう。統合した場合は、発言者は分かるようにしておくことです。
 

Step 5:カードの作成

 
 パソコン用ソフトも開発されており、カードの作成作業そのものはいろいろ考えられるのですが、データ相互の連関追求のときは、メンバー全員が全データを一望できる配慮が必要です。
 

【ポイント 1】カードサイズは、23×53mm。

 
 最初の連関図は、数人で作成するので、これくらいのサイズが適当でしょう。ただ、作成人数が少なかったり、特に支障がなければ、KJ手帳サイズ(15×40mm)の方が、後々の取り扱いが楽です。
 

【ポイント 2】番号を記入しておく。

 
 解析結果のまとめ、連関図に関連づけたリポートの作成、さらには、複雑な連関図でのデータの検索などにとり、カード番号は必須です。番号は言語データ整理の段階で一覧表ができておれば、その番号を使ってもよいが、連関図作成時、カードのレイアウトが決まったところで...
 
【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回 
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.2.3 各ステップの詳細説明のStep 3から解説を続けます。
 

Step 3:言語データの採取

 
 SQCにおける“計測”に相当する重要なステップで、採取の場(測定具)、場の運営方法(測定方法)、データの内容(有効桁数)がポイントです。言語データの場合、SQCの場合と違ってデータに対する関心が薄く、採取に慎重を欠くことが多いので、遺漏なきを期す心構えが大切です。筆者は、馴染みのあるSQCでのポイントと対応させて、重要性認識の一助としてきたので、その対応項目を参考のために( )内に記載しました。
 

【ポイント 1】“体言止め”(注3-7)を避ける。

 
 連関図法の場合は、テーマが身近で具体的なので比較的問題ないのですが、具体例をあげると、“測定ミス”といったデータが出された場合、もっと具体的に“測定方法を間違える”とか“目盛を読み間違える”などといった表現へ誘導しておくと、解析結果がより正確になるのと、その後のデータが的確になるでしょう。
 
 (注3-7) 文章の最後を名詞で終わらせること。データがかたくなり解析時の発展性が阻害される。
 

【ポイント 2】ブレーンストーミング(BS)の運営に注意する。

 
 BSは、条件が整えば非常に優れた採取方法でありますが、一つ間違うと、データが偏ったり制限されたりする両刃の剣です。特に、BSのリーダーのあり方がポイントなので事前教育は大切ですが、採取データは鵜呑みにすることなく、そういった点からのチェックを必ず実施し、その懸念あるときは趣旨を説明して、全データをまとめて全員に配布し、データの修正と追加の機会を作るとよいでしょう。
 

【ポイント 3】採取方法は、BSにこだわらない。

 
 一般的にBSを採用するが、“混沌状態”の影響でメンバーが欠けたり十分な時間をとれなかったりで、その機能を発揮できないことが多いのです。そういった場合は、融通性の高いアンケート方式を採用することになりますが、BSの持つ集団思考的側面が失われるので、採取したデータをまとめて全員に配布し、他のメンバーの発言を知った上での、追加・修正の機会を与えることによりかなりの補足が期待できます。
 

【ポイント4】発言者は必ず把握しておく。

 
 データの整理、連関図の作成・解析の際、発言内容の確認を必要とすることが多いので、忘れないようにすることです。カードに記載する場合は、連関図は、関係者以外の目に触れることが多いので、発言者へのやゆ、非難、詰問などの発生を考え、符号を使うなど配慮します。
 
 QC7つ道具
 

Step 4:データの確認・整理

 
 連関図作成者が、採取データを一枚一枚吟味し、内容の確認・整理を行います。このステップの過ごし方いかんで、これ以降の効率が大きく左右されるので、時間を惜しまずじっくり取り組むことが大切です。
 

【ポイント 1】内容を十分理解・把握する。

 
 まず最初は、解析者が一堂に会し、各データの内容を相互に確認し合った後、各自で再度じっくり吟味する時間を置きます。ただ、各データの最終的な内容確認は、他データとの連関追求の過程でなされるのであまり神経質になることはなく、めどとしては問題の全貌がぼんやりと見えてくるタイミングです。
 

【ポイント 2】発言内容・趣旨の確認。

 
 少しでも不明の点があれば、勝手な解釈を避け、発言者のいわんとするところを確認することです。確認は、必ずBSリーダーを通じて行うようにするのですが、事情に詳しいからといって誘導尋問的にならないように注意しましょう。確認をBSリーダーを通じて行うのは、発言者に不要なストレスを与えない配慮と、BSリーダーの教育につながるからです。
 

【ポイント 3】同義データの統合は慎重に。

 
 まったく同じ表現であっても、職場や立場が違うとニュアンスが異なる場合があります。確認の結果そうであることが分かった場合は、把握したニュアンスが分かる表現を引き出して別データとして独立させるとよいでしょう。統合した場合は、発言者は分かるようにしておくことです。
 

Step 5:カードの作成

 
 パソコン用ソフトも開発されており、カードの作成作業そのものはいろいろ考えられるのですが、データ相互の連関追求のときは、メンバー全員が全データを一望できる配慮が必要です。
 

【ポイント 1】カードサイズは、23×53mm。

 
 最初の連関図は、数人で作成するので、これくらいのサイズが適当でしょう。ただ、作成人数が少なかったり、特に支障がなければ、KJ手帳サイズ(15×40mm)の方が、後々の取り扱いが楽です。
 

【ポイント 2】番号を記入しておく。

 
 解析結果のまとめ、連関図に関連づけたリポートの作成、さらには、複雑な連関図でのデータの検索などにとり、カード番号は必須です。番号は言語データ整理の段階で一覧表ができておれば、その番号を使ってもよいが、連関図作成時、カードのレイアウトが決まったところで、左上から順番にナンバリングするのが、後々好都合です。
 
 

【ポイント 3】ラベルの大きさにカットする。

 
 市販のカード(ラベル)は、はがしやすいように蝋紙の上に貼ってありますが、蝋紙がついたままでラベルの大きさにカットする。(注3-8)
 
(注3-8) ミシン目の付いたラベルもあるがミシン目を使わず、ラベルの大きさに切る。理由は、矢線がカードに届くようにするため。
 
 次回は、Step 6から解説を続けます。
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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