連関図の解析 新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方(その8)

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【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回 
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.2.3 各ステップの詳細説明のStep 9から解説を続けます。
 

Step 9:連関図(Ⅱ)の解析

 
 各自持ち帰った連関図(Ⅱ)をもとに実施した諸検討、及び“要意識教育カード”“要確認カード”に対するアクション結果を共有した上で、結論の模索と要因のループ(堂々巡り)の検出を実施します。
 

【ポイント 1】4種類のカードの絞り込み。

 
 4種類(最終、メーン、起点、ポイント)のカードを絞り込むための連関確認過程で、新たな矢線やカードを追加し、結論引き出しに向かったさらなる熟成度アップを図ります。各カードが、4種類のカードかどうかという視点でチェックすることは、データの持つ意味の再確認にもなり有用です。
 

【ポイント 2】要因のループの検出。

 
 混沌を生む原因の一つに、要因の形成するループ(堂々巡り)があるが、その検出手段としても、連関図法は“余法をもって代え難い”といえます。ただ、このループの検出経験は、カード枚数が少なく、kの値が小さい段階で結論に達する場合だけで、ここで取り上げているようなカード枚数が多く複雑な場合は経験していないのです。(注3-17)
 
 (注3-17) 次元の高いテーマの場合、たとえループが存在しても、その循環が大きく、ループの途上に存在するメーンカードやポイントカードがループを断ち切る働きをするからではないかと思われます。
 

Step 10:連関図(Ⅲ)の作成

 
 このステップは、序論にあげたN7活用上のポイントの8番目“N7は、最低3回描く”における最後の清書に当たります。ただ、ここで取り上げるようなテーマの場合の清書は、大変な時間を要するので、その目的である“部外者に見せるため”だけを考えると、見にくさは説明時にカバーすることにして清書を避けたくなるのです。
 
 しかし、この時間は決して無駄ではなく、矢線が錯綜していたために気づかなかった矢線の重複や間違いの発見につながるとともに、結論に向かった熟成の最後の詰めがなされ、まさに“画竜点睛”の感があり、筆者は必須と心得て重視しています。
 
  
 

【ポイント 1】連関図(Ⅱ)の矢線に番号をつける。

 
 これは、連関図(Ⅱ)の結線結果を、漏れなく連関図(Ⅲ)に復元するための準備ですが、同時に連関図(Ⅱ)の熟成度をチェックする際の、矢線数の確認にもなります。
 

【ポイント 2】ステップ6で仮貼りした模造紙に、追加したものも含めてカードの最終レイアウトを決め、コピーする。

 
 カードの位置は、メンバーの頭の中に入っているので、位置関係が大幅に変わらないよう配慮して追加カードを挿入します。
 

【ポイント 3】4種類のカード(注3-18)と、それらに関わる矢線について再確認する。

 
 確認のポイントは、4種類のカードを起点とした要因相互の連関の再確認と、ループの存在のチェックです。経験的にいって、要因相互の再確認の際“ポイントカード”の追加や変更がなされることが多いようです。
 
 (注3-18)最終カード、メーンカード、起点カード、ポイントカード、の4種類。残りの2種類(要意識教育カード、要確認カード)は、解析用であり、連関図(Ⅱ)の段階でケリをつけ連関図(Ⅲ)へは持ち越さない。
 

Step 11:連関図(Ⅲ)の解析

 
 連関図上での解析は、ステップ10まででほとんど完了しているので、このステップでは、熟成過程で把握した問題の核心を、4種類のカードと関連づけて具体的に表現する。
 

【ポイント 1】4種類のカード各々につき、熟成過程で把握した背景を明文化する。

 
 それぞれのデータがいわんとするところを、背景も含めて明文化することにより、熟成内容がより充実した形で確定します。
 
 

【ポイント 2】上記背景からいえる...

【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回 
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.2.3 各ステップの詳細説明のStep 9から解説を続けます。
 

Step 9:連関図(Ⅱ)の解析

 
 各自持ち帰った連関図(Ⅱ)をもとに実施した諸検討、及び“要意識教育カード”“要確認カード”に対するアクション結果を共有した上で、結論の模索と要因のループ(堂々巡り)の検出を実施します。
 

【ポイント 1】4種類のカードの絞り込み。

 
 4種類(最終、メーン、起点、ポイント)のカードを絞り込むための連関確認過程で、新たな矢線やカードを追加し、結論引き出しに向かったさらなる熟成度アップを図ります。各カードが、4種類のカードかどうかという視点でチェックすることは、データの持つ意味の再確認にもなり有用です。
 

【ポイント 2】要因のループの検出。

 
 混沌を生む原因の一つに、要因の形成するループ(堂々巡り)があるが、その検出手段としても、連関図法は“余法をもって代え難い”といえます。ただ、このループの検出経験は、カード枚数が少なく、kの値が小さい段階で結論に達する場合だけで、ここで取り上げているようなカード枚数が多く複雑な場合は経験していないのです。(注3-17)
 
 (注3-17) 次元の高いテーマの場合、たとえループが存在しても、その循環が大きく、ループの途上に存在するメーンカードやポイントカードがループを断ち切る働きをするからではないかと思われます。
 

Step 10:連関図(Ⅲ)の作成

 
 このステップは、序論にあげたN7活用上のポイントの8番目“N7は、最低3回描く”における最後の清書に当たります。ただ、ここで取り上げるようなテーマの場合の清書は、大変な時間を要するので、その目的である“部外者に見せるため”だけを考えると、見にくさは説明時にカバーすることにして清書を避けたくなるのです。
 
 しかし、この時間は決して無駄ではなく、矢線が錯綜していたために気づかなかった矢線の重複や間違いの発見につながるとともに、結論に向かった熟成の最後の詰めがなされ、まさに“画竜点睛”の感があり、筆者は必須と心得て重視しています。
 
  
 

【ポイント 1】連関図(Ⅱ)の矢線に番号をつける。

 
 これは、連関図(Ⅱ)の結線結果を、漏れなく連関図(Ⅲ)に復元するための準備ですが、同時に連関図(Ⅱ)の熟成度をチェックする際の、矢線数の確認にもなります。
 

【ポイント 2】ステップ6で仮貼りした模造紙に、追加したものも含めてカードの最終レイアウトを決め、コピーする。

 
 カードの位置は、メンバーの頭の中に入っているので、位置関係が大幅に変わらないよう配慮して追加カードを挿入します。
 

【ポイント 3】4種類のカード(注3-18)と、それらに関わる矢線について再確認する。

 
 確認のポイントは、4種類のカードを起点とした要因相互の連関の再確認と、ループの存在のチェックです。経験的にいって、要因相互の再確認の際“ポイントカード”の追加や変更がなされることが多いようです。
 
 (注3-18)最終カード、メーンカード、起点カード、ポイントカード、の4種類。残りの2種類(要意識教育カード、要確認カード)は、解析用であり、連関図(Ⅱ)の段階でケリをつけ連関図(Ⅲ)へは持ち越さない。
 

Step 11:連関図(Ⅲ)の解析

 
 連関図上での解析は、ステップ10まででほとんど完了しているので、このステップでは、熟成過程で把握した問題の核心を、4種類のカードと関連づけて具体的に表現する。
 

【ポイント 1】4種類のカード各々につき、熟成過程で把握した背景を明文化する。

 
 それぞれのデータがいわんとするところを、背景も含めて明文化することにより、熟成内容がより充実した形で確定します。
 
 

【ポイント 2】上記背景からいえる打開策策定のポイントを明文化する。

 
 この段階で、解析者(管理者・スタッフ)は、実施事項の優先順位及び重要度を認識し、具体的な改善計画立案のベースを把握することができます。
 
 次回は、Step 12から解説を続けます。
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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