オリジナル連関図の筆者による2次熟成 新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方(その12)

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【目次】
序論   ←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回
第4章  親和図法の使い方  
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.3 事例に見る連関図法による混沌解明のノウハウ、3.3.2 活用事例の説明、(4) オリジナル連関図の筆者による2次熟成から解説を続けます。
 

(4) オリジナル連関図の筆者による2次熟成

 

ⅰ)2次熟成結果

 
 図3-4は、発表に接した週の週末に、当時としては、これ以上の熟成は無理と思えるところまで熟成度を高めたもので、かけた時間は約6時間である。熟成対象が既存の連関図(データ数38)ゆえ、この時間は純粋な熟成時間で、1枚のカードに平均9.5分向かい合うという驚異的な執念といえます。
 
 QC 図3-4. 連関図「なぜクレームが減らないのか」オリジナルの再現(2次熟成結果)k=1.95
 【 画 像 ク リ ッ ク で 拡 大 】
 
 この執念は「ここで挫折したのでは1N7研1期生の名がすたる」との思いによるものだったのですが、おかげで後述するような収穫があり、連関図法研究の貴重な起点となったのです。
 
 この執念の熟成により生じた、オリジナル連関図との差異は、詳細説明を付して表3-5に示しますが、図上でも関連が分かるように、削除した矢線を点線で残し、追加したカードの外周と追加矢線は太線としました。
 
  表3-5. 2次熟成により発生したオリジナル連関図との相違点
 QC
 

ⅱ)2次熟成連関図からの結論

 
 当時の2次熟成結果から得た結論を、若干の補足を加えてまとめると次の通りであり、結果的に発表者の結論を再確認する形となったのです。
 
 「顧客の新たな品質要求内容の把握が不十分なため、顧客からの要求に対する諸対応において発生する不手際による混乱が、安定していた既契約品質の維持体制にも影響をおよぼし、その結果クレームが多発しています。
 
 状況としては、顧客の新たな要求への対応にクレーム処理が加わり、関係者が混沌を感じるまでになっています。
 
 技術と営業が一体となって、顧客ニーズを早急に把握し、的確な対応をするとともに、品質管理体制をQCの原点ともいえる“顧客ニーズの把握”という側面から再構築する必要があります。
 

ⅲ)連関図からの結論引き出し経過のまとめ

 
 結論に納得はできたものの、問題は研究生の発表を聞いたときの疑問点「連関図と結論の関係」解明であり、当時それに挑戦した結果を「連関図からの結論引き出し経過」としてまとめたのが、表3-6です。
 
 表3-6 2次熟成連関図からの結論抽出経過のまとめ
 QC
 

(5) 活用事例説明のまとめ

 
 以上が、今回連関図法の説明用事例の起点に採用した発表事例の、20年前の状況です。
 
 当時としては、これが精いっぱいだったのですが、6時間つき合ったデータの中には、こういった形の結論では背景に隠れてしまう、強いメッセージを育んだものがかなり存在し、それらを独立した形で取り上げたい気持ちに駆られたことを鮮明に記憶しています。
 
 しかし、この時点では、それを取り上げる適当な方法を思いつかなかったのです。したがって、これ以降に取り組んだ連関図法活用事例では、常にこの点を念頭に工夫を重ねることになり、その結論が、前節でご紹介した“6種類(最終的には4種類)のカードの抽出と活用”です。
 

(6) 矢線錯綜への対処

 
 次項では、これ以降の研究成果を反映した“14ステップ方式”の趣旨を生かし、熟成度をk=2...
【目次】
序論   ←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回
第4章  親和図法の使い方  
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方

新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方

 
 前回に続いて、3.3 事例に見る連関図法による混沌解明のノウハウ、3.3.2 活用事例の説明、(4) オリジナル連関図の筆者による2次熟成から解説を続けます。
 

(4) オリジナル連関図の筆者による2次熟成

 

ⅰ)2次熟成結果

 
 図3-4は、発表に接した週の週末に、当時としては、これ以上の熟成は無理と思えるところまで熟成度を高めたもので、かけた時間は約6時間である。熟成対象が既存の連関図(データ数38)ゆえ、この時間は純粋な熟成時間で、1枚のカードに平均9.5分向かい合うという驚異的な執念といえます。
 
 QC 図3-4. 連関図「なぜクレームが減らないのか」オリジナルの再現(2次熟成結果)k=1.95
 【 画 像 ク リ ッ ク で 拡 大 】
 
 この執念は「ここで挫折したのでは1N7研1期生の名がすたる」との思いによるものだったのですが、おかげで後述するような収穫があり、連関図法研究の貴重な起点となったのです。
 
 この執念の熟成により生じた、オリジナル連関図との差異は、詳細説明を付して表3-5に示しますが、図上でも関連が分かるように、削除した矢線を点線で残し、追加したカードの外周と追加矢線は太線としました。
 
  表3-5. 2次熟成により発生したオリジナル連関図との相違点
 QC
 

ⅱ)2次熟成連関図からの結論

 
 当時の2次熟成結果から得た結論を、若干の補足を加えてまとめると次の通りであり、結果的に発表者の結論を再確認する形となったのです。
 
 「顧客の新たな品質要求内容の把握が不十分なため、顧客からの要求に対する諸対応において発生する不手際による混乱が、安定していた既契約品質の維持体制にも影響をおよぼし、その結果クレームが多発しています。
 
 状況としては、顧客の新たな要求への対応にクレーム処理が加わり、関係者が混沌を感じるまでになっています。
 
 技術と営業が一体となって、顧客ニーズを早急に把握し、的確な対応をするとともに、品質管理体制をQCの原点ともいえる“顧客ニーズの把握”という側面から再構築する必要があります。
 

ⅲ)連関図からの結論引き出し経過のまとめ

 
 結論に納得はできたものの、問題は研究生の発表を聞いたときの疑問点「連関図と結論の関係」解明であり、当時それに挑戦した結果を「連関図からの結論引き出し経過」としてまとめたのが、表3-6です。
 
 表3-6 2次熟成連関図からの結論抽出経過のまとめ
 QC
 

(5) 活用事例説明のまとめ

 
 以上が、今回連関図法の説明用事例の起点に採用した発表事例の、20年前の状況です。
 
 当時としては、これが精いっぱいだったのですが、6時間つき合ったデータの中には、こういった形の結論では背景に隠れてしまう、強いメッセージを育んだものがかなり存在し、それらを独立した形で取り上げたい気持ちに駆られたことを鮮明に記憶しています。
 
 しかし、この時点では、それを取り上げる適当な方法を思いつかなかったのです。したがって、これ以降に取り組んだ連関図法活用事例では、常にこの点を念頭に工夫を重ねることになり、その結論が、前節でご紹介した“6種類(最終的には4種類)のカードの抽出と活用”です。
 

(6) 矢線錯綜への対処

 
 次項では、これ以降の研究成果を反映した“14ステップ方式”の趣旨を生かし、熟成度をk=2.28まで上げて引き出した結論を、最終連関図と関連づけた形で紹介します。
 
 ただ、そこまで熟成度を上げるということは、矢線密度がかなり高い図3-4に、18本の矢線追加が必要で、連関の把握が困難なくらい矢線が錯綜しますが、その点に対する対処を理解してもらうのも次項のポイントの一つです。
 
 次回は、3.3.3 活用事例によるノウハウの説明から解説を続けます。
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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