ISO9001の内部監査のレベルアップ -内部監査の3レベル法―

更新日

投稿日

ISO9001の内部監査のレベルアップ -内部監査の3レベル法―

 

【目次】

    1.ISO9001関連でありがちな問題

     ISO9001の推進には内部監査が重要ですが、次のような問題に直面しがちです。

    ・推進して5-10年立つが、内部監査での指摘がなくなって、時間の無駄と思える。しかし規格で決まっているので、やらざるを得ない。

    ・内部監査は、第三者審査と同じような方法でやっていて、効果が上がらない。

     こんなことでは、問題です。下記を学び、活性化しましょう。

     

    2.内部監査の3レベル法の概要

     第三者審査と異なる内部監査を行い、組織の発展に貢献します。

     具体的には、表1に示すように内部監査のレベルを3段階に分けて、ステップアップします。

     レベル1の適合性監査、レベル2の有効性監査、レベル3のパフォーマンス及び効率など改善指摘監査からなります。

     特に、改善指摘監査で、組織のレベルアップが期待されるものです。 

    表1.内部監査の3レベル法
    内部監査のレベル 視点 チェックリスト作成のポイント

    レベル1: 適合性監査

    基準文書の順守度を評価 基準文書に沿ったチェックリスト

    レベル2: 有効性監査

    目標達成の仕組み貢献度を評価 目標の達成度、および基準文書に沿ったチェックリスト

    レベル3: パフォーマンスおよび効率など改善指摘監査

    目標、仕組みなどの改善方法を助言する 目標、仕組み、固有技術などの改善方法をチェックリストに盛り込む

     

    ①  レベル1は一般的に行われている方法で、基準文書に沿って遵守状況を評価する方法です。第3者審査で行われるものと同じになります。

    ②  レベル2は、目標達成状況、そのプロセスの仕組み、実施状況が審査されます。

    ③ レベル3は、組織でしかできない方法であり、第三者審査では行われません。次のように進めます。

     a: 目標は競合他社比較な...

    ISO9001の内部監査のレベルアップ -内部監査の3レベル法―

     

    【目次】

      1.ISO9001関連でありがちな問題

       ISO9001の推進には内部監査が重要ですが、次のような問題に直面しがちです。

      ・推進して5-10年立つが、内部監査での指摘がなくなって、時間の無駄と思える。しかし規格で決まっているので、やらざるを得ない。

      ・内部監査は、第三者審査と同じような方法でやっていて、効果が上がらない。

       こんなことでは、問題です。下記を学び、活性化しましょう。

       

      2.内部監査の3レベル法の概要

       第三者審査と異なる内部監査を行い、組織の発展に貢献します。

       具体的には、表1に示すように内部監査のレベルを3段階に分けて、ステップアップします。

       レベル1の適合性監査、レベル2の有効性監査、レベル3のパフォーマンス及び効率など改善指摘監査からなります。

       特に、改善指摘監査で、組織のレベルアップが期待されるものです。 

      表1.内部監査の3レベル法
      内部監査のレベル 視点 チェックリスト作成のポイント

      レベル1: 適合性監査

      基準文書の順守度を評価 基準文書に沿ったチェックリスト

      レベル2: 有効性監査

      目標達成の仕組み貢献度を評価 目標の達成度、および基準文書に沿ったチェックリスト

      レベル3: パフォーマンスおよび効率など改善指摘監査

      目標、仕組みなどの改善方法を助言する 目標、仕組み、固有技術などの改善方法をチェックリストに盛り込む

       

      ①  レベル1は一般的に行われている方法で、基準文書に沿って遵守状況を評価する方法です。第3者審査で行われるものと同じになります。

      ②  レベル2は、目標達成状況、そのプロセスの仕組み、実施状況が審査されます。

      ③ レベル3は、組織でしかできない方法であり、第三者審査では行われません。次のように進めます。

       a: 目標は競合他社比較などで問題があれば提案する。

       b: 仕組み、固有技術など審査員のレベルからみて、会社のためになると思われるものを提案する。

       ここで、監査で提案されたものの中からどれを採用するかは、当該組織の判断で行います。

       

      【参考文献】

       及川忠雄、「経営に役立つ内部監査」、日本品質管理学会QMS有効活用及び審査研究部会研究報告書、2008年5月

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      及川 忠雄

      学ぶ意欲のある人には親切に教え成長に貢献します。企業診断で全体を把握し、重点問題解決を支援します。

      学ぶ意欲のある人には親切に教え成長に貢献します。企業診断で全体を把握し、重点問題解決を支援します。


      「QMS(ISO9001等)」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      ISOマネジメントシステムで継続的に改善するには

       ISO 9001やISO 14001等ISO マネジメントシステム規格は、本来「改善ツール」として活用されるべきものです。これらは、「要求事項を満たし、...

       ISO 9001やISO 14001等ISO マネジメントシステム規格は、本来「改善ツール」として活用されるべきものです。これらは、「要求事項を満たし、...


      ISO9001:2015のもたらすもの (その1)

       今回は、ISO9000の小規模企業での無駄のない取得方法について解説します。日本もグローバル化の中で、1990年代にISO取得ブームが巻き起こりました。...

       今回は、ISO9000の小規模企業での無駄のない取得方法について解説します。日本もグローバル化の中で、1990年代にISO取得ブームが巻き起こりました。...


      ISOは組織に改善の機会を与える(その1)

       ISO品質及び環境マネジメントシステムの2015年改訂は組織にとって絶好の『改善の機会』と捉えて下さい。実際に2015年版を構築された企業では、経営者は...

       ISO品質及び環境マネジメントシステムの2015年改訂は組織にとって絶好の『改善の機会』と捉えて下さい。実際に2015年版を構築された企業では、経営者は...


      「QMS(ISO9001等)」の活用事例

      もっと見る
      ゼロから始めた品質マネジメントシステムへの挑戦

       A社の社長はこれまでISO9001導入に否定的でした。ISO9001を導入しようとすると、膨大な書類作りが必要、認証や資格維持に金がかかる、データを取っ...

       A社の社長はこれまでISO9001導入に否定的でした。ISO9001を導入しようとすると、膨大な書類作りが必要、認証や資格維持に金がかかる、データを取っ...


      ISO9001を運用するねらいとは

       専門家としてのISO9001に関わる仕事は2015年版移行対応を終え、減っていますが、それでも尚、僅かながら存在します。今後は、IATF16949取...

       専門家としてのISO9001に関わる仕事は2015年版移行対応を終え、減っていますが、それでも尚、僅かながら存在します。今後は、IATF16949取...