1. 技術士第二次試験: 合格か不合格か
【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。
今回は、技術士第二次試験対策「分かりやすい答案で合格に一歩近づく」と題して解説を進めます。それでは、以下のような問題とその解答があったとします。
【問題】
地球温暖化の原因の一つとして二酸化炭素の増加があります。あなたが考える二酸化炭素の増加を防ぐ対策を書いてください。
【解答】
私の考える対策とは、以下のような対策を行うことです。
- ① 冷房の温度を1℃高く、暖房の温度を1℃低く設定する。
- ② 待機電力を50%削減する。
- ③ 風呂の残り湯を洗濯に使う。
- ④ 買い物に行くときには買い物袋を持参する。
- ⑤ 家族が同じ部屋で団らんし、暖房と照明の利用を20%削減する。
この解答に対して「合格か不合格」の判定をするとしたらどちらでしょうか。合格か、それとも不合格でしょうか・・・答えは「不合格」です。
2. 技術士第二次試験: 不合格の理由
不合格の理由は、この問題に対して明確な解答を書いていないことです。
この解答には「あなたが考える二酸化炭素の増加を防ぐ対策」について具体的な対策が書かれています。そのため、この解答を読み「合格」と評価した方も多いと思います。確かに具体的な対策が書かれていますが、この解答を読むと「二酸化炭素の増加を防ぐ対策について結局この人は何が言いたいのだろう?」と思ってしまいます。具体的な対策の内容は伝わりますが解答の真意は明確に伝わりません。解答を評価する上で最も重要なことが書かれていません。
3. 技術士第二次試験: 分かりにくい答案を書く原因
分かりにくい答案とは、試験官に解答の真意が明確に伝わらない答案のことです。例えば、冒頭に書いたような解答を書けばこれは不合格になってしまいます。
このような答案を書いてしまう原因の一つとして頭の中の交通渋滞が挙げられます。いざ試験場で問題を読むと「あれもこれも書こう、あれも書かなきゃいけない」と頭の中が交通渋滞のようになり、冒頭のような解答になってしまいます。
4. 技術士第二次試験: 分かりやすい答案を書く
分かりやすい答案を書くためには、答えを書く前に頭の中で解答を明確にする必要があります。明確にしないまま「あれも書こう、これも書こう」と整理されていない状態で書いてしまうと冒頭のような解答になってしまいます。しかし、パラグラフライティング注1)の考え方を使うことで明確な解答を導き出すことができます。弊社ではこの方法を“卵の理論”と呼んでいます。卵の黄身と卵の白身を例に解答を明確にする方法なのでこの呼び方になりました。この理論を簡単に説明すると「まず簡潔に要点を書き、それから背景や理由など細部を書...