5S教育の進め方

投稿日


 5Sは現場全員の教育が大切であると常々考えていますので、今回はどのように教育を進めるべきかを書きます。

 まずは座学によって、5Sの知識を学ぶ必要があります。私が講習する時、は1つのSにつき1~2時間程度かけます。例えば整理は「不要なモノを捨てること」と定義されるわけですが、なぜ不要なモノを捨てるのか、捨てると現場はどうなるか、というKnow Whyが大事です。

 Know Whyとは・・・

    • ・モノが多いと整頓、清掃が大変である。
    • ・モノを捨てると、必要なモノが探しやすくなる。
    • ・捨てる基準より過剰に在庫しているものがわかる。
    • ・過剰在庫を抑えればコストは下がる。
    • ・捨てれば不良品の混入が防止できる。等々です。

 次に、教えた知識だけでは身に付きませんので、実習させます。私は実習が教育のポイントだと信じています。

    •  ゴルフ雑誌を読むだけで上手になりますか?
    •  良い演奏を聴いて、楽器が上手になりますか?


 もちろん知識も大事ですが、練習・訓練が絶対に必要です。正しい訓練を続けるためには、正しい知識を持った人が監督になって実習させるのです。

 5Sの整理実習の場合は、自分の担当現場に行って、不要なモノをデジカメで写真に撮ってくるように指示します。撮って帰ってきたら、プロジェクターで映しだして発表してもらいます。

    • ・なぜ不要なのか?
    • ・どうしてあるのか?
    • ・どうしたら不要物が減らせるか?


 そんな議論が自然発生します。写真がないと、本当か?と疑われたり、見ていない人が議論に参加できなかったり、共通認識が生まれません。

 この写真を見て、幹部は自分の認識と現場の認識との違いに驚き、現場で要らないと判断したムダなモノの多さに驚きます。リアルな写真が証拠ですから、反論のしようがありません。できていたと思っていても、実際できていないわけですから、幹部の意識が変わります。

 このようにして座学で「Know Why」と「あるべき姿」を教えたあとで、実習として現場に行って現実を確認させることで、参加者があるべき姿と現実のギャップに気づき、問題意識が生まれるのです。やらなければならないという問題意識を持つことができたら成功で、そこからは自ら考えて実行し改善が進...


 5Sは現場全員の教育が大切であると常々考えていますので、今回はどのように教育を進めるべきかを書きます。

 まずは座学によって、5Sの知識を学ぶ必要があります。私が講習する時、は1つのSにつき1~2時間程度かけます。例えば整理は「不要なモノを捨てること」と定義されるわけですが、なぜ不要なモノを捨てるのか、捨てると現場はどうなるか、というKnow Whyが大事です。

 Know Whyとは・・・

    • ・モノが多いと整頓、清掃が大変である。
    • ・モノを捨てると、必要なモノが探しやすくなる。
    • ・捨てる基準より過剰に在庫しているものがわかる。
    • ・過剰在庫を抑えればコストは下がる。
    • ・捨てれば不良品の混入が防止できる。等々です。

 次に、教えた知識だけでは身に付きませんので、実習させます。私は実習が教育のポイントだと信じています。

    •  ゴルフ雑誌を読むだけで上手になりますか?
    •  良い演奏を聴いて、楽器が上手になりますか?


 もちろん知識も大事ですが、練習・訓練が絶対に必要です。正しい訓練を続けるためには、正しい知識を持った人が監督になって実習させるのです。

 5Sの整理実習の場合は、自分の担当現場に行って、不要なモノをデジカメで写真に撮ってくるように指示します。撮って帰ってきたら、プロジェクターで映しだして発表してもらいます。

    • ・なぜ不要なのか?
    • ・どうしてあるのか?
    • ・どうしたら不要物が減らせるか?


 そんな議論が自然発生します。写真がないと、本当か?と疑われたり、見ていない人が議論に参加できなかったり、共通認識が生まれません。

 この写真を見て、幹部は自分の認識と現場の認識との違いに驚き、現場で要らないと判断したムダなモノの多さに驚きます。リアルな写真が証拠ですから、反論のしようがありません。できていたと思っていても、実際できていないわけですから、幹部の意識が変わります。

 このようにして座学で「Know Why」と「あるべき姿」を教えたあとで、実習として現場に行って現実を確認させることで、参加者があるべき姿と現実のギャップに気づき、問題意識が生まれるのです。やらなければならないという問題意識を持つことができたら成功で、そこからは自ら考えて実行し改善が進むようになります。

 このように、座学→実習→宿題を正しいステップで繰り返すことで、必然的に工場の5Sレベルが向上していきます。皆さんの工場には5Sの教育プログラムはありますか?そして、実習を含めてその教育内容は十分でしょうか??

 5Sは工場の基本ですから、以上の観点でもう一度確認してみて下さい。

 また下記のようにこれらを含めたセミナーを3月に予定していますので、皆さんの参加をお待ちしています。

 https://www.monodukuri.com/seminars/detail/70

   続きを読むには・・・


この記事の著者

羽根田 修

日本一の工場コスト削減コンサルタント/装置産業に特化して、直近10年で105億円削減の実績

日本一の工場コスト削減コンサルタント/装置産業に特化して、直近10年で105億円削減の実績


「5S」の他のキーワード解説記事

もっと見る
整頓 はにくいを探せ!!

  【この連載の前回:メンタルモデル でムダを清掃するへのリンク】 前回と前々回では、 清掃についてお届けしました。清掃はあなたの部下や...

  【この連載の前回:メンタルモデル でムダを清掃するへのリンク】 前回と前々回では、 清掃についてお届けしました。清掃はあなたの部下や...


変化に気づく感性をアップしたい 「5S」の目的(その5)

1.良い組織文化醸成の条件  組織とは、人の集合体です。それ故に、そこに属する人が変わって初めて組織が変わるとことは可能となります。そこには、意識や認識...

1.良い組織文化醸成の条件  組織とは、人の集合体です。それ故に、そこに属する人が変わって初めて組織が変わるとことは可能となります。そこには、意識や認識...


生産性向上への道筋 「5S」の目的(その4)

1. 「5S」活動による生産性の向上  別稿でお話した通り、「5S」の中で、整理・整頓・清掃のそれぞれの活動のレベルを上げていくことで、いわゆる7つのム...

1. 「5S」活動による生産性の向上  別稿でお話した通り、「5S」の中で、整理・整頓・清掃のそれぞれの活動のレベルを上げていくことで、いわゆる7つのム...


「5S」の活用事例

もっと見る
‐5Sの推進でコストダウンを図る 製品・技術開発力強化策の事例(その30)

◆配置に関する5Sの原則  前回のその29に続いて解説します。工具、資材、部品及び仕掛品について最適配置の方法について検討する場合の判断の原則になる...

◆配置に関する5Sの原則  前回のその29に続いて解説します。工具、資材、部品及び仕掛品について最適配置の方法について検討する場合の判断の原則になる...


整理整頓事例、事務所と現場

今回は、整理整頓事例から、2点紹介します。 1. 作業標準  現場事務所での事例です。 「生産指示にある作業標準を、ココから取り出すんです」「明...

今回は、整理整頓事例から、2点紹介します。 1. 作業標準  現場事務所での事例です。 「生産指示にある作業標準を、ココから取り出すんです」「明...


国際生産成功のための基本的要点(その6)

 前回のその5に続いて解説します。この事例を読んだある方から、「私のような零細企業は、国内生産に拘ります。地元を愛し、・・・、日本を愛する気持ちから、国内...

 前回のその5に続いて解説します。この事例を読んだある方から、「私のような零細企業は、国内生産に拘ります。地元を愛し、・・・、日本を愛する気持ちから、国内...