現場改善で空間を空ける意味 儲かるメーカー改善の急所101項(その81)

 

6、強いモノづくり

◆ 改善で生み出された空間は新事業へのポテンシャル

 2021年、新型コロナウィルス感染拡大により、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。

 これまで当たり前と思っていたことが当たり前でなくなり、これまでのすべての前提が全く違ったものへと変わってしまった方も多いと思います。そしてそれらの多くは元に戻らない可能性が高いと思います。そこでアフターコロナにおいては、それらが元に戻ることを期待するのではなく、これまでとは違う新しい商品やマーケットを自ら生み出すことが求められます。

 新しいマーケットに向けて新しい事業を起こす必要が出てくるのですが、そのためには新しい設備やラインを設置する「新たな空間」が必要です。その空間を用立てできないので諦(あきら)めている経営者の方も多いのです。何か新しいことを始めようと思っても、それをする場所がなければどうにもならないからです。

 しかし私の長年の経験から考えると、それで将来へのチャレンジを諦める必要はありません。どの工場にも「改善によって生み出せる空間が必ずある」と断言します。

 不要なモノを捨てて、ラインを短縮し、設計や工程の改善を進め、在庫を減らします。これだけのことをして生み出した空間は大きいはずです。生み出した空間で新事業を始めるとき、その空間の代金はゼロです。そのラインを作る時も皆で行えば、融通も利くので成功確率は大幅に向上します。

 お金が有り余っているのであればともかくですが、新事業を始めるための空間や作業余力は、会社全体での生産効率を上げて、社内に潜んでいるあらゆるムダを顕在化させて削り取ることによって生み出すことです。

 改善で生み出された空間面積は、新事業へのポテンシャルなのです。諦めないで改めて現場の中にあるムダや改...

善余地を見付けましょう。

 

今回の言葉   

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 新規事業に必要な空間は、現場改善によって生み出せ
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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