「なぜ?を5回繰り返せば、その問題の原因に到達する。」と言われたので、5回繰り返してみた。しかし、納得のいく原因と対応策を導け出せず、モヤモヤ感が残ることってありませんか?こんなことが続くと「なぜなぜ分析」からどんどん気持ちが離れてしまいます。こんな時には!「 そもそも思考 」を働かせてみましょう。
今回は「なぜなぜ分析」を円滑に進めるノウハウについてのおはなしです。
【この連載の前回:なぜなぜ分析、心理的安全性とはへのリンク】
1.なぜなぜ分析は難しい、と感じていませんか?
なぜなぜ分析は、多くの業種や業界で使われる問題解決を、論理的に展開する方法として定着しています。
しかし、「うまく進まない。」や「原因究明まで到達できない。」など、問題の根本的原因にまで到達せず、「なぜなぜ分析は難しい」と感じ始め、分析の活用が衰退することが少なくないようです。そもそも、「問題の根本的原因」とは自分の知識や認知できる範囲外に隠れているケースが多いです。
もし、知識や認知の範囲内に「問題の根本的原因」があったならば、すぐに解決策を導けるはずです。よって、知識や認知の範囲外に目を向けるためには「なぜ?」を繰り返さなければなりません。
「なぜ?」という問いは、自分の視野を広げ、何を見落としているのか?何に気付いていないのか?といったことに意識を向ける、脳内スイッチなのです。
2.なぜなぜ分析が失敗する理由
なぜなぜ分析の失敗事例を見ていると、問題の定義を曖昧なまま進めているケースが多い様です。
問題定義を例えるなら「製品に傷がついた。」といった不具合の場合、過去の経験と知識からそれを解決せず「製品より硬いモノが触れたから。」と、その不具合事象を原理原則でアプローチすることです。この考え方で事象を観察すれば、いままで気付かなかった「製品より硬いモノや部分」が見えてくる可能性があるのです。
そもそも傷とは何か?といったことを原理原則で考えながら、問題定義の曖昧さを小さくする工夫が必要です。
3.なぜなぜ分析が上手くいくコツとは?― そもそも思考 を活用!
また、チームで問題解決する場合、その問題定義が共有されていないことも「なぜなぜ分析」が上手くいかない原因に挙げられます。
チーム内のAさんの問題定義と、Bさんの問題定義が異なったまま「なぜなぜ分析」を進めると、問題に対する意識や視野の方向が統一することができず、問題解決のコミュニケーションが空中分解してしまいます。「そもそもこの問題の定義とはなにか?」について、しっかり共有をしてから「なぜなぜ分析」に入ることが必要です。
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