相手をその気にさせる労働安全衛生マネジメントとは

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人的資源マネジメント

 

 

1.対話術 伝える難しさをどう乗り越えるか

「言葉だけで 作業を説明され、 それを実施してみて欲しい」と言われたら、あなたはどうしますか?私は、25年近く『言葉だけで作業内容を伝える』という 対話術のゲームをセミナーでやっているのですが、100%私の思い描いた通りの作業を実施してくださった方は、皆無でした。ところが、『言葉+α』の伝え方に切り替えると、100%の方が、思い描いた通りの作業を実施してくれます。

 

これは、「言葉だけでモノゴトを伝えることがいかに危険か!」を体験していただくためのゲームなのですが、ゲームを終えると「おおお」と驚きの声が 研修会場から上がってきます。

 

労働安全衛生マネジメントなどでも、 文字や 言葉で説明することが主流で+αの 伝え方を意識しないため、リスクを見落としたり、ルールの未励行が起きたり、ヒヤリハットを発生させているシーンに数多く遭遇します。

 

◆【特集】連載記事紹介まとめページはこちら!連載記事のタイトルをまとめてご紹介!

 

2.余裕が無ければ安全意識は薄れる

安全第一という 標語や言葉が日常的に伝えられているのに、生産優先・ 効率優先という行動をとってしまうのは、人としては自然です。作業に余裕があればいいのですが、余裕が無ければ無いほど安全意識は 薄れてしまうのです。これでは、作業をする人にとってメインとなるのは「 作業そのもの 」であり、安全は二の次という 意識が沸き起こってしまいます。安全を意識させるには、ありとあらゆる作業のムダを取り除き、作業に余裕を持たせることが必要です。

 

リスクアセスメントの展開後、想定外の災害が発生してしまう事がありますが、現場ではそのリスクを認知していたというケースがよくあります。これは「 報連相のやりにくさ」から発生している事象です。想定外のリスクは、以外と現場では気付いているのです。そこで、重要となるのが、安全衛生コミュニケーションです。

 

3.労働安全衛生 コミュニケーション

安全衛生 コミュニケーションとは

  • 1) 言葉で伝える伝令・伝達
  • 2) 文字や絵で伝える掲示物
  • 3) 文字で伝えるルール

に分けることができます。これらは物質タスク型マネジメント の部類に入るコミュニケーションスタイルです。

 

(1)ルールには説明の仕方があります。

ルールを教えるだけでなく、その内容を実施できるよう訓練が必要です。

 

また、「ルールを励行する」というモチベーションを高めなければ、ルール自体の陳腐化がすすみ、リスクを増大させることになりかねません。ルールには、説明の仕方があるのです。

 

(2)相手をその気にさせるコミュニケーション

NLP(神経言語プログラミング)では、人がどのように言葉を理解し行動に移すのかを深く学ぶ事ができる知識体系です。

 

さらには、言葉の選び方や伝え方に特化した知識体系を LABプロファイル® (language&behavior profile)があり、言葉選びのテクニックを身に付けることで、相手のモチベーションを高めたり維持させることができます。

 

.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。

 

4.物質タスク型マネジメントと人間重視マネジメント

(1)ルールやモノで管理する

物質タスク型安全衛生マネジメントは、モノやルール、業務タスクなどで、次のように、その行動を管理するマネジメントです。

  • ゴーグル装着
  • 防毒マスク装着
  • ハーネス装着
  • ルールの制定
  • 安全マニュアルの制定
  • リスク管理
  • その他

 

(2)モチベーションをマネジメントする

どんなに保護具の装着義務を伝えても、ルール遵守を理解させても、最終的には「その人」のモチベーション向上やその気にさせなければ、行動に移ることはありません。

 

人間重視型マネジメントは、コーチング心理学やNLPなどを駆使し「相手をその気にさせる」ためのマネジメントです。特に、安全文化や風土は人間重視型マネジメントが大きく影響しています。

 

5.LABプロファイル で学ぶ 対話術 の3つのステップ

LABプロファイルを身に付け、労働安全衛生マネジメントに適用するには、次の3ステップをかけあがる必要があります。

  • ステップ1 「対話術」コーチングの基礎を学ぶ
  • ステップ2  LABプロファイル の基礎を知る
  • ステップ3  LABプロファイル を使いこなす

 

ステップ1 「 対話術 」コーチングの基礎を学ぶ

コーチングの基本中の基本は、信頼関係を築くということ。これがなければ、「話を聞いてくれない」「話してもくれない」という事象が起きてしまいます。

 

良好な労働安全衛生マネジメントを遂行するためには、リーダーや管理職が「さらなる信頼」を会得しなければなりません。具体的には、話の聴き方から学び、話し方までの領域のトレーニングを受けます。

 

ステップ2  LABプロファイル の基礎を知る

人の脳は、それぞれクセがあり「理解しやすい言葉と、理解しにくい言葉」として現れます。

 

もし、理解しにくい言葉で話し続けると、相手のモチベーションは下がるばかりです。相手が、どのような言葉を理解しやすいかをプロファイリングし、その結果からわかりやすい言葉を選んで伝えることでモチベーションを高めることがでいます。

 

このステップでは、簡単なプロファイリングの基礎を学び、言葉選びの大切を理解するとともに、言葉選びができるようになるステップです。

 

ステップ3  LABプロファイル を使いこなす

脳科学や言語心理学から生まれた LABプロファイル は、人の脳がもつ言語処理パターンを14個のカテゴリーに分け、これらをプロファイルすることができると、相手に伝わりやすい言葉を使って会話を進...

人的資源マネジメント

 

 

1.対話術 伝える難しさをどう乗り越えるか

「言葉だけで 作業を説明され、 それを実施してみて欲しい」と言われたら、あなたはどうしますか?私は、25年近く『言葉だけで作業内容を伝える』という 対話術のゲームをセミナーでやっているのですが、100%私の思い描いた通りの作業を実施してくださった方は、皆無でした。ところが、『言葉+α』の伝え方に切り替えると、100%の方が、思い描いた通りの作業を実施してくれます。

 

これは、「言葉だけでモノゴトを伝えることがいかに危険か!」を体験していただくためのゲームなのですが、ゲームを終えると「おおお」と驚きの声が 研修会場から上がってきます。

 

労働安全衛生マネジメントなどでも、 文字や 言葉で説明することが主流で+αの 伝え方を意識しないため、リスクを見落としたり、ルールの未励行が起きたり、ヒヤリハットを発生させているシーンに数多く遭遇します。

 

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2.余裕が無ければ安全意識は薄れる

安全第一という 標語や言葉が日常的に伝えられているのに、生産優先・ 効率優先という行動をとってしまうのは、人としては自然です。作業に余裕があればいいのですが、余裕が無ければ無いほど安全意識は 薄れてしまうのです。これでは、作業をする人にとってメインとなるのは「 作業そのもの 」であり、安全は二の次という 意識が沸き起こってしまいます。安全を意識させるには、ありとあらゆる作業のムダを取り除き、作業に余裕を持たせることが必要です。

 

リスクアセスメントの展開後、想定外の災害が発生してしまう事がありますが、現場ではそのリスクを認知していたというケースがよくあります。これは「 報連相のやりにくさ」から発生している事象です。想定外のリスクは、以外と現場では気付いているのです。そこで、重要となるのが、安全衛生コミュニケーションです。

 

3.労働安全衛生 コミュニケーション

安全衛生 コミュニケーションとは

  • 1) 言葉で伝える伝令・伝達
  • 2) 文字や絵で伝える掲示物
  • 3) 文字で伝えるルール

に分けることができます。これらは物質タスク型マネジメント の部類に入るコミュニケーションスタイルです。

 

(1)ルールには説明の仕方があります。

ルールを教えるだけでなく、その内容を実施できるよう訓練が必要です。

 

また、「ルールを励行する」というモチベーションを高めなければ、ルール自体の陳腐化がすすみ、リスクを増大させることになりかねません。ルールには、説明の仕方があるのです。

 

(2)相手をその気にさせるコミュニケーション

NLP(神経言語プログラミング)では、人がどのように言葉を理解し行動に移すのかを深く学ぶ事ができる知識体系です。

 

さらには、言葉の選び方や伝え方に特化した知識体系を LABプロファイル® (language&behavior profile)があり、言葉選びのテクニックを身に付けることで、相手のモチベーションを高めたり維持させることができます。

 

.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。

 

4.物質タスク型マネジメントと人間重視マネジメント

(1)ルールやモノで管理する

物質タスク型安全衛生マネジメントは、モノやルール、業務タスクなどで、次のように、その行動を管理するマネジメントです。

  • ゴーグル装着
  • 防毒マスク装着
  • ハーネス装着
  • ルールの制定
  • 安全マニュアルの制定
  • リスク管理
  • その他

 

(2)モチベーションをマネジメントする

どんなに保護具の装着義務を伝えても、ルール遵守を理解させても、最終的には「その人」のモチベーション向上やその気にさせなければ、行動に移ることはありません。

 

人間重視型マネジメントは、コーチング心理学やNLPなどを駆使し「相手をその気にさせる」ためのマネジメントです。特に、安全文化や風土は人間重視型マネジメントが大きく影響しています。

 

5.LABプロファイル で学ぶ 対話術 の3つのステップ

LABプロファイルを身に付け、労働安全衛生マネジメントに適用するには、次の3ステップをかけあがる必要があります。

  • ステップ1 「対話術」コーチングの基礎を学ぶ
  • ステップ2  LABプロファイル の基礎を知る
  • ステップ3  LABプロファイル を使いこなす

 

ステップ1 「 対話術 」コーチングの基礎を学ぶ

コーチングの基本中の基本は、信頼関係を築くということ。これがなければ、「話を聞いてくれない」「話してもくれない」という事象が起きてしまいます。

 

良好な労働安全衛生マネジメントを遂行するためには、リーダーや管理職が「さらなる信頼」を会得しなければなりません。具体的には、話の聴き方から学び、話し方までの領域のトレーニングを受けます。

 

ステップ2  LABプロファイル の基礎を知る

人の脳は、それぞれクセがあり「理解しやすい言葉と、理解しにくい言葉」として現れます。

 

もし、理解しにくい言葉で話し続けると、相手のモチベーションは下がるばかりです。相手が、どのような言葉を理解しやすいかをプロファイリングし、その結果からわかりやすい言葉を選んで伝えることでモチベーションを高めることがでいます。

 

このステップでは、簡単なプロファイリングの基礎を学び、言葉選びの大切を理解するとともに、言葉選びができるようになるステップです。

 

ステップ3  LABプロファイル を使いこなす

脳科学や言語心理学から生まれた LABプロファイル は、人の脳がもつ言語処理パターンを14個のカテゴリーに分け、これらをプロファイルすることができると、相手に伝わりやすい言葉を使って会話を進めることができる様になります。

 

このスキルは、説得力と説明力が増し、相手にYES!と思わせモチベーションの向上と維持を提供することができます。ステップ3では、これらのスキルをどのようなシーンでも使いこなせるよう訓練します。

 

6.大切なのはバランス

安全衛生マネジメントは、物質タスク型と人間重視型のバランスが大切です。

 

どんなに、ルールを制定してもそれを守る気にさせなければルールの定着はあり得ません。しかし、多くの組織ではバランス化が物質タスク型に偏っている傾向にあります。

 

例えばISO要求事項でも、コミュニケーションという項目がありますが「コミュニケーションのプロセスを確立する」といったような、物質タスク型に偏った表記になっています。

 

また、方針なども「組織内に伝達させる」で要求事項を終わっているため、自覚に対する具体的な手法が欠落しているからだと思われます。さらなる労働災害低減に向け、物質タスク型と人間重視型のバランスを見直してみませんか?

 

◆関連解説「ゼロ災に向けた新たな領域へ」

◆【特集】連載記事紹介まとめページはこちら!連載記事のタイトルをまとめてご紹介!

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この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

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