あなたが社内の教育トレーナーを任されたとき、何を意識してコンテンツを決めたり、伝え方に工夫をしますか?私は『力量』という言葉の意味を意識しながら、コンテンツ決めや伝え方に工夫を加えています。今回は、社内教育を任された時、注意をして欲しいポイントについておはなしします。
1.人材教育とモチベーションは表裏一体
あなたが教育訓練のトレーナーの立場になったとき、何をどのように教えれば良いのかが解ります。そもそも、力量とは「知識 + 技能 + モチベーション」の複合体を指します。知識とは、その仕事の内容や、やり方を”知っている”ということ。技能とは、その知識を実際に”できる”ことを指します。
どんなに知識があったとしても、それができなければ意味がありませんし、それができたとしてもやることの意味や目的を理解していなければ、作業を任せることができません。
また、知識と力量があったとしても、その作業に対するモチベーションも高くなければ意識や集中力が損なわれるため、モチベーションの高揚と維持方法についても、その力量に含まれています。
2.モチベーションを維持する要因
インハウスセミナーで、社内教育トレーナーを育てる「トレーナーズトレーニング」を開催すると「やり方を伝えて、本人ができる様になれば良い」というレベルで、部下や後輩を教育するといった方が少なくありません。しかし、これでは相手が力量を会得したということにはなりません。力量では、モチベーションの高揚と維持の方法についても伝えなければならないのです。
たしかに、知識と技能さえあれば、その仕事はできます。ただ、意識が途切れたり、集中力が途切れたとき、そのようにそれをもとに戻したり、維持し続けるための”意味づけ”を伝えなければなりません。
仕事のモチベーションを維持するには、いくつかの要因が指摘されています。その中でも、特に私が用いている要因が「納得モード」という人の意識付け戦略です。「納得モード」は、相手に何かを教えるとき、その相手毎にモチベーションが高揚したり維持しやすくなる教え方といっても良いでしょう。
3.相手のタイプを知ることでモチベーションを高揚させる
人には、モチベーションを変革させる”きっかけ”として、次の4つの意識付けがあります。
(1)【回数重視型】
数回同じことを繰り返し説明を受けることで、モチベーションが高揚したり、維持されるタイプ。
(2)【期間重視型】
ある一定の期間を通じて、その作業内容を説明されることで、モチベーションが高揚したり、維持されるタイプ。
(3)【直感重視型】
あまり、細かく説明せず、自らの気付きを繰り返すことで、モチベーションが高揚したり、維持されるタイプ。
(4)【疑心型】
説明を受けても、なかなか納得せず、自ら試し、自ら成果を出すことで、モチベーションが高揚したり、維持されるタ...