今回は、物質タスク型マネジメントと人間重視型マネジメントのバランス化を狙ったコミュニケーションスキルについてのおはなしです。
1. 物質タスク型と人間重視型
どんなにマニュアルやシステムを構築して運用しても、それを活用するのは”人”です。例えば、労働安全衛生に関わるルールの制定やシステムの導入をしても、それらを適切に使いこなす人の存在が必要です。つまり、ルールやシステムを「上手く使いこなそう!」という意識やモチベーションを高めなければ、目指すべき目的になかなか到達することが出来ないのです。
- ルールとシステムで組織を動かす。これを物質タスク型マネジメントと言います。
- 人の意識やモチベーションで組織を動かす。これは、人間重視型マネジメントと言います。
物質タスク型マネジメントと人間重視型マネジメントのバランスが大切です。そして、そのバランスを決める大切な要素は、コミュニケーションです。
2. 物質タスク型マネジメントと人間重視型マネジメントのバランス化
組織として、何を学習すべきなのでしょうか?
- この書類、目を通しておいてください。
- この書類、読んでおいてください。
この二つの言葉。目的は「書類の内容を理解しておいて欲しい時」に使われる言葉です。しかし、ここに言葉の不思議さが見え隠れします。人によって、この言葉の解釈が変わってしまうのです。また、目的に向けたモチベーションさえも変わってしまいます。
- 「目を通しておいて」と言われて、内容理解に対するモチベーションが高まる人もいます。
- 「読んでおいて」と言われて、内容理解に対するモチベーションが高まる人もいます。
そして、こんな言い方でモチベーションが高まる人もいるのです。
- 「この内容、理解しておいてください。」
人には、言葉を理解する『クセ』の様なモノがあります。人の脳は、コンピュータの様なもので、脳内にプログラムがインストールされていて、このプログラムを使い言葉を理解しています。このプログラムのことを「メタプログラム」と呼びます。
3. 人によって「メタプログラム」が違っている
例えば、三つのプログラムの違い。
- 視覚型
- 聴覚/読解型
- 情動型
このように、人それぞれインストールされるプログラムが違っています。
- 視覚型プログラムを有している人は「見る」という言葉で、その行動に対するモチベーションが高まります。
- 聴覚/読解型プログラムを有する人は「読む」「聴く」という言葉で、モチベーションが高まります。
- 情動型プログラムを有している人は「理解する」など、具体的な行動を表す言葉で伝えるとモチベーションが高まります。
もし、リーダーであるあなたが、部下や後輩に行動を促す場合、部下や後輩のプログラムに合わせた、”言葉選び”をすると伝わりやすくなるのです。これは、あなたの「説明力と説得力」にも関係してきます。
4. 説明力と説得力の高い人は、相手のプログラムに合わせた言葉選びをしている
聴衆の前で話すときも、全てのプログラムに訴求する言葉を選んで、その集団を説得していることが解ります。この言葉選びのテクニックを「LABプロファイル®注.」と呼びます。LABとは、Language and behaviorの略です。
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注.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。
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LABプロファイル® は、多くの企業でも、リーダーシップ教育で採用され、説明力...