本質思考はTRIZで磨け

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 世の中には、非常に多くの手法や思考法が体系化されています。今回は、哲学的要素を除外した時に、科学的思考法をシンプルに捉えると非常に分かり易い事実にたどり着くことを紹介します。つまり、「本質思考」と言ってもよいと思います。

 全ての生物は、目的的存在であると考えられています。全宇宙は、時間と空間の4次元から成立しています。人間社会では、目的が最も本質的なものとなっており、因果関係が時間軸であり、分解することが空間軸となるからです。別の言い方すると次のようになります。TRIZを少し学習した人ならば、ピンときたのではないでしょうか。

① 時間軸で考えると、真相が見えてくる
② 空間軸で考えると、新しい視点が見えてくる 

 人間の行動や、人間が創造したモノゴトには、何らかの目的があると考えます。目的を考えることが、最も本質的な考え方になります。なぜなら、最も価値がありコアとなるのが目的だからです。どんな時でも、まず目的を考える必要があるのです。次に何かを考える時、空間軸に着目します。つまり、全体と部分の関係に分けて考えればよいのです。大きな問題も、小さく分ければ解決しやすくなります。なぜなら、社会の仕組みは、組織に見られるように、ほぼ分業からなっているからです。科学も、分ける学問とも言われているくらいです。そして、時間軸にも着目します。全ての事象には、原因と結果があります。そして、根本原因が解れば、容易に解決策は見えてくるわけです。

 星野リゾート代表の取り組みが、本質思考の分かり易い事例になります。星野氏は次のように目的展開したそうです。「観光とは何か?」「人はなぜ観光をするのか?」これは観光の「本質」を掘り下げているわけです。たどり着いた結論は、次のようなものでした。「観光とは旅行先での異文化体験であり、非日常体験である。」その地域らしさに根差した本物の異文化をお客様に体感してもらうことが重要だと考えたのだそうです。例えば、青森のリゾート施設では、スタッフも含めて「青森らしさとは何か?」と目的展開しました。そして、青森ならではの異文化体験をしてもらうために、「スタッフが津軽弁で話す」「毎晩、ねぶた祭をする」「津軽三味線を引く」といった方策を抽出し、経営を立て直したそうです。 

 多くの人は「○○とは何か」といった抽象的な問いは、経営には関係がないと思っているかもしれません。むしろ、即効性のあるノウハウを求めているようです。なぜなら、「これさえやれば誰でも上手くいきます」的な書籍が、世の中にあふれているからです。誰でも簡単にできるようになることは、他の人もやれるはずです。どんなに資金、時間、リソースを投入しようと、本質を踏み外した戦略が成功することは稀と考えるべきです。物事の本質を追求することが、何よりも優先して実施しなければいけないのです。

 そこで、みなさん...

 世の中には、非常に多くの手法や思考法が体系化されています。今回は、哲学的要素を除外した時に、科学的思考法をシンプルに捉えると非常に分かり易い事実にたどり着くことを紹介します。つまり、「本質思考」と言ってもよいと思います。

 全ての生物は、目的的存在であると考えられています。全宇宙は、時間と空間の4次元から成立しています。人間社会では、目的が最も本質的なものとなっており、因果関係が時間軸であり、分解することが空間軸となるからです。別の言い方すると次のようになります。TRIZを少し学習した人ならば、ピンときたのではないでしょうか。

① 時間軸で考えると、真相が見えてくる
② 空間軸で考えると、新しい視点が見えてくる 

 人間の行動や、人間が創造したモノゴトには、何らかの目的があると考えます。目的を考えることが、最も本質的な考え方になります。なぜなら、最も価値がありコアとなるのが目的だからです。どんな時でも、まず目的を考える必要があるのです。次に何かを考える時、空間軸に着目します。つまり、全体と部分の関係に分けて考えればよいのです。大きな問題も、小さく分ければ解決しやすくなります。なぜなら、社会の仕組みは、組織に見られるように、ほぼ分業からなっているからです。科学も、分ける学問とも言われているくらいです。そして、時間軸にも着目します。全ての事象には、原因と結果があります。そして、根本原因が解れば、容易に解決策は見えてくるわけです。

 星野リゾート代表の取り組みが、本質思考の分かり易い事例になります。星野氏は次のように目的展開したそうです。「観光とは何か?」「人はなぜ観光をするのか?」これは観光の「本質」を掘り下げているわけです。たどり着いた結論は、次のようなものでした。「観光とは旅行先での異文化体験であり、非日常体験である。」その地域らしさに根差した本物の異文化をお客様に体感してもらうことが重要だと考えたのだそうです。例えば、青森のリゾート施設では、スタッフも含めて「青森らしさとは何か?」と目的展開しました。そして、青森ならではの異文化体験をしてもらうために、「スタッフが津軽弁で話す」「毎晩、ねぶた祭をする」「津軽三味線を引く」といった方策を抽出し、経営を立て直したそうです。 

 多くの人は「○○とは何か」といった抽象的な問いは、経営には関係がないと思っているかもしれません。むしろ、即効性のあるノウハウを求めているようです。なぜなら、「これさえやれば誰でも上手くいきます」的な書籍が、世の中にあふれているからです。誰でも簡単にできるようになることは、他の人もやれるはずです。どんなに資金、時間、リソースを投入しようと、本質を踏み外した戦略が成功することは稀と考えるべきです。物事の本質を追求することが、何よりも優先して実施しなければいけないのです。

 そこで、みなさんに無意識的に本質思考を学ぶツールとして、TRIZを紹介します。目的展開(真の目的を追求)、なぜなぜ分析(原因・結果分析)、物理的矛盾(時間・空間で分離)、9画面法(システムを時間軸と空間軸で分けて考える)などがツールになります。図1 に本質思考のフレームワークを紹介しておきます。どうしても解決策が見つからない場合、モノゴトを「システムまたは機能問題」として捉えると、過去・現在・未来の時間軸、下位システム・システム・上位システムの空間軸、原因と結果、入力と出力としてシンプルに捉えれば、解決策が浮かび上がってきます。

TRIZで本質を捉える 

 図1 本質を捉える視点

◆関連解説『TRIZとは』

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この記事の著者

粕谷 茂

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