物流標準時間を導入する 物流作業計画の重要性(その3)

投稿日

 
 SCM
 
 標準時間は自分の会社で決めればよいのです。ただし、自社の基準が甘すぎると他社には勝てないという事実があります。しかし物流では大方の会社が標準時間を導入していませんので、今すぐに他社との基準の差について心配することは無いかもしれません。
  
 大切なことは、自社の物流現場にルールを定め、それをきっちりと守らせることにあります。それが作業計画であり、標準作業であり、標準時間なのです。
 
 標準時間にはいくつかの目的があります。まずは適正な作業工数を算出することです。仕事量に見合って投入工数は変動させなければなりません。
 
 仕事量が100でも500でも同じ工数ということは、常に過剰人員を抱えていることを意味します。仕事量が減れば投入工数を減らす、増えたら投入工数を増やすようにコントロールが必要です。
 
 もう一つの目的は作業ペースをコントロールすることです。標準時間があれば、今の仕事を何時間何分で完結させなければならないかを判断することができます。
 
 この場合の標準時間ですが、最も簡単なやり方は「今行っている作業のかかる時間と処理できる量を使う」方法です。たとえば1人が1時間に120処理できるのであれば、その時の標準時間は『60分÷120』で1処理量あたり0.5分ということになります。
 
 つまり作業に要した時間を把握できていれば、その時間を処理量で除することで標準時間を作成することができるわけです。
 
 これ以外に作業をストップウオッチで測定する方法や、動作原単位を使って設定する方法がありますが、まずは先ほどの実績に基づく時間値でよいのではないでしょうか。
 
 これをすべての作業で設定し、物流作業...
 
 SCM
 
 標準時間は自分の会社で決めればよいのです。ただし、自社の基準が甘すぎると他社には勝てないという事実があります。しかし物流では大方の会社が標準時間を導入していませんので、今すぐに他社との基準の差について心配することは無いかもしれません。
  
 大切なことは、自社の物流現場にルールを定め、それをきっちりと守らせることにあります。それが作業計画であり、標準作業であり、標準時間なのです。
 
 標準時間にはいくつかの目的があります。まずは適正な作業工数を算出することです。仕事量に見合って投入工数は変動させなければなりません。
 
 仕事量が100でも500でも同じ工数ということは、常に過剰人員を抱えていることを意味します。仕事量が減れば投入工数を減らす、増えたら投入工数を増やすようにコントロールが必要です。
 
 もう一つの目的は作業ペースをコントロールすることです。標準時間があれば、今の仕事を何時間何分で完結させなければならないかを判断することができます。
 
 この場合の標準時間ですが、最も簡単なやり方は「今行っている作業のかかる時間と処理できる量を使う」方法です。たとえば1人が1時間に120処理できるのであれば、その時の標準時間は『60分÷120』で1処理量あたり0.5分ということになります。
 
 つまり作業に要した時間を把握できていれば、その時間を処理量で除することで標準時間を作成することができるわけです。
 
 これ以外に作業をストップウオッチで測定する方法や、動作原単位を使って設定する方法がありますが、まずは先ほどの実績に基づく時間値でよいのではないでしょうか。
 
 これをすべての作業で設定し、物流作業計画を作ります。そして物流監督者は自部署の部下に対してその時間内で作業を終わらせるように指示しなければなりません。
 
 いかがでしょうか。仕事に時間の概念が必要であることは当たり前のことです。それを理論的かつ細かいメッシュで行っていくことで労働生産性は向上します。
 
 皆さんもきちんと物流作業計画を策定し、上手にマネジメントされることをお勧めしたいと思います。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第3のSCM: 複雑系・安定・利益

1. 既存のSCMと第3のSCM  既存のSCM:サプライチェーンマネジメントでは資金最大化をねらい、調達を、需要や制約、つまり販売と同期させて在庫...

1. 既存のSCMと第3のSCM  既存のSCM:サプライチェーンマネジメントでは資金最大化をねらい、調達を、需要や制約、つまり販売と同期させて在庫...


物流効率化の決め手、荷姿モジュール 物流改善ネタ出し講座 (その5)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


サプライチェーンマネジメントの基礎

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
輸送荷姿の改善と物流インフラ:海外物流での留意点(その3)

  ◆ 輸送荷姿の改善と物流インフラ 海外で物流を企画する際には日本との条件差を十分考慮する必要があります。輸送を考慮すると、距離の違い...

  ◆ 輸送荷姿の改善と物流インフラ 海外で物流を企画する際には日本との条件差を十分考慮する必要があります。輸送を考慮すると、距離の違い...


人に教えることで物流を学ぶ

1. 物流知識を教える    自分の学びに一番役立つこととして「人に教える」ということがあります。自分があることを勉強しているときに、理解度をチ...

1. 物流知識を教える    自分の学びに一番役立つこととして「人に教える」ということがあります。自分があることを勉強しているときに、理解度をチ...


業務領域拡大:物流の地位向上とは(その3)

  ◆業務領域拡大 物流はサービス業ですから、お客様の要望に応えなければ存在意義はありません。法令に反しなければ運送や保管以外の仕事はい...

  ◆業務領域拡大 物流はサービス業ですから、お客様の要望に応えなければ存在意義はありません。法令に反しなければ運送や保管以外の仕事はい...