サプライチェーンマネジメントと荷姿知識 物流人財育成の勘所(その3)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 
 物流人財に知っておいていただきたいことは「物流は結果である」ということです。たとえば工程と工程を離して設計すれば、工程間運搬が永遠に発生します。ものづくりの方式を決定すれば在庫が決まります。三日ロット行えば最大で三日分の在庫が発生し、そのための容器や置場が発生します。ですからサプライチェーンマネジメントの観点からは、源流対策を行っていくことが物流人財に課されているのだ、ということです。
 
 いったん拠点や工程を定めてしまうと、物流が結果的に決まってしまいます。調達方法や生産方法を決めてしまえば、それを変えない限り物流改善につながりません。やはり最初が肝心だということを肝の銘じておくことが大切なのです。
 
 そして生産が終わればそれを顧客に届ける必要があります。顧客に欠品を起こさないためにはどれくらいの完成品在庫を持たなければならないのか、前工程に波動を起こさせないためにはどのようなしくみが必要になるのか、このサプライチェーンにおける下流領域の管理方法について学ぶ必要があります。
 
 もちろん顧客に届ける際にはパッケージングについても重要です。せっかくよい製品を作っても、それを輸送途上で壊してしまっては元も子もありません。
 
 そこで「荷姿知識」についても学ばせる必要があります。容器にはどのような資材を使い、緩衝材が必要な場合にはその材質についても知っておかねばなりません。物流事業者であればこのような荷姿知識があり、その知識を駆使してユーザーに貢献できればかなり喜ばれることと思います。
 
 ユーザーの立場であれば、この荷姿知識を持っているのと持っていないとでは大違いですから、できるだけ自ら学んでいくことをお勧めしたいと思います。
 
 物流人財が育っている会社ではサプライチェーンマネジメントが進んでいると思われます。結果的に会社としてはこのサプライチェーンが徹底的に効率化されていれば、会社利益も出るものと推測されます。
 
 海外...

サプライチェーンマネジメント

 
 物流人財に知っておいていただきたいことは「物流は結果である」ということです。たとえば工程と工程を離して設計すれば、工程間運搬が永遠に発生します。ものづくりの方式を決定すれば在庫が決まります。三日ロット行えば最大で三日分の在庫が発生し、そのための容器や置場が発生します。ですからサプライチェーンマネジメントの観点からは、源流対策を行っていくことが物流人財に課されているのだ、ということです。
 
 いったん拠点や工程を定めてしまうと、物流が結果的に決まってしまいます。調達方法や生産方法を決めてしまえば、それを変えない限り物流改善につながりません。やはり最初が肝心だということを肝の銘じておくことが大切なのです。
 
 そして生産が終わればそれを顧客に届ける必要があります。顧客に欠品を起こさないためにはどれくらいの完成品在庫を持たなければならないのか、前工程に波動を起こさせないためにはどのようなしくみが必要になるのか、このサプライチェーンにおける下流領域の管理方法について学ぶ必要があります。
 
 もちろん顧客に届ける際にはパッケージングについても重要です。せっかくよい製品を作っても、それを輸送途上で壊してしまっては元も子もありません。
 
 そこで「荷姿知識」についても学ばせる必要があります。容器にはどのような資材を使い、緩衝材が必要な場合にはその材質についても知っておかねばなりません。物流事業者であればこのような荷姿知識があり、その知識を駆使してユーザーに貢献できればかなり喜ばれることと思います。
 
 ユーザーの立場であれば、この荷姿知識を持っているのと持っていないとでは大違いですから、できるだけ自ら学んでいくことをお勧めしたいと思います。
 
 物流人財が育っている会社ではサプライチェーンマネジメントが進んでいると思われます。結果的に会社としてはこのサプライチェーンが徹底的に効率化されていれば、会社利益も出るものと推測されます。
 
 海外ではこの点、意識的に育て、幹部社員にもその知識を持った人が大勢います。逆に日本が特殊なのかもしれません。物流は本業ではないから人財は投入しない、育てないなどといった、わけのわからないことをいっているのは日本ぐらいです。
 
 グローバルで戦える会社になるためにも、サプライチェーンの核となる物流人財を育成していきたいものです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
格差が拡がるSCM   SCM最前線(その2)

 SCM最前線、前回のその1に続いて解説します。   1.SCM達成度は範囲よりも質が重要     これまで、SCM...

 SCM最前線、前回のその1に続いて解説します。   1.SCM達成度は範囲よりも質が重要     これまで、SCM...


サプライチェーンにおける収益向上のメカニズム

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...


コア・コンピタンスを再定義する

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
後工程はお客様:後工程合わせの仕事で効率化(その1)

  ◆ 後工程はお客様   工場でも物流倉庫でも後工程の要請に合わせて仕事をしなければならないところですが実態はいかがでしょうか。仕事を...

  ◆ 後工程はお客様   工場でも物流倉庫でも後工程の要請に合わせて仕事をしなければならないところですが実態はいかがでしょうか。仕事を...


物流のインフラを効率的に:物流は共同で取り組め(その3)

  ◆荷姿容器の共通化 企業間物流の共同化の一環として荷姿容器の共通化があげられます。この荷姿容器の共通化は物流効率化に大いに貢献します...

  ◆荷姿容器の共通化 企業間物流の共同化の一環として荷姿容器の共通化があげられます。この荷姿容器の共通化は物流効率化に大いに貢献します...


作業訓練道場 物流職場での後輩育成(その3)

  ◆ 道場で基本学び、現場で仕事を覚える  ノウハウを伝えることができてきたら、いよいよ作業を標準化していくプロセスに移ります。  ...

  ◆ 道場で基本学び、現場で仕事を覚える  ノウハウを伝えることができてきたら、いよいよ作業を標準化していくプロセスに移ります。  ...