提案に至るまでのハードル 荷主のハートに刺さる提案とは (その2)

投稿日

 

サプライチェーンマネジメント

◆ 荷主との会話と現場診断

 荷主を訪問した時に荷主の物流現場を見せてもらいましょう。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふさわしいかもしれません。

 つまりただ単に現場の状況を見るのではなく、その現場にどのような問題が潜んでいるのか、その問題を解決するにはどのような方策が考えられるかを考えながら診るのです。要は荷主の物流現場を診断するということになります。

 荷主の物流現場の担当者に困りごとを聞きながら実際にその状況を把握します。自分でも荷主の言っていることを納得できるまで状況をきちんと把握することが必要になるのです。

 そしてまた荷主と会話を行います。自分が荷主の物流現場を診て感じたことを率直に話し、それに対する荷主の見解を確認します。

 ここまでやってくれば大体何を提案したらよいのかがわかります。何を解決してあげれば荷主の思いと合致するのかもわかります。これで初めて提案ができたと言えるのです。

 どうでしょうか。今まで何を提案したらよいかわからなかった、という方もおぼろげながらでもご理解いただけたのではないでしょうか。

 物流会社の問題として、提案に至るまでに2つのハードルがあるような気がします。1つ目が荷主との会話です。そして、2つ目が荷主の現場診断です。

 この2つのハードルを越えない限り提案はできません。しかし多くの会社がこの2つ...

 

サプライチェーンマネジメント

◆ 荷主との会話と現場診断

 荷主を訪問した時に荷主の物流現場を見せてもらいましょう。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふさわしいかもしれません。

 つまりただ単に現場の状況を見るのではなく、その現場にどのような問題が潜んでいるのか、その問題を解決するにはどのような方策が考えられるかを考えながら診るのです。要は荷主の物流現場を診断するということになります。

 荷主の物流現場の担当者に困りごとを聞きながら実際にその状況を把握します。自分でも荷主の言っていることを納得できるまで状況をきちんと把握することが必要になるのです。

 そしてまた荷主と会話を行います。自分が荷主の物流現場を診て感じたことを率直に話し、それに対する荷主の見解を確認します。

 ここまでやってくれば大体何を提案したらよいのかがわかります。何を解決してあげれば荷主の思いと合致するのかもわかります。これで初めて提案ができたと言えるのです。

 どうでしょうか。今まで何を提案したらよいかわからなかった、という方もおぼろげながらでもご理解いただけたのではないでしょうか。

 物流会社の問題として、提案に至るまでに2つのハードルがあるような気がします。1つ目が荷主との会話です。そして、2つ目が荷主の現場診断です。

 この2つのハードルを越えない限り提案はできません。しかし多くの会社がこの2つをやろうとしません。それはなぜなのでしょうか。荷主との話をしたがらない物流会社を多く見かけます。顔を合わせば値下げの話をされると思い込んでいるのでしょうか。

 そのような態度ではいかにも自信なさそうに見えて荷主は逆にその物流会社との取引を続けたいとは思わないかもしれません。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第3のSCM: 複雑系・安定・利益

1. 既存のSCMと第3のSCM  既存のSCM:サプライチェーンマネジメントでは資金最大化をねらい、調達を、需要や制約、つまり販売と同期させて在庫...

1. 既存のSCMと第3のSCM  既存のSCM:サプライチェーンマネジメントでは資金最大化をねらい、調達を、需要や制約、つまり販売と同期させて在庫...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その10)

   第10回 道具7「物流会社指導マニュアル」  前回のその9に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 &n...

   第10回 道具7「物流会社指導マニュアル」  前回のその9に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 &n...


ヒューマンエラーと物流品質 物流品質の向上 (その2)

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
親会社のニーズを自ら探る メーカーと物流子会社(その2)

  ◆ 親会社への貢献とは  メーカー子会社は親会社に対する貢献が必要ですので、貢献するための方法を考えていくことが求められます。親会社...

  ◆ 親会社への貢献とは  メーカー子会社は親会社に対する貢献が必要ですので、貢献するための方法を考えていくことが求められます。親会社...


改善力を高めるには:物流スタッフの効果的育成法(その2)

  ◆ 改善スキルの習得  物流スタッフに欲しいスキルの一つとして「改善力」があります。「改善は永遠」という言葉もありますが、継続的に取...

  ◆ 改善スキルの習得  物流スタッフに欲しいスキルの一つとして「改善力」があります。「改善は永遠」という言葉もありますが、継続的に取...


輸配送改善のポイント(その1)

1. 物流発生コストを把握する  物流コストの約6割を占めるといわれる輸配送ですが、ここについて何とかしたいがどのような取組が必要か。このような...

1. 物流発生コストを把握する  物流コストの約6割を占めるといわれる輸配送ですが、ここについて何とかしたいがどのような取組が必要か。このような...