S&OPの狙い S&OPと物流(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 顧客情報を入手しよう

 市場の動向、顧客の動向を常にウオッチしながら効率的な経営を進めてくことが求められます。物流業も例外ではありません。

 S&OP:Sales and operationの狙いの一つに市場情報を的確に把握し、それを自社の生産計画に反映させていくことがあります。市場の変化のスピードは速まるばかりです。経営のスピードもそれ同様に速めなければなりません。

 前回のように、あるメーカーでは7種類の生産計画を持っています。これを自社だけではなく、協力会社にも情報提供することでサプライチェーン全体の効率を上げようとしているのです。

 物流会社も積極的にこの情報を活用しなければなりません。また、もしこの中で得られていない情報があれば、それは自ら取りに行くべきでしょう。たとえば中期経営計画(3ヶ年の生産計画)などは、今後の物流インフラの整備に当たっての貴重な情報として活用することが可能です。

 トラックの増車や倉庫スペースの拡張はいつまでにやっておくべきなのか、物流人材の育成タイミングはいつなのか、このような検討アイテムの参考となるのが計画上の生産情報なのです。

 会社によっては物流検討のために計画上の生産数に基づいた「物流量」を算出しているところもあります。物流側にしてみれば物流量が分かるのがベストですから、こういった情報の有無もしっかりと調査しましょう。

 計画ではイベント情報も入手しましょう。例えば、いつ頃新工場が立ち上がるのか、どのような新製品がいつ頃立ち上がるのかなどの情報は物流に大きなインパクトを与えます。

 単なる「量の情報」にとどまらず、「イベント情報」をできるだけ正...

サプライチェーンマネジメント

◆ 顧客情報を入手しよう

 市場の動向、顧客の動向を常にウオッチしながら効率的な経営を進めてくことが求められます。物流業も例外ではありません。

 S&OP:Sales and operationの狙いの一つに市場情報を的確に把握し、それを自社の生産計画に反映させていくことがあります。市場の変化のスピードは速まるばかりです。経営のスピードもそれ同様に速めなければなりません。

 前回のように、あるメーカーでは7種類の生産計画を持っています。これを自社だけではなく、協力会社にも情報提供することでサプライチェーン全体の効率を上げようとしているのです。

 物流会社も積極的にこの情報を活用しなければなりません。また、もしこの中で得られていない情報があれば、それは自ら取りに行くべきでしょう。たとえば中期経営計画(3ヶ年の生産計画)などは、今後の物流インフラの整備に当たっての貴重な情報として活用することが可能です。

 トラックの増車や倉庫スペースの拡張はいつまでにやっておくべきなのか、物流人材の育成タイミングはいつなのか、このような検討アイテムの参考となるのが計画上の生産情報なのです。

 会社によっては物流検討のために計画上の生産数に基づいた「物流量」を算出しているところもあります。物流側にしてみれば物流量が分かるのがベストですから、こういった情報の有無もしっかりと調査しましょう。

 計画ではイベント情報も入手しましょう。例えば、いつ頃新工場が立ち上がるのか、どのような新製品がいつ頃立ち上がるのかなどの情報は物流に大きなインパクトを与えます。

 単なる「量の情報」にとどまらず、「イベント情報」をできるだけ正確に聞き出すことが重要になってくるのです。国産ではなく輸入資材を多く使うようになるといった予測情報も重要です。もし自社で輸入できない状態のままでは自社の仕事が先細りする可能性があるからです。

 以上のような情報は待っているだけでは入手できません。積極的に顧客のところに出掛けて収集し、それを更新していく必要があるのです。

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その8)

第8回 道具5「物流評価シート」(下) 前回のその7に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.海外工場の物流設計評価...

第8回 道具5「物流評価シート」(下) 前回のその7に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.海外工場の物流設計評価...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その12)

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...


サプライチェーンとキャッシュフローの関係

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  物流購入品目の整理:物流購買の勘所(その2)

  ◆物流購入品目の整理 よくあるパターンとして、同じ品目をそれぞれの部署がばらばらの価格で購入しているということが挙げられます。これを...

  ◆物流購入品目の整理 よくあるパターンとして、同じ品目をそれぞれの部署がばらばらの価格で購入しているということが挙げられます。これを...


モチベーション向上の取組とは

  1. モチベーション向上: マズローの定義に学ぶ  物流現場は人による作業に頼るところが大きい傾向にあります。ということは従業員のモチベーショ...

  1. モチベーション向上: マズローの定義に学ぶ  物流現場は人による作業に頼るところが大きい傾向にあります。ということは従業員のモチベーショ...


  物流作業の生産性とは:物流実力値把握の重要性(その1)

  ◆ 物流生産性の把握  今回から、物流実力値把握の重要性を解説します。物流も作業ですから製造会社で行っているものと同等の管理が必要で...

  ◆ 物流生産性の把握  今回から、物流実力値把握の重要性を解説します。物流も作業ですから製造会社で行っているものと同等の管理が必要で...