付加価値を生まない時間の管理 物流労務費改善への取り組み(その2)

更新日

投稿日

SCM

 

◆ 稼働時間内ロスタイム

 物流現場の労務費改善を進めるためには、物流作業者各人が稼働時間内でいかに「本業のみに時間を使っているか」に懸かっています。では本業以外の時間には、どのようなものがあるかみていきましょう。

 

  • ミーティング時間: これは始業時の朝礼や終業時のミーティングです。合計で15分くらいでしょうか。
  • 休憩時間: 昼休み以外に労働時間の間に入れる休憩時間です。これは1日2回で合計20分くらいでしょう。

 この2つで35分ですから、1日8時間労働としてその約7%を占めます。7%だけ物流作業ができないということになります。これらはあらかじめ決められた時間といえますが、それ以外にも日々仕事ができていない時間があります。

 

  • 作業編成ロス:今の仕事と次の仕事の間にできる「空き時間」のことです。やる仕事が無いために時間が空いてしまう状況もこの中に含まれます。
  • 材料切れなどによる手待ち:梱包する時、ピッキングする時に材料切れなどから、仕事の対象物が無いための手待ち時間です。

 以上のような時間は、付加価値を全く生み出さないロスタイムだと考えられます。このような時間が1日の内どれくらいありますでしょうか。このロスタイムだけを潰すだけでも数%の生産性向上が可能であると考えられます。まずは稼働分析などを実施し、実態を把握することから始めるべきではないでしょうか。

 ミーティングは情報伝達、情報共有化のためには必要なものですが、あまり時間をかけると生産性低下につながります。現場に管理ボードを掲げ、誰でも見られるようにすることでミーティング時間を短縮する方法も考えられます。...

SCM

 

◆ 稼働時間内ロスタイム

 物流現場の労務費改善を進めるためには、物流作業者各人が稼働時間内でいかに「本業のみに時間を使っているか」に懸かっています。では本業以外の時間には、どのようなものがあるかみていきましょう。

 

  • ミーティング時間: これは始業時の朝礼や終業時のミーティングです。合計で15分くらいでしょうか。
  • 休憩時間: 昼休み以外に労働時間の間に入れる休憩時間です。これは1日2回で合計20分くらいでしょう。

 この2つで35分ですから、1日8時間労働としてその約7%を占めます。7%だけ物流作業ができないということになります。これらはあらかじめ決められた時間といえますが、それ以外にも日々仕事ができていない時間があります。

 

  • 作業編成ロス:今の仕事と次の仕事の間にできる「空き時間」のことです。やる仕事が無いために時間が空いてしまう状況もこの中に含まれます。
  • 材料切れなどによる手待ち:梱包する時、ピッキングする時に材料切れなどから、仕事の対象物が無いための手待ち時間です。

 以上のような時間は、付加価値を全く生み出さないロスタイムだと考えられます。このような時間が1日の内どれくらいありますでしょうか。このロスタイムだけを潰すだけでも数%の生産性向上が可能であると考えられます。まずは稼働分析などを実施し、実態を把握することから始めるべきではないでしょうか。

 ミーティングは情報伝達、情報共有化のためには必要なものですが、あまり時間をかけると生産性低下につながります。現場に管理ボードを掲げ、誰でも見られるようにすることでミーティング時間を短縮する方法も考えられます。

 次に考えなければならないのが作業スピードです。自動車工場の組立ラインはコンベアスピードが仕事のスピードになりますので、そのラインに従事している人は皆同じ速度で仕事をしていくことになります。

 では、物流現場ではどのようにスピードコントロールをしていったら良いでしょうか。これにつきましては、次回お話させていただきたいと思います。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントにおけるERP -ソフトウェアの本質的な方向性-

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その12)

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...


サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流的業務:物流の地位向上活動(その2)

  ◆他業界に負けるな 製造業の行っている仕事には物流的業務が含まれますが、そこについては物流から見て「同じ業務」だといえそうです。その...

  ◆他業界に負けるな 製造業の行っている仕事には物流的業務が含まれますが、そこについては物流から見て「同じ業務」だといえそうです。その...


物流商品を提供するとは メーカー物流の勘所(その4)

◆ 在庫管理の考え方  皆さんが物流会社の立場で顧客の仕事を請け負う場合、「在庫管理」という業務についてどのように考えますでしょうか。  在庫管理...

◆ 在庫管理の考え方  皆さんが物流会社の立場で顧客の仕事を請け負う場合、「在庫管理」という業務についてどのように考えますでしょうか。  在庫管理...


作業者を褒める体制は品質に影響 物流品質管理(その5)

  ◆ 現場意識が品質を上げる  海外の物流倉庫でよく見かけるしくみですが、それぞれの物流作業者の物流品質に関する誓いを現場に表示すると...

  ◆ 現場意識が品質を上げる  海外の物流倉庫でよく見かけるしくみですが、それぞれの物流作業者の物流品質に関する誓いを現場に表示すると...