効率的な海上輸送:グローバルロジスティクスを考える(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆効率的な海上輸送

最近では海外が大きな市場になって日本の製造業はこぞって海外進出しています。従来は海外で生産した方が安くできるという理由でした。これは今でも海外生産の理由の一つになっていますが、それよりも、消費地で生産することは物流の観点からも大きなメリットがあります。

 

中国は良い例ではないでしょうか。自動車会社はみな中国に工場を建設し、そこで生産を開始しました。これは中国が自動車の市場規模で世界で2番目だからでもあります。グローバルカーを商品として持つことで、世界のどこでも部品調達が可能となるチャンスが広がります。

 

部品は中国で生産し、日本で最終組立を行うこともあるでしょう。今後は、自動車でも日本で生産するよりも、海外で組み立ててそれを輸入するケースが増えてくるのではないでしょうか。

 

このような時代ですから、こういった生産・販売を支える物流が必要になってきます。グローバルロジスティクスに対するニーズが大いに拡大してきているといえるでしょう。

 

グローバルロジスティクスで注目されるものが海上輸送です。海上輸送の中でもコンテナ輸送が一番なじみ深いのではないでしょうか。コンテナ輸送はトラック輸送に似ています。それは荷台の中身をいかに充実させるかという点です。これをトラックではトラック積載率と呼んでいます。

 

コンテナの場合はコンテナ充填率と呼びます。箱の中をいかにして一杯にするか、これが物流コストを適正化する重要ポイントになるわけです。そのためにはフルコンテナになるように荷を集める必要があります。そしてコンテナを一杯にしてから船に載せて輸送することになります。

 

フルコンテナにするためにどのような工夫をしていったらよいでしょうか。たとえば海外から部品を輸入することを例にと...

サプライチェーンマネジメント

 

◆効率的な海上輸送

最近では海外が大きな市場になって日本の製造業はこぞって海外進出しています。従来は海外で生産した方が安くできるという理由でした。これは今でも海外生産の理由の一つになっていますが、それよりも、消費地で生産することは物流の観点からも大きなメリットがあります。

 

中国は良い例ではないでしょうか。自動車会社はみな中国に工場を建設し、そこで生産を開始しました。これは中国が自動車の市場規模で世界で2番目だからでもあります。グローバルカーを商品として持つことで、世界のどこでも部品調達が可能となるチャンスが広がります。

 

部品は中国で生産し、日本で最終組立を行うこともあるでしょう。今後は、自動車でも日本で生産するよりも、海外で組み立ててそれを輸入するケースが増えてくるのではないでしょうか。

 

このような時代ですから、こういった生産・販売を支える物流が必要になってきます。グローバルロジスティクスに対するニーズが大いに拡大してきているといえるでしょう。

 

グローバルロジスティクスで注目されるものが海上輸送です。海上輸送の中でもコンテナ輸送が一番なじみ深いのではないでしょうか。コンテナ輸送はトラック輸送に似ています。それは荷台の中身をいかに充実させるかという点です。これをトラックではトラック積載率と呼んでいます。

 

コンテナの場合はコンテナ充填率と呼びます。箱の中をいかにして一杯にするか、これが物流コストを適正化する重要ポイントになるわけです。そのためにはフルコンテナになるように荷を集める必要があります。そしてコンテナを一杯にしてから船に載せて輸送することになります。

 

フルコンテナにするためにどのような工夫をしていったらよいでしょうか。たとえば海外から部品を輸入することを例にとって考えてみましょう。部品はいくつものサプライヤーから購入することになると思いますが、よほど大きなものとか量が非常に多い場合を別として、サプライヤーの1社だけでコンテナが一杯になるとは限りません。そこで複数のサプライヤーの荷をどのようにして集めるか、という話につながります。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流の顧客満足度を知る【連載記事紹介】

  物流の顧客満足度を知るの記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流の顧客満足度を知る 物流はあらゆる経済活動と関わり...

  物流の顧客満足度を知るの記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流の顧客満足度を知る 物流はあらゆる経済活動と関わり...


サプライチェーンにおけるリードタイム短縮の方策

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...


SCM(サプライチェーンマネジメント)とは

 サプライチェーンマネジメント(SCM)のゴールは「メイクマネー」、すなわちキャッシュフロー(資金の流れ)を上げることです。企業を存続させるためには、企業...

 サプライチェーンマネジメント(SCM)のゴールは「メイクマネー」、すなわちキャッシュフロー(資金の流れ)を上げることです。企業を存続させるためには、企業...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
上流工程の状況把握の重要性 グローバルサプライチェーン(その6)

  1. 上流工程の状況把握  前回の自動車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたりま...

  1. 上流工程の状況把握  前回の自動車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたりま...


仕事のやり方を統一するとは

1. 自由度が高い物流作業  多くの会社で仕事のやり方がばらばらだという現象が起きています。これに気づかない経営者もいますし、気づいていても何の違和...

1. 自由度が高い物流作業  多くの会社で仕事のやり方がばらばらだという現象が起きています。これに気づかない経営者もいますし、気づいていても何の違和...


物流設備投資時の注意事項:物流現状把握の重要性(その4)

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...