◆ トラックドライバーの労働時間
トラックドライバーの労働時間を遵守させるためには「待ち時間」を短縮しなければならないでしょう。
この待ち時間は物流事業者側でできるものと、単独ではできないものがあると思います。特に後者についての方が多いと思われますからこの点について少し考えてみましょう。
トラックが荷主の構内に入ってから出ていくまで4時間かかった、ひどい場合には8時間出られなかったという話を耳にすることがあります。
この「待ち時間」にはさまざまな要因が絡んでいると思われます。その一つに「ものが出てこない」ということが挙げられます。つまり今積み込む荷の生産が間に合わず、生産が終わるまでトラックを待たせるという現象です。
この待ち時間が10分程度ならまあ仕方ないか、と考えられないわけではありません。しかし1時間以上となるとこれはあまりにも身勝手だと言わざるを得ません。私たちの生活の中で列車や飛行機が特定の顧客のために、発車タイミングをずらしてくれるなどということはあり得ません。
私たちはどこかに出掛ける時は、移動手段としての列車や飛行機の出発時刻に合わせて行動をします。しかし、一方でトラックは安易に待たせてしまっているということをなぜ行ってしまうのでしょうか。
「後工程はお客様」という言葉があります。つまり生産工程の後工程は輸送工程であり、そのお客様を待たせているという意識を持つべきです。これもコンプライアンス意識の一つだといえそうです。
毎回毎回、トラックを待たせるような「甘え」は断たなければなりません。
トラックは時刻通りに発車し、間に合わなかった荷は特便を仕立てて輸送する方向を考えます。こうすることで生産ラインに緊張感が発現します。自分たちの追加コスト(特便費用)の発生を抑えるために、ライン改善を行って間に合わせようという動機づけにつながると思われます。
待ち時間発生のもう一つの要因として「トラック出発時刻の曖昧(あいまい)さ」があると思われます。「今日の午前中」という決め方をした場合、各社のトラックがまちまちの時刻に発荷主の所に到着します。そうなると当然トラックが集中することも考えられ、早いもの順で積み込みが行われることがあるのです。
このやり方では、少...