自ら変わること:物流の地位向上のために(その3)

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サプライチェーンマネジメント

 

◆ 自ら変わること

物流は、自分たちの効率を顧客のメリットよりも優先して実施することが見受けられイメージを悪くしている節もあります。それでよく「運び屋」と揶揄されることがあります。物流の重要機能である運搬や輸送を指してこのように言われるわけですが、この言葉の裏にはものを運搬はできるものの、単に言われたとおりにやるだけ、という意味が含まれているようです。

自分たちの効率を追求することは当然あってよいのですが、極論すれば顧客のデメリットの上に効率化することは望ましくありません。たとえばトラック積載率を向上させたいために不要なものまでまとめて運ぶ、運搬効率を上げたいために荷姿を大型化するような例が挙げられます。顧客にとって要らないものまで受け取らなければならず、その点でデメリットが発生しているといえます。

物流の地位向上のためには真っ先にこのような身勝手な効率化は避けなければなりません。じゃあどうやって効率化すればよいんだ?という意見も聞こえてきそうです。それに対してはもっと工夫して下さい、もっと勉強して下さい、ということに尽きると思います。他業界の改善を参考にする、他社を見学してみる、社外の勉強会に積極的に参加するなどの「努力」が必要です。

 

常に顧客のために、ということを最優先すれば物流の地位は徐々に向上します。この数年における通販物流が良い例です。我儘な顧客の要望に応えることで物流の質を上げてきました。すぐに欲しい顧客には超短リードタイムで届けます。顧客の家以外で受け取れるように宅配ボックスやコンビニでの受け取りを可能にしました。いずれアメリカで行われているようなドライブスルー方式やタクシーでの宅配なども実現するかもしれません。

顧客の方を向いていればどのようなニーズがあるのかがわかります。それにいち早く対応していければ物流も見直されることに違いありません。そして運送や倉庫業務といった狭い領域から早く脱し、それ以上の付加価値業務に進出していきましょう。物流が加工組立や小売りを行ってもよいのですから。併せて人財育成を進めていきましょう。社内でどんどん勉強させていきましょう。社員に対する要求水準も上げていきましょう。

人から認められるためには自ら変わることが重要です。すべては自己責任だということを肝に銘じていきましょう。

 

 


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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