電気代削減だけでなく、様々な面にメリットも
建物の状況に合わせ、設備機器運用を最適化することで温室効果ガスや光熱水費を抑え、省エネやCO2削減を実現する取り組みとして注目されている「エコチューニング」ですが、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からみても重要な取り組みです。法人向けに発電や小売電気事業をはじめ、電気の運用改善などを提案する日本テクノ株式会社(代表取締役社長 馬本 英一氏)が推進する省エネ活動支援サービスと社外活動を2回にわたりご紹介します。
1.電気の「見える化」、「理解(わか)る化」を通じた総合サービスを提供
建物の状況に合わせ、設備機器運用を最適化することで温室効果ガスや光熱水道費を抑え、省エネやCO2削減を実現する取り組みとして注目されている「エコチューニング」。脱炭素社会の実現に向け、環境省が進める事業です。エコチューニングはSDGs(持続可能な開発目標)の観点からみても「7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、「13 気候変動に具体的な対策を」に貢献するほか、広義でいえば「12 つくる責任、つかう責任」、さらに「11 住み続けられるまちづくりを」といった目標にもつながります。また、企業規模に関わらず、温室効果ガスの削減目標と排出量開示の義務化に向けた検討も進む中、脱炭素化は重要な経営課題となっています。
発電や小売電気事業をはじめ、電気の運用改善などを提案する日本テクノ株式会社が販売する「SMARTMETER ERIA(スマートメーター エリア)」と「SMART CLOCK(スマートクロック)」は、電力の使用状況を色や数値、アイコンの表情でお知らせ。使用電力量を「見える化」することで事業所の省エネ活動を支援するツールです。
【写真説明】使用電力量を「見える化」することで、事業所の省エネ活動を支援するスマートメーター エリア(同社提供)
日本テクノ株式会社は1995(平成7)年、神奈川県相模原市に設立。高圧電気設備保安管理・点検業務から始まった同社ですが、馬本社長の「中小企業と共に発展していきたい」をモットーに、発電・小売電気事業や電気料金自動検針、高圧受変電設備(キュービクル)の稼働状況を監視する主装置「ES SYSTEM」の販売など、時代の変化と共に事業を拡大。「電気をつくる」、「電気をまもる」、「電気を賢くつかう」の3キーワードを柱に、電気の「見える化」(可視化)、「理解る化」を通じた総合サービスを提供しています。
2.顧客からの声を基に日々進化「SMARTMETER ERIA」
停電をはじめ、漏電などの電気事故を24時間監視する保安システムとして販売されていた「ES SYSTEM」ですが、2002(平成14)年に高圧電力の基本料金の算出方式が、従来の固定料金制からデマンド料金制[1]に切り変わったことを受け、同システムにもデマンド監視機能を追加したことが、スマートメーターエリア誕生のきっかけとなりました。
当初は、設定されたデマンド値(30分間の平均使用電力)を超えそうになった際、赤色灯の点灯と指定電話番号に連絡する機能を設け、使用者に節電を呼び掛ける仕様でした。2008(同20)年、「仕事中でも使用電力状況を把握したい」など、顧客からの声をきっかけに、色や警告音で使用状況を知らせるほか、デマンド値や使用量などの数値情報をリアルタイムに可視化・把握できる表示器として本品の提供を開始しました。同サービス開始以降も現場からの声を基に社内で議論を重ね、機能を追加。さらに、2011(同23)年にはオプションとしてスマートクロックの販売を始めるなど日々、進化を続けています。2021(令和3)年12月末現在、約22,000社の製造業がこれらサービスを契約しています。
【図説明】日本テクノ社顧客の業種別割合(同社提供)
3.電力状況を色と音声でリアルタイムに把握、3M対策にも
スマートメーターエリア最大の特長は、アイコン(スマイルマーク)による5段階表情と色(カスタマイズ可能)の変化で、ユーザーが設定した目標値に対する電力の使用状況が、リアルタイムで把握でき、さらに電気機器操作が苦手な人でも簡単に操作できる点です。
目標値は30分単位(時間帯設定も可能)から設定が可能で、タッチパネルを使った直感的な入力ができます。設定後はデマンド値が目標値を超えそうになった際や超過時に画面と音声で注意をうながす仕組みとなっています。色は青、緑、黄、オレンジ、赤の5色で表示。青は「安全」、黄が「注意が必要」、赤は「危険」といった、信号機をイメージし、私たちの無意識下に刷り込まれている、3色に対する認識が利用されています。
【写真説明】スマートメーターエリアの設定画面(同社提供)
ES SYSTEM販売時から提供されてきた全停電はじめ、瞬時電圧低下やトランス(変圧器)温度異常発生時に通報される連絡機能はそのままに、電力状況の「見える化」機能を加えたことで、省エネ活動に対する意識付けにも役立つようになりました。このほか、最終退出時の確認も行えるため、残業などで発生する電力を削減することで、3M(ムリ・ムダ・ムラ)対策にも利用できることから、業務改善に向けた取り組みにも活用可能です。
【写真説明】デマンド値が目標値を超えそうになった際や超過時に画面と音声で注意をうながす(同社提供)
【写真説明】1日24時間を30分ごと(1日48コマ)に分け、それぞれの時間帯に合った使用電力量(kWh)の設定が可能(同社提供)