ものづくりの世界において、大企業の製品はもちろんのこと、海外Makersの新製品情報も早々に目に入ってくるようになりました。KickStarter等のクラウドファンディングの影響も大きいでしょう。
さて、電子回路・ソフトウェアの設計において、英語力が重要となってくるのは、多くの設計者が身に沁みて感じていることと思います。まず最初にIC、CPU等のデータシートが英語のみ、というケースを体験することになるでしょう。解読しないことには仕事が進まないため、機械翻訳を使いながら、日本語の10倍位の時間をかけて、苦労しながら読んだご経験がある方も少なく無いと思います。
しかし数年も経てば慣れてきて、逆にリビジョンが古い日本語訳の情報を読むより、最新の英文を読みに行ったりするものです。若い方は、先輩らから同様の指導を受けた方もいらっしゃるかもしれません。このように慣れてきた方は、日常会話的英語より、機械的に図表、ソフトの場合は実際のコードを使って説明してあるデータシートやマニュアル、アプリケーションノートの方が、読みやすくなっているはずです。
私も、数百ページのデータシートを読むことに抵抗はありませんが、ペーパーバックの小説はまったく読めません。叙情的表現等が全くない、テクニカルなドキュメントのほうが書いていることが単純だからです(技術的に単純かどうかは別ですが)。このあたりはベテランの技術者には、同意いただける事と思います。
ここまでは、国内でものを作るにあたって、ある意味「必要にかられて」身につけた読解力だと言えます。すでに「当たり前」になっている方もいらっしゃるでしょうが、本稿では、更に積極的に海外へ足を伸ばしませんか?という提案です。
例えばPCB製作。国内にも優良なP板製作所は有りますが、未だ中国のコストには及びません。手のひらサイズの基板でしたら、2,000円以下で10枚ほど作ってくれます(2層の場合)。500枚でも25,000円程度でしょうか。更に、CAD等のツール類でも同様です。有料で純日本製でしたら、サポートも充実していることが多いですが、昨今は様々な高機能フリーウェアが充実してきており、これらの殆どは海外製で、サポートも期待できません。しかし、それぞれ使用しているユーザーは多いため、大抵フォーラムが用意されています。サポートしない代わりに、ユーザー同士で解決してくれ、というわけです。ツールを使っていて困った場合、ここに投稿すると10分で解決することもあります。
2つほど例を挙げましたが、どちらとも英語です。ドキュメントを読む行為とは、また違ってきます。当然ですが、こちらの意図を相手に伝える英語力が必要になります。ReadのスキルからWriteのスキルが必要になるというこ...